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懐かしい面々と久しぶりの出会い

 横浜市立大学の文理学部人文課程東洋史専攻の卒業生と久しぶりに横浜中華街、上海料理の名店で会った。永年幹事の西野均君に聞くと、すこし考えながら前回が2017年だったので7年ぶりと答える(後述)。
 教員は金子文夫さんと私の二人。卒業生は9名が参加、彼らは同期ではないが、多くが60歳前後である。
 
 「学生時代には親子ほど年が違うと感じたが、いま還暦を迎えると、先生方との年齢差はずいぶん小さく感じる」との声。私の市大着任はいつかと問われたが、即答できなかった。
帰宅後に改めて『横浜市立大学論叢 第54編 人文科学系列 第1・2・3合併号 加藤祐三 退官記念号』で調べてみた。着任は1973(昭和48)年、37歳である。
 今回集まった還暦前後の卒業生たちは、私の着任から9年前後に3年生となったことになる(3年次で専攻に分ける)。男子が2名、女子が7名。女子の多くが中学・高校の教諭になって活躍してきた。

 誰が司会するでもなく、銘々が順に近況を語る。
 〇還暦前後のため教諭の生活をこのまま続けるか、あるいは3年生の担任が終わるのを機に自分も退任するか悩んでいる。教諭の仕事を早期退職したものの、所属した学校からの強い要請で週4日、非常勤教諭として教壇に立つ。
 〇子供が成長して孫の面倒を見るため仕事を辞めた。
 〇商社勤めの男子は、海外勤務から戻り一段落したのを機に、社会貢献として日本語教師の資格を取り、初めて先生と呼ばれたという話。ご子息がエンジニアとして、市役所に入庁した。
 〇プロ顔負けの漫画を描く女子、起床時の体操(私の朝トレ=後述)を実践中。私の不在中は彼女の指示に従ってほしい。
 〇健康に留意した生活を送り、自転車で通勤をする女子。再開した山登りを楽しむため、体力アップにもチャレンジ中。来年度ご子息が受験生となる。
 〇夫の転勤に伴い各地に転居してきたが、神戸に腰を据え約15年。20数年ぶりの同窓会参加も全く違和感なく参加。ラグビー部のマネジャーをしていたので現役プレーヤーだった商社勤めの男子と久しぶりの歓談。
 〇週2回ほどの在宅勤務を交えながら、引き続き、横浜の会社へ通っている。ご子息も社会人として巣立ち、一人はメーカーのニューヨークの拠点で、もう一人は小学校の教諭として、それぞれ活躍中。
 ○横浜中華街研究の第一人者である女子は、文献資料や聞き取り等に加え、調理器具、中国服、楽器(ピアノも)、ソロバン等のモノの資料収集・保管・展示を通して、中華街の仕事と生活を伝えている。
さっそく特別の逸品料理を彼女がフェイスブック(facebook)にアップした。私はもっぱら「いいね!」を発するフェイスブックの愛読者、私のような愛好者を含めれば、今回参加者のほぼ半分にのぼるのではないか。これを通じて互いの近況を得ている模様である。

 今回は出席できなかったのが下記の5人、その近況について。
 〇定年を迎え、一度退職するも、職場の事情から要請を受け、困難を抱える方々の相談業務に復帰。房総半島の鋸山のガイドの見習いにもチャレンジ中。
 〇バイクの販売業を継続中。店舗営業の関係上、なかなか週末の集いに参加するのが困難。二輪車の納税手続き等で市内の区役所に頻回訪問している。
 〇県庁の非常勤職員として20年近く勤務。やり甲斐も感じており、年金支給まで継続したいと。数年前に双方の親を見送り、夫、兄弟姉妹、親戚付き合いを大切にしながら暮らしている。
 〇合気道猛者の彼女、学生時代の上海遊学時、混んだバス車内で伸びてきた手をやんわりと抑えた武勇伝を持つ。昨年、念願の関釜フェリーで釜山へ。最近、市大近くに転居、合気道の後身指導か?
 〇郷里に戻った後、引き続き市職員として奮闘中。人事異動により時間的に余裕のある部署での配属となったため、語学の勉強に再チャレンジしようかと考えている。
みな元気に前向きに生きているのが嬉しい。

 西野が私の著書を持参して壁際に並べてあり、驚かされる。『イギリスとアジア-近代史の原画』(岩波新書 1980年)は2冊持っていると言う。
 一連の本のなかに1冊、私の著作ではないものがあった。西川亘の卒業論文「アジア主義者の転向-橘樸の場合をめぐって」(『横浜市立大学学生論集』1986年号に掲載)の特装版である。謎めいた本がある意味に気づいた。西川をここに連れてきたのだろう。

 「先生、今年が米寿ですね?」と唐突な質問が出た。確かに今年の年末に八十八の米寿になるが、あまり気にしていなかった。
米寿の祝いに揃いのマグカップを2つ、送ってくれた。夫婦で末永くの意味らしい。可愛らしい花輪を添えて。その意味に気づいたのは最後の集合写真を撮る時であった。

 彼らは私を八十八歳で見ているのに対して、私は彼らを六十歳の還暦で見ていた。発言の順番が私に回ってくると、還暦をキーワードに話した。
「遺言ではないが、みなさん、還暦を機にぜひ始めてほしいことがある。自称、朝トレと呼んでいるが、起床後の床の上で行う体操。これに約1時間をかける。上向き、下向き、また上向きと計24ポーズ。体幹を鍛える体操で、はやりのティラピス(腹横筋)強化も意識的に取り入れている。
 そして一日平均7000~8000歩の散歩、それを数字で示すためスマホに表示される月平均の歩数を見せた。さらに週3回ほどのテニス。合わせると一日平均すると4時間ほど肉体を酷使する。
すると睡眠時間がどうしても一日10時間は欲しくなり、それだけ知的活動に割く時間が圧縮される。どうしたら良いか。その秘術については、みなさんと次回お会いするとき、肉体酷使を始めたか、どれほどやっているかを聞いたうえで判断しようと思う。

 今回がはたして何年ぶりの再会なのか? 私にも定かな記憶がなく、西野幹事にもすこし曖昧なところがあった。このブログに記載があるに違いないと古い記事を探ると、2016年12月28日掲載の「緩和ケアと友情」が見つかった。およそ8年前、これが前回最後の会合だったのか?
 次のようにある。西川亘が死を目前に「生きる今」を書いた、かけがえのない記録を再確認するために抄録したい。

