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月一古典  つきいち こてん

 本ブログ冒頭の画面に「月一古典(つきいちこてん)」とあるが、これはどなたの言葉か、と問い合わせをいただいた。この十数年、折々に学生諸君にプレゼントしてきた三訓の1つで、第1が「足腰使え」、第2が「月一古典」、第3が「世界を見据え 持ち場で動かむ」である。
 もともとは自戒の、私自身が日々実践すべき教訓として作った。
 第1の「足腰使え」は最重要の基本であり、人類の誕生は直立二足歩行に始まる。これにより重い脳と発達した顎を持ち、両手を解放し、飛躍的に高度な能力を獲得した。
 この人類独特の身体構造を維持するには、十分にアシコシを使わなければならない。しっかりしたアシコシの上に気力、その上に知力があるピラミッド構造を心中に描いている。意識して実践したい。
 第2が「月一古典」である。せめて月に一度は古典に触れたい。古典とは長い歳月を経て現在に生き、深く心を動かすものと定義すれば、「自分の古典」は芸術や文学等にとどまらない。山、川等の自然も古典である。
 私の散歩道に、樹齢800年という楠(くすのき)の巨木がある。幹に太い注連縄(しめなわ)を結び、泰然と在る。私の古典の1つである。
 第3の「世界を見すえ 持場で動かむ」とは、広い視野で自分の役割を考え、最善を尽くすぞ、という心構えである。
小さな一人の最善が、かけがえのない最善として世界とつながる。恐れず、あきらめず未来を拓けと、学生諸君に伝えてきた。
 私も過去に学び、未来に思いを馳せ、大局を見失わずに歩んでいきたい。
 三訓のうち第1は、今のところなんとか実践できていると思う。第3は歴史家として不可欠の要素であるが、取り組みたい具体的な歴史事象はすこしずつ変わりつつある。
 ここで敢えて第2を選んだのは、多忙に紛れ、古典が疎かになる自省からである。「自分の古典」に出会う感性と、ゆったり味わう時間を大切にしたい。
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プロフィール

Author:加藤 祐三
日本の歴史学者

横浜 市立大学名誉教授

国指定名勝・三渓園(横浜)
園長

・前都留文科大学長
(2010~2014)

・元横浜市立大学長
(1998~2002)

主な著書
「イギリスとアジア」
         (1980年)
「黒船前後の世界」(1985年)
「東アジアの近代」(1985年)
「地球文明の場へ」(1992年)
「幕末外交と開国」(2012年)
蒋豊訳「黒船異変」(2014年)
蒋豊訳「東亜近代史」
         (2015年)

 など

専門
・近代アジア史
・文明史

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