 横浜市立大学(以下、市大)文理学部人文課程東洋史の1985(昭和60)年前後の卒業生は仲が良く、卒業後30年余を経ても集まることが多い。教員にも声がかかる。連絡係を買っているのが西野均君(1988年卒業、横浜市職員、いまは市大附属病院勤務)で、彼の地道な努力が友情の輪をつないでいるようだ。
 先月11月18日(金曜)の朝、西野からメール連絡が入った。
 「昨夜、三田登美子さんから連絡をいただき、西川亘さんが入院中であり、東洋史関係の諸先輩方への連絡を依頼されました。西川さんは、胃がんを患い療養中のところ、先日、強い痙攣発作を発症し、救急入院となり、検査所見から、脳への転移が疑われ、症状が芳しくないとのことです。」
 私はもどかしい思いで返信した。「連絡、ありがとう。2年前に中華街でみなにお会いしたとき、大腸癌の経験者として私は<毎年、定期健診だけはやっておけ>と強く言い、癌に対しては<早期発見ソク治療しかない。検査技術は格段に進歩している>と口を酸っぱくして言ったのに、残念でならない。」
 その日の夕方、埼玉県の病院を尋ねた。私は10年前に受けた大腸癌手術に至るまでの不安な日々に、最近逝去したイギリス人の友人の「緩和ケア」の経過が重なり、動顛する気持ちを押さえて、ベッドに仰臥した西川と対面した。その報告を、西野へ以下のメールで伝える。
 「西川君を病院に見舞い、いま帰宅しました。彼はしっかりとした口調で、<癌が頭に転移し、終末期治療に入っている。先ほど放射線治療を受けてきた…>というので、<…これから緩和ケアに入るから、健常者には分からない格闘が始まる。もし嫌でなければ言い残しておきたいことをICレコーダーに吹きこんだらどうか>と勧めると、彼は<…そうですね。吹き込んでみたい>と前向きな声が聞かれた。…<緩和ケア>については、つい最近、旧知のイギリス人の経験があります。下記の私のブログの数回前、10月21日掲載「ディリアの逝去を悼む」に書いたのでご覧ください。私からのこの返信をみなさんへ転送してください。」
 1時間もしないうちに西野からメールが来た。
 「早々にお見舞いに行っていただき、ありがとうございました。<もう面会者と話もできない状況かも知れないから、皆で見舞いに行くのは、西川さんの負担になる>と言われたので、かなり心配していましたが、先生のメールを拝見して、少し気持ちが楽になりました。先生のメールは諸先輩方へ転送させていただきます。…」
 その後、気にしつつ、2度目の見舞いに行けないまま日が過ぎた。12月22日昼、西野から西川の訃報が届いた。見舞いに行った日から33日目である。
 「…西川亘様におかれましては、2016年12月21日、ご逝去されました。…西川さんの生前のご意志により、通夜、告別式は行われませんが、ご出棺前に最後のお別れの場を設けていただきましたので、ご参列お願い申し上げます。…ご家族(弟様)からお預かりしたPDFファイルを添付いたしましたので、そちらもご覧ください。」
 24日(土曜)、斎場に着くと同級生や前後の卒業生たち、それに初めて会う方々が多数集まっていた。奥に安置された西川の遺体に合掌。享年55。穏やかな表情に安堵する。
 弟の次郎さんが「…先生が見舞いに来てくださってから、兄は急に前向きに闘病生活を始めました…」と言う。あのとき話した「…記録を残さないか…」の勧めは西川に良かったのか、不安があった。「…これが兄の書き残したものです…録音する代わりに自分で書きました」とノートを見せてくれた。
 几帳面な字でびっしり書いている。あの状況で、ここまで大量に書くことができるものか。最初が2016.11.19の日付(私が見舞った翌日)。冒頭に「これは、私こと西川亘の終末闘病日記となる。<闘病>というよりは、緩和Careの中で、<生>に関して気付いた見解を綴っておこうという方を主眼としたい…」とある。その気概と整然とした文章に驚嘆した。
 癌の告知からの経過を淡々と綴る。「昨年11月に体調の悪さを自覚して医師の診断を受けると、薄々予期していた通り、胃癌と診断。胃カメラ映像を見ると、もう相当進行しているのが素人眼にも瞭然。既に肝臓にも多数転移。手術はできないとの主治医の言葉。ステージは幾つくらいか、怖くて尋ねることもできなかったが、既に末期段階であったものと後推量する。」
 その約1年後の2016年11月9日、「未明に目が覚めると左手首に痙攣を覚え、独り身では携帯電話での連絡もつけようがないと気づき、この11月9日が、私の第二の人生の初日なのだ…何とか発作が一時収まり、救急車を呼び…16日からガンマーナイフ(放射線照射治療)を行い、知人にもメール連絡を行う。」と記す。
 「18日…、病室の外の廊下に加藤祐三教授の姿が。僕は40年(ママ)も前の教え子だ。…言い残しておきたいことを記せとの有益な提言を戴いた。」
 次ページから最終ページの12月18日(逝去の3日前)に至るまで、見舞いに訪れた多数の友人たちの名前と会話や印象を綿密に記す。学生時代の友人のみならず、俳優(『日本タレント名鑑』にあり、舞台・映画・テレビ等に芸歴を持つ)として共に活躍した人、会社勤務時代の人も含まれるようである。なんと多彩で豊かな交友関係か。
 このノートは、人生の最後を濃密に生きた命の記録、死を目前に、生きる今を書いた、かけがえのない記録である。彼の卒業論文「アジア主義者の転向-橘樸の場合をめぐって」(『横浜市立大学学生論集』1986年号に掲載)にも劣らぬ立派な存在証明である。
 
 前回会合の後、西野から訂正のメールが入った。
 前回の東洋史ゼミ同窓会について、スケジュール手帳を辿ってみたところ、西川さんを偲ぶ会の2年後、2018年11月24日(土)に横浜中華街 揚州飯店本店で、伊藤泉美さんの出版祝い(『横浜華僑社会の形成と発展: 幕末開港期から関東大震災復興期まで』 (山川出版社)を兼ねて開いていました。
>> 出席者は、加藤先生、金子先生、卒業生8人です。

 永年幹事の西野均は市役所勤務も間もなく36年間。いま泉区福祉保健センター長。役職定年まであと2年。新型コロナの対応も落ち着き、「月一古典」を念頭に置きつつ、月1回程度のオーケストラのコンサートを楽しんでいる、とのこと。
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変わりつつある世界(20)

 前稿の「変わりつつある世界(19)」を掲載したのが2023年12月27日(水曜)の昼で、忙しい年末を象徴するかのように次々とニュースが入ってきた。

【池田元文科副大臣の議員事務所を家宅捜索 東京地検】
 27日の日経特報メールは次のように報じた。
 自民党派閥の政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は27日、東京・永田町の衆院第二議員会館にある池田佳隆元文部科学副大臣の事務所などを同法違反容疑で家宅捜索した。関係者への取材で分かった。池田氏は安倍派(清和政策研究会)の所属。
 一連の事件で、議員事務所への強制捜査が明らかになるのは初めて。
 関係者によると、池田氏の秘書らは特捜部の任意聴取に派閥からの収入を政治資金収支報告書に記載していなかったことを認めた。2020〜22年の収支報告書を訂正し、安倍派からの還流分約3200万円を寄付として計上した。時効にかからない18年以降の不記載額は計4000万円超に上るとみられる。
 安倍派は派閥のパーティー収入の一部を所属議員に還流させ、派閥・議員側双方の収支報告書に記載しなかった疑いがある。還流を受けた議員は数十人に上る。
 東京地検特捜部は派閥の会計責任者を立件する方針を固め、キックバックを受けた議員側についても政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いがあるとみて捜査。不記載額が多い議員側を重点的に調べているもようだ。
•安倍派の池田氏、パーティー収入3200万円の不記載認める
•安倍派と二階派を家宅捜索 パーティー収入不記載の疑い
•池田氏事務所の家宅捜索「深刻に考える」 

自民政治資金問題
自民党安倍派(清和政策研究会)や二階派(志帥会)が政治資金パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあるとして、東京地検特捜部は政治資金規正法違反容疑で両派閥の事務所を家宅捜索しました。両派閥はパーティー券の販売ノルマ超過分を所属議員に還流させており、安倍派における派閥・議員側双方の収支報告書に記載されていない「裏金」は直近5年間で計約5億円にのぼるとみられます。最新情報をまとめました。
• 解説:自民党パーティー券問題、「裏金」なら規正法の趣旨逸脱

【「不正輸出で起訴」取り消し 東京地裁が違法捜査と認定】
 同じ27日の日経速報メールは報じた。
 生物兵器製造に転用できる装置を無許可で輸出したとして起訴され、その後取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが国と東京都に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(桃崎剛裁判長)は27日、捜査を違法と判断した。国と都に約1億6千万円の賠償を命じた。
•【関連記事】「不正輸出」、恣意的捜査に警鐘 規制解釈には幅も
 判決は「必要な捜査をせず漫然と逮捕した」と厳しく断じた。捜査機関の恣意的な法令適用に警鐘を鳴らした司法判断といえる。
 安全保障環境の厳しさや複雑さが増すなか、警察当局は軍事転用可能な製品が海外へ流出しないか監視を強めている。輸出規制の対象に当たるかどうかが焦点となる事案は少なくなく、不備が指摘された捜査手法の検証が求められる。
 原告側は捜査手法だけでなく、規制対象製品を巡る警視庁の解釈も誤りだと訴えていた。判決は警視庁が外為法を所管する経済産業省に解釈を確認した経緯を踏まえ「合理的な根拠が客観的に欠如しているとまではいえない」と述べた。
 判決は製品の構造を詳細に分析すれば、規制対象にならないとの証拠を得ることができたと指摘。合理的な根拠を欠きながら嫌疑があるとした警視庁公安部や、有罪立証の上で必要な捜査をせずに起訴した検察官の判断は違法だったと認定した。
 公安部捜査員による取り調べの一部については「あえて解釈を誤解させ(輸出規制の要件にあたると)認める供述調書に署名するよう仕向けた」とし、「偽計を用いた取り調べで違法だ」と批判した。
 警視庁は2020年、液体を粉末化する噴霧乾燥装置を不正に輸出したとして同社の大川原正明社長(74)と取締役だった島田順司さん(70)、顧問だった相嶋静夫さんを外為法違反(無許可輸出)の疑いで逮捕した。
 東京地検は起訴したが、初公判直前の21年に「規制対象に当たるか疑義が生じた」として起訴を取り消した。大川原社長と島田さんの勾留は約11カ月に及び、相嶋さんはがんの診断後も保釈が認められず起訴取り消し前に72歳で亡くなった。
 訴訟では公安部で捜査を担った警部補が事件について「捏造(ねつぞう)」と証言する異例の経過をたどった。
 判決を受け、警視庁訟務課は「判決内容を精査した上で今後の対応を検討する」とのコメントを出した。
【関連記事】
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•起訴取り消し事件「捏造」 訴訟出廷の警部補が発言
•事件「捏造」発言訴訟 検事、起訴の正当性強調

【大野泰正参院議員の議員事務所捜索 還流資金不記載疑い】
 28日の日経速報メールは報じた。
 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は28日、東京・永田町にある大野泰正参院議員の参院議員会館の事務所など関係先を同法違反容疑で家宅捜索した。関係者の話で分かった。大野氏は同派所属。
 大野氏は2018〜22年に安倍派のパーティー収入約5000万円の還流を受け、収支報告書に記載しなかった疑いが持たれている。これまで明らかになった議員側への還流額としては最大規模となる。特捜部はすでに大野氏側の聴取を進めており、全容解明には強制捜査が必要と判断したもようだ。
 特捜部は27日に安倍派に所属する池田佳隆元文部科学副大臣の衆院第2議員会館の事務所(東京・千代田)など関係先を家宅捜索した。池田氏は18〜22年に計4000万円超の還流を受け、議員側の収支報告書に記載していなかったとされる。
 安倍派は派閥のパーティー収入の一部を所属議員に還流させ、派閥・議員側双方の収支報告書に記載しなかった疑いがある。還流を受けた議員は数十人に上る。
 特捜部は派閥の会計責任者を立件する方針を固め、キックバックを受けた議員側についても政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いがあるとみて捜査。不記載額が多い議員側を重点的に調べている。
【関連記事】
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•収入不記載、議員側に初の強制捜査 池田氏事務所を捜索

自民政治資金問題
自民党安倍派(清和政策研究会)や二階派(志帥会)が政治資金パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあるとして、東京地検特捜部は政治資金規正法違反容疑で両派閥の事務所を家宅捜索しました。両派閥はパーティー券の販売ノルマ超過分を所属議員に還流させており、安倍派における派閥・議員側双方の収支報告書に記載されていない「裏金」は直近5年間で計約5億円にのぼるとみられます。最新情報をまとめました。
• 解説:自民党パーティー券問題、「裏金」なら規正法の趣旨逸脱
•大野泰正参院議員の議員事務所捜索 還流資金不記載疑い(14:13 更新)
•自民議員、逮捕・起訴は5年で8人 党主導の対応甘く(12:41)

【辺野古移設、国が初の「代執行」 24年1月着工】
 同じ28日の日経速報メールは報じた。
 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は28日、防衛省が申請した地盤改良工事の設計変更を県に代わって承認する「代執行」を実施した。地方自治法に基づき、国が自治体の事務を代執行したのは初めて。防衛省は2024年1月12日にも県が埋め立てを認めていない区域で工事に着手する。
 28日午前、東京・霞が関の国交省で、江口大暁水政課長が設計変更申請を承認する書類を防衛省沖縄防衛局の担当者に手渡した。木原稔防衛相は同日、防衛省内で記者団に「普天間基地の全面返還に向けた一つの節目だ」と述べた。「着実に工事を進めることが一日も早い全面返還を実現し、危険性の除去につながる」と強調した。
 辺野古移設を巡っては福岡高裁那覇支部が20日の判決で、県に対し25日までに申請を承認するよう求めたが、県は承認しなかった。国交省は26日に代執行を28日に実施する旨の通知を県に送付していた。
 沖縄県の玉城デニー知事は27日に高裁判決を不服として、最高裁に上告したと明らかにした。県は最高裁で逆転勝訴しない限り、代執行に基づく工事を止めることはできない。玉城氏は28日、県庁で記者団に「代執行は沖縄県だけの問題ではなく、全国の地方自治体が問題点を総点検しなければならない節目にきている」と述べた。
 代執行は国と地方の関係などを定めた地方自治法に基づき、地方自治体に任されている事務を国が代理で行う手続きだ。本来、国が果たすべき事務を地方自治体が代わりに行う「法定受託事務」に適用される。国交省が所管する公有水面埋立法に基づく知事承認も含まれる。
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•代執行とは 行政上の強制執行の一つ、実施の要件厳しく

【柿沢未途議員ら逮捕、江東区長選巡る買収容疑 東京地検】
 同じ28日の日経速報メールは報じた。
 東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部は28日、衆院議員で前法務副大臣の柿沢未途容疑者(52)=自民党を離党=と秘書4人を同法違反(買収など)容疑で逮捕した。区長選での票の取りまとめを依頼する趣旨で、柿沢議員が区議らに約200万円を配った疑いがあるとしている。
一連の事件は現職国会議員の逮捕に発展した。
•【関連記事】買収・ネット広告疑い、地盤強化に執着か 柿沢議員逮捕
 柿沢議員の逮捕容疑は4月の区長選で木村弥生前区長を当選させる目的で選挙運動を呼びかけ、2〜10月に区議らへ計約200万円の現金を提供したほか、60万円の提供を申し込むなどした疑い。
 ほかに逮捕したのは柿沢議員の政策秘書の伊藤正樹容疑者(51)、公設第一秘書の柚留木成人容疑者(64)ら。特捜部は柿沢議員が自らの地盤強化を見据え支援を呼びかけたとの見方を強めている。
 区長選は自民党系の候補者が対立する保守分裂の構図だった。関係者によると、柿沢議員はこれまでの任意聴取に対し、区長選と同時期に実施した区議選の「陣中見舞い」だったとして違法性がないと主張しているという。
 特捜部は木村前区長について、区長選期間中に自身への投票を呼びかける有料インターネット広告を掲載した疑いがあるとして捜査している。柿沢議員は広告の発案をしたとみられる。
 柿沢議員は江東区を選挙区とする衆院東京15区選出で現在5期目。2009年の衆院選で初当選した。21年の衆院選後に自民党から追加公認され、23年9月に法務副大臣に就いた。木村前区長の有料ネット広告への関与を認め、10月に辞任した。
 特捜部は11月に地元・江東区の事務所のほか、区議らの関係先も捜索していた。今月14日、東京・永田町の衆院第2議員会館にある柿沢議員の事務所などを家宅捜索。柿沢議員は同日、自民党を離党した。
 公選法は選挙支援を求める目的で金品を渡すことを買収罪として禁じている。違反した場合は3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金に処せられる。受け取った側も被買収罪に問われる可能性がある。
【関連記事】
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※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。竹内純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
今後の展望
法務副大臣を務めていた現職議員の逮捕という重い事態。ただ、自民党とだけ報じられていますが、この方、NHK職員から東京都議会議員になられ、その後国政に出てからは、みんなの党→維新の党→民進党→希望の党→無所属を経て、2021年10月に自民党から追加公認を得たという経緯なんですね。再エネ導入や脱原発、発送電分離を掲げるものの、恐縮ながらその主張は情緒的で、論理が詰まっていない方だなと拝見していたのですが、それどころではなく、現金配布とは・・。徹底解明を期待します。
2023年12月28日 12:32

【自動車輸出、中国が日本抜き初の首位 EV8割増】
 同じ28日の日経速報メールは報じた。
 中国の自動車輸出台数が2023年、日本を抜き初めて世界首位になる見通しだ。欧米が撤退したロシア、北米の足がかりとしてのメキシコ、電気自動車(EV)シフトが進む欧州や東南アジアなど世界に販売地域を広げたことが背景で、30年の輸出台数は23年比倍増の1000万台を超えるとの指摘もある。
 世界の自動車市場で中国勢の影響力が強まる一方、中国製EVの購入補助金を減らすといった流入を警戒する動きも、自国産業の保護や雇用の維持を目指す欧州などで広がり始めている。
 自動車の業界団体、中国汽車工業会によると1〜11月の中国の輸出台数(速報値)は前年同期比58%増の441万2千台だった。2位の日本からの輸出は1〜11月時点で15%増の399万台で暦年でも430万台程度にとどまる見通し。
 中国は既に上半期の輸出台数で日本を抜いており、年間でも首位が確実となる。比較可能な国別のデータでみると、輸出台数で日本が首位から転落するのはドイツが首位となった2016年以来。
 中国政府はEVシフトをテコに世界市場をリードする「自動車強国」を目標に掲げる。その輸出をけん引するのはロシア向けだ。1〜10月のロシア向け輸出は前年同期の7倍の73万台。ウクライナ情勢で日米欧の主要メーカーが撤退した市場に入り込んだ格好だ。輸出の大半がガソリン車でロシア向けが伸びた奇瑞汽車や長城汽車は中大型の多目的スポーツ車(SUV)を輸出した。
 ロシアに次いで輸出を増やしたのがメキシコで71%増の33万台と急伸した。中国メーカーはまずメキシコで販路を開拓して消費者を囲い込み、主戦場である米国やカナダといった北米市場に打って出ることを目指している。上海汽車集団や安徽江淮汽車集団(JAC)、奇瑞汽車などが輸出を増やした。
 中国汽車工業会によると、1〜10月のEVなど「新エネルギー車」の輸出は77%増の143万台に増えた。全体に占める比率は34%だった。
 中国から輸出される車の多くはガソリン車やディーゼル車だが、新エネルギー車は欧州や東南アジア向けが多い。米テスラやEV世界2位の比亜迪(BYD)がけん引する。
 BYDの主力車種はSUVの「ATTO3(アットスリー)」で、欧州での価格は3万8000ユーロ(約600万円)と、5万〜6万ユーロとされる欧州内での平均的なEVに比べて安価なことが消費者をひき付けている。
 BYDはアジアや欧州でEV輸出や現地生産を急速に伸ばしている(ジャパンモビリティショー2023で)
 特に足元で輸出を増やしているのが日本メーカーの市場シェアが高い東南アジアだ。日本勢がEVシフトで遅れる中でシェアを奪っている。中国の1〜10月の新エネ車の輸出先でアジアは欧州に迫り、タイは前年実績の2倍と英国を抜いた。中国の国有自動車大手幹部は「これからは東南アジア市場で日本勢と戦う時代になる」と指摘する。
 米アリックスパートナーズの鈴木智之マネージングディレクターは中国の輸出競争力について、「中国政府によるこれまでの大規模な補助金の注入により、自動車の製造・販売のサプライチェーン(供給網)が海外にも拡大している」と分析する。
 中国が自動車輸出を拡大する背景には、国内の生産能力の過剰問題を緩和する狙いもある。中国メディアによると22年の国内の自動車工場の稼働率は54%で17年の67%から大幅に低下。深刻な供給過剰問題に直面している。国内外のメーカーが急速に進めた生産能力拡大が背景にある。
 中国メディアによると、25年の新エネ車の生産能力は3600万台を超すとの見方もある。一方で25年の国内販売は1400万〜1600万台程度のため、2000万台以上の過剰となる計算だ。企業の淘汰も進んでおり、小型EVを手掛けていた雷丁汽車集団は5月に破産を申請した。
 各国は中国からの安価なEVの流入に身構える。フランスやイタリアは中国を含むアジア製EVに対するEV補助金を制限。トルコもアジア製EVに対する輸入制限を発動した。ドイツは今月に入りEV購入補助金の支給を突然やめたが、背景に中国製の低価格品が国内でシェアを伸ばしていたことがあると指摘されている。
 アリックスは中国からの輸出台数は23年は540万台程度、30年には1000万台を超える可能性があると予測する。中国国内で膨らんだ在庫が周辺国に流出すれば、供給過剰を招き、自動車価格を下押しする可能性もある。
 中国による過剰生産と輸出の拡大はかつて鉄鋼など他産業でも起き、その後、中国発の世界市況の悪化を招いた。中国の自動車メーカーは輸出で海外市場を開拓し、現地生産に切り替える戦略を描く。中国の内需低迷が長引けば、自動車でも各国を巻き込んだ供給過剰が深刻化し、自動車メーカーや供給網の経営に影響を与える可能性もある。(川上梓、北京=多部田俊輔)

【台湾の対中投資1割に激減 23年、米国向けが初の逆転 【イブニングスクープ】
 28日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 【台北=龍元秀明】台湾の対中投資が2023年に大きく減った。工場の新設や買収など対外直接投資に占める中国向けの比率は10年のピーク時に8割強に上ったが、23年は1割強に激減する見通しだ。米国向けは前年の9倍に膨らみ、投資先で初めて米中が逆転する。
 台湾の中国向け投資が激減した背景には、中国経済減速の影響に加え、長年の政治問題を中台の双方が棚上げしきれなくなったことがある。米中対立が本格化して以降、米国が中国製品に制裁関税を課すなど、台湾企業は中国大陸でのビジネスにやりにくさを感じるようになった。
 米国寄りで対中強硬路線の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統率いる与党・民主進歩党(民進党)政権も、経済の「脱・中国依存」を掲げた。中国から台湾に生産を回帰する企業に優遇策を設け、中国離れが徐々に進んだ。
 台湾の経済部(経済省)の調べによると、台湾の対外直接投資(認可ベース)は1〜11月、前年同期比87%増の257億ドル(約3兆6000億円)と大きく増えた。半面、中国向けは29億ドルと34%減少し、全体に占める比率は12%にとどまった。
 中台が自由貿易協定(FTA)に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)を結んだ10年には、対中投資が84%と過去最高を記録した。減少傾向にあった昨年も34%を確保しており、23年の落ち込みが際立つ。
 過去30年間でも1999年に記録した28%が最低で、今年はその半分以下の低水準となる。金額ベースでも大幅に減る。台湾の対中投資のピークは10年の146億ドルだが、23年はその4分の1程度となる見通しだ。
 中国に代わって急増するのが欧米向けの投資だ。1〜11月の米国への直接投資は前年同期比9倍の96億ドルで全体の37%を占めた。ドイツ向けも25倍の39億ドル(15%)と対中を上回る。台湾積体電路製造(TSMC)の工場建設など半導体関連の投資がけん引する。
 23年は通年で対米投資が対中の約3倍の規模となる見込み。台湾が中国への直接投資を解禁した93年以降で初めて米中が逆転する。
 台湾からの中国投資は、かつて海外投資全体の8割を超えたが、今年は1割台に激減する(16年、中国・広東省)。
 中台は互いの経済成長を優先し、1990年代後半からモノづくりを中心に強固な協力関係を築いた。
 代表例は米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」だ。iPhoneの大半は台湾企業の中国工場で生産されてきた。高い技術を持つ台湾メーカーが巨大市場を持つ中国に誘致され、90年代から多くの工場を構えて雇用創出し、中台で共に稼ぐ事業モデルを築いた。
 iPhone生産世界首位の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が筆頭格で、ピーク時には中国で100万人以上を雇用し、年間売上高が約30兆円の巨大企業に成長した。鴻海以外にも、衣類や靴、プラスチック製品など幅広い分野で大手から中小・零細までが中国大陸に進出し、高度な経済成長期を支えた。
 中国を拠点にビジネスを展開する台湾人(台商)は80万人規模に上り、台湾の上場企業約1700社の7割が中国に投資するまでになった。
 「世界の工場」といわれ、中国の高度な経済成長を支えた裏には、多くの台湾人経営者の存在があった(17年、中国・広東省東莞市)。
 だが対立する政治だけではなく、経済でも関係の見直しが顕著になってきた。
 中国の習近平(シー・ジンピン)政権は台湾への統一圧力を急速に強めている。反発する蔡政権を打倒するため、これまで控えていた経済面にも踏み込んだ。21年以降に特に顕著になり、台湾企業が中国市場を主力としたパイナップルなどを次々と輸入禁止にし、蔡政権に揺さぶりをかけた。
 今年8月には、台湾が対中輸入規制を設ける農産品や工業製品など2509品目全てを調査し、台湾への関税優遇の停止をちらつかせた。実際、21日には化学物質など12品目について、24年1月から関税引き下げの優遇措置を停止すると発表した。経済成長を優先し、中台が足並みをそろえていた時代は終わりつつある。
 台湾は2024年1月に総統選を控える。各種の支持率調査でリードする民進党候補の頼清徳・副総統は経済の「脱・中国依存」を促す蔡政権の路線を引き継ぐ。最大野党・国民党候補の侯友宜・新北市長は中国との経済関係の再強化を訴える。
 もっとも、中国経済は低迷を続け、ハイテク製品を巡る米中対立にも改善の兆しはない。総統選でどの候補が勝利しても、対中投資がすぐに戻る可能性は低い。民間大手シンクタンク、台湾経済研究院の孫明徳主任は「米中対立が続く限り、台湾の対中投資は低下を続けるのがメインシナリオだ」と指摘する。
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多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。今村卓丸紅 執行役員 経済研究所長
分析・考察
台湾企業業の脱中国依存への急旋回を明確に示す結果です。それでも中国向け投資が34%減なら削減のペースは他の国々よりはおそらく緩やかでしょう。過去の投資が多く、中国経済は鈍化したとはいえ成長しているので、米中対立の影響が小さい業種で再投資や追加投資が続いていて、一定の規模に達するのかもしれません。 中国には台湾と経済一体化を進め、台湾企業と市民に中国経済の発展に台湾を委ねることがベスト、中国なしに台湾の繁栄はあり得ないという意識を浸透させることが統一への最善のシナリオのはず。しかし中国経済は停滞、台湾へは経済的威圧ではこのシナリオから逸脱、自ら選択肢を狭めています。発想も転換を期待したいのですが。
2023年12月28日 20:21

【日経平均、2023年の終値3万3464円 年間で7369円高】
 2023年12月29日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 2023年の大納会を迎えた29日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比75円(0.2%)安の3万3464円で終えた。年間での上げ幅は7369円と1989年(8756円高)以来の大きさとなった。日本企業の稼ぐ力の向上や日本経済のデフレ脱却に期待する海外マネーの流入が相場を押し上げた1年となった。
 年間ベースでの上昇は2年ぶり。年末終値としては、日経平均が史上最高値をつけた89年の大納会(3万8915円)以来の高値となった。年間を通じた高値は7月3日につけた3万3753円、安値は1月4日の2万5716円だった。
 日経平均採用225銘柄の騰落率をみると、上昇率上位にはPBR(株価純資産倍率)が1倍を割る銘柄が目立つ。東京証券取引所は3月、プライム市場とスタンダード市場に上場する企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現」に向けた対応を要請。特にPBRが1倍を割り込んでいる企業に対しては改善を求めた。
 株主還元の拡充や株式持ち合いの解消、成長分野への投資といった資本政策の見直しへの期待感から低PBR株が買われた。配当性向の引き上げを決めた神戸製鋼所の株価は年間で2.8倍となり、上昇率は225銘柄のトップだった。
 TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)も政策保有株の売却益や手元資金などを元手とした大規模な株主還元や成長分野への投資が好感され、株価が2倍になった。
 春先から夏にかけては米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の来日がきっかけとなり、海外勢の日本株への関心が高まった。来日時のインタビューでバフェット氏は三菱商事や伊藤忠商事など保有する5大商社株の買い増しを明らかにし、日本株に強気姿勢を示した。5社の株価はそれぞれ上場来高値を更新した。
 また、年間を通じて生成AI(人工知能)が投資テーマとして世界の株式市場を席巻した。AIの実用化に伴い半導体の需要が伸びるとの見方から、半導体関連株の上昇も大きかった。東京エレクトロンの時価総額は年間で6兆円近く伸びた。
 東京証券取引所で23年最後の取引となった29日の大納会の式典にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表監督を務めた栗山英樹さんが出席した。栗山さんは「来年こそは世界が日本の経済に憧れる、そういう存在になってくれると信じている」と話した。
 栗山さんは野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務め、23年のWBCでは3大会ぶりの世界一に導いた。栗山さんは年内取引の終了を示す恒例の打鐘に参加した。「五穀豊穣(穀物が豊かに実る)」に由来して、鐘を5回鳴らした。
 東証を傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)の山道裕己最高経営責任者(CEO)は2024年1月から新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まることから「貯蓄から投資への流れが大きく加速する1年になる」と期待を込めた。
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
小平龍四郎日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
別の視点
今年1年間の株式市場をふり返ると、6~7月までの急騰の後、8月以降はボックス圏に入り、前半と後半では様相がかなり異なります。「来年は日経平均4万円」と景気の良い見通しをぶち上げる向きも少なくありませんが、そうした楽観と強気のかなりの部分は、2023年の前半に形成されたもの。足元では少し円高にふれると製造業の株式が売られるなど、構造問題も改めて突きつけられたかたちで相場は越年します。
2023年12月29日 15:39
滝田洋一日本経済新聞社 特任編集委員
ひとこと解説
①デフレ脱却で経済が名目ベースで拡大していることに、株価が正直に反応しています。企業の売り上げも利益も株価もすべて名目額です。そして付加価値総額である名目GDPは、23年度に5.5%増の597.5兆円になる見込みで、600兆円にあと一歩。 ②日経平均やTOPIXのほかに注目したいのは、日経500種平均です。この日経500種平均は、23年12月27日の終値が3054.93円。バブル期をも上回り「史上最高値」を更新したのです。 ③日経500種平均は、過去3年間の売買高、売買代金、時価総額を反映する指標。その指標の最高値更新は、日本企業の新時代到来を意味するように思いますが、いかがでしょうか。

【詐欺師の正体は生成AI 素早い模倣、ビジネス被害2倍】
 30日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 この記事のポイント】
・生成AIの悪用が広がっている
・2023年上半期、ビジネス詐欺メール89%増
・詐欺の「効率」がAIで大きく高まった
 文章や画像を生み出す生成AI(人工知能)の悪用が目立ってきた。1〜6月の世界のビジネス関連の詐欺は前年同期比2倍近くに増加し、日本でも不正送金の被害が16倍になった。人の声や商習慣も模倣され、新たな犯罪を生んでいる。生成AIが普及し始めて1年。新技術の「影」を抑える取り組みが急務だ。
 「資産買収の最終段階にある。手を借りたい」。5月、日本企業の海外関連会社の社長に本社の会長を名乗る人物からメールが届いた。続いて「専務」から電話があり「連絡した件のフォローをしている」と語った。不審に感じ「別人ではないか」と指摘すると電話は切れた。
 連絡を受けた情報処理推進機構はすぐに詐欺と判断した。幹部を装って会社の資金を振り込ませる「ビジネスメール詐欺」だ。声は専務と似ており、メールと合わせてAIで合成したとみられる。
生成AIの普及で犯罪が増えている。
 インターネットの安全対策を手掛ける米アブノーマルセキュリティーによると、2023年上半期(1〜6月)の世界のビジネス詐欺のメール数は89%増加した。メールボックス1000個に届く詐欺メールの数が週平均2.5通まで増えた。22年上半期の増加率(46%増)よりも大幅に上昇している。
 日本でも被害が目立つ。警察庁によれば23年上半期のネットバンキングを通じた不正送金の被害は2322件と16倍に急増した。被害額は30億円に達し、件数と被害額ともに過去最高になった。不正送金はパスワードやクレジットカードの情報を盗み出すフィッシング詐欺をもとにしており虚偽サイトの作成などにAIが使われている。犯罪者の正体が分かりにくく検挙は難しい。
 昨年11月に米オープンAIの「Chat(チャット)GPT」が公開され、生成AIの活用が世界で本格化した。仕事の効率化など利便性が高まる一方、負の側面も表面化しつつある。
 AIを使えば詐欺メールやサイトは自動でつくれる。闇サイトでは犯罪者向けの生成AIのサービスが相次ぎ登場している。ディー・エヌ・エーの松本隆氏が日本で使うビジネスメールをAIに作成させると、言葉遣いはもちろん、添付資料の開封のためにパスワードが自動で送られる日本独特の習慣まで再現した。
 アブノーマルのマイク・ブリトン氏は「AIの登場が詐欺の増加につながっている。巧妙で誤りのないメールなどを大規模につくることがはるかに容易になった」と語る。
 米IBMの実験では、人間とAIが作成した詐欺メールでだまされた人の割合は人間の14%に対しAIは11%だった。AIはわずかに及ばなかったが、メールの作成にかかった時間は人間の16時間に対して5分。詐欺の「効率」がAIで大きく高まっている。
 詐欺だけではない。イスラエルの調査会社アクティブフェンスによると、小児性愛者の集まる闇サイトで1〜3月、AIで生成したとみられる子どもの性的画像が68点見つかった。その前の3カ月間に比べて3倍近くに増えた。有名人の裸など偽画像を取り扱うサイトも急増している。
 独スタティスタによれば、生成AIの世界市場は30年に2070億ドル(約30兆円)に達し、23年の5倍近くに拡大する見込み。一方で悪用を防ぐ取り組みは緒に就いたばかり。主要7カ国(G7)や欧州連合(EU)は12月、AIの包括ルールを導入することで相次ぎ合意した。偽情報拡散などの防止策を盛り込んだ。新技術の恩恵をより多く享受するためにも各国が連携して対策を練る重要性が増している。(寺岡篤志、グラフィックス 藤沢愛)

【三菱地所、高度外国人材向けに賃貸1万戸 30年までに】
 大晦日の31日、日経ニュースメールは次のように報じた。
 三菱地所は日本に1カ月〜1年程度滞在する外国人向けの賃貸住宅を2030年までに1万戸供給する。IT(情報技術)を活用して国境にとらわれず働く「デジタルノマド」が世界的に増えている。政府も誘致を掲げるなど成長が見込める分野について、いち早く住居面から需要を取り込む。
 このほど米不動産テックのブルーグラウンド・ホールディングスとライセンス契約を結んだ。同社は世界32都市で、駐在員などを対象とした賃貸住宅を転貸で1万5000戸運営し、年間1万人が利用する。日本展開は初となる。
 日本では三菱地所の完全子会社が事業を展開する。首都圏を中心に賃貸物件を借り、外国人向けのベッドや家具をそろえて転貸する。ブルーグラウンドの予約システムを通じて、英語でオンライン契約できるようにする。アプリを通じて滞在者の生活相談にも応じる。
 まず渋谷や新宿など東京都心部の外国人にも知名度が高い地域の物件を用意する。家賃は月30万〜50万円程度が中心となる見通しだ。
 三菱地所は19年から別の子会社を通じて主に外国人の若者を想定した賃貸マンション事業を始めており、現在約700戸を運営する。ブルーグラウンドと始める事業ではより幅広い世代に訴求し、30年までに合計で外国人向け賃貸を1万戸まで引き上げる。売上高で200億円、営業利益で30億円の事業に育てる。
 三菱地所は日本に滞在する外国人経営者や従業員に加え、デジタルノマドの需要を見込む。デジタルノマドとはITを用いて場所にとらわれず働く人たちで、暮らす場所を数カ月単位で変える。フリーランスや企業に雇用される人など働き方の形態は様々だ。
 旅行情報サイトのブラザーアブロードによると、デジタルノマドは世界に3500万人いると推計される。35年には10億人に届くとの見方もある。
 デジタルノマドは高所得者が多く、エストニアや台湾が専用ビザを導入するなど各国・地域が誘致を競っている。日本政府も観光立国推進基本計画の中で、専用ビザや在留資格を新たに設けるなど誘致のための制度環境整備を進めることを打ち出している。
 政府は18年に策定した「未来投資戦略2018」で、ビジネスパーソンや専門職、デジタルノマドなどの高度外国人材の受け入れや活動支援を掲げた。法務省によると日本に滞在する高度外国人材は23年6月末時点で約40万人と、10年間で3倍に拡大した。
 海外のビジネスパーソンが日本に短期・中期滞在する場合、これまで1週間単位で契約できる賃貸マンションなどを利用するケースが多かった。国土交通省が16年に行った調査の中では、外国人の賃貸を認めないオーナーが多いことや、敷金・礼金などの商慣習などの障壁があることが指摘されている。高度外国人材を日本に呼び込むには、そうした人材が借りやすい賃貸住宅サービスの整備が欠かせない。
 デジタルノマドを含め日本に滞在する外国人経営者や従業員を狙った賃貸サービスや、長期滞在型のサービスアパートメントを開業する動きは近年相次いでいる。
 東急不動産は東京・渋谷の大型複合施設「渋谷サクラステージ」の中に、ハイアット系ホテルブランドの長期滞在型サービスアパートメントを24年2月に開業する。三井不動産レジデンシャルは東京・麻布十番に、シンガポールのオークウッドが運営するサービスアパートメントを22年に開業した。
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【石川・能登で震度7 沿岸部に津波警報】
 今日は2024(令和6)年の元日、昭和99年である。
 湯島天満宮へ初詣に行ったが、参拝客のあまりにも長蛇の列に参拝を諦め、遠回りして帰宅した。テレビを観ていると、ゆっくり横揺れが続くのに家内が気づいた。
 すぐに16時16分、緊急地震警報と津波避難情報が流れた。
 16時29分、日経速報メールは次のように報じた。
 気象庁によると、1日午後4時10分ごろ、石川県で震度7の地震があった。
 気象庁は1日午後4時22分、石川県に大津波警報を出した。山形、新潟、富山、福井、兵庫各県に津波警報を出した。
 気象庁によると、震源は石川県能登地方で、震源の深さは10キロ未満。地震の規模はマグニチュード(M)7.6と推定される。
 JR東日本は石川県で震度7を観測した地震の影響で、東北、上越、北陸の各新幹線の運転を前線で見合わせた。運転再開の見込みはたっていない。
 政府は地震発生を受けて首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。関係省庁や自治体などと連携し、被害情報の収集に努める。

【次々と津波情報、津波の高さ強まる】
 立て続けに5本の日経災害速報が入った。16時16分、「石川・能登で震度7 沿岸部に津波警報」と報じられた。津波の被害に合わないよう、うまく避難を完了してほしい。遠くから祈るばかりである。
 テレビ各局は予定の正月番組の代わりに地震関連の情報の伝達に当てている。建物倒壊、道路の地割れ、停電、断水等の被害報道が徐々に出始めた。SNSの報道も多くなる。
 気象庁は「令和6年能登半島地震」と命名した。
 テレビ画面に「つなみ ひなん」や「津波 避難」、EVACUATIONが点滅し、緊急度を知らせている。外国人へもっとも緊急な情報を伝えるためであろう。
 明日は冷えるという。輪島市の最低気温はマイナス2度の予報である。
 8時半、「大津波警報」から「大」が取れて「津波警報」に変わった。
 午後8時35分、震度5弱の地震があったとテレビが伝えたが、これが本日の何度目の地震なのかの説明はなかった。

【上越・北陸新幹線、終日運転見合わせ 東北・秋田は再開】
 19時20分の日経ニュースメールは次のように報じた。
 「上越・北陸新幹線、終日運転見合わせ 東北・秋田は再開」
 JR東日本は、1日午後4時10分ごろに石川県で震度7を観測した地震の影響で、東北、上越、北陸など各新幹線の運転を全線で見合わせた。
•【関連記事】石川・能登で震度7 石川県に大津波警報
 JR東日本によると、東北、山形、秋田各新幹線は午後5時20分までに全線で運転を再開した。
 一方、地震の影響で運転を見合わせている上越新幹線の越後湯沢―新潟間と北陸新幹線の長野―金沢間は設備点検が必要なため、1日はこの区間の運転を終日取りやめるという。
 JR西日本は大阪と北陸方面を結ぶ特急「サンダーバード」と、名古屋・米原と北陸方面を結ぶ特急「しらさぎ」の運行を終日、取りやめると発表した。2日以降の運行については未定という。
 国土交通省によると、能登空港(石川県輪島市)では滑走路に3センチ以上の段差が確認された。現在滑走路を閉鎖している。
 中日本高速道路によると、北陸自動車道や東海北陸自動車道など一部の高速道路で通行止めが発生している。
 なお在来線はすべてが運転停止である。

【【詳報】能登半島地震(1日) 石川県で震度7、日本海沿岸に津波】
 翌2日は新聞が休刊、テレビは民放では旅番組やスポーツ中継が再開した。地震情報はNHKに頼らざるを得ない。「津波避難」を最優先していた時期が去り、被害状況の報道が増える。それを時系列で追い、書き留めるには新聞等の文字情報が不可欠である。
 2日朝6時3分の朝日新聞デジタルは次のように報じた。
 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震がありました。各地の被害情報などを速報形式でお伝えします。
•地震に関する最新記事やインフラ情報はこちら
【動画】地震発生時の千里浜海岸=北陸朝日放送提供
■■■1月1日■■■
16:11
警察庁が災害警部本部を設置
 石川県などで起きた地震を受け、警察庁は1日午後4時11分、警備局長を長とする災害警備本部を設置した。被害など関連情報の収集などを進めている。16:41
上越・北陸新幹線で再開見通し立たず
 JR東日本によると、東北新幹線は午後4時41分に運転を再開した。上越・北陸新幹線は運転を見合わせており、復旧の見通しは立っていない。在来線は信越エリアの全域と東北エリアの一部で運転見合わせが続いている。16:45
志賀原発と柏崎刈羽原発では異常確認されず
 原子力規制庁によると1日午後4時45分現在、ともに停止中の北陸電力志賀原発(石川県)、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)は、原子炉の状態や敷地内の放射線量に異常はないという。また、いずれも福井県にある日本原子力発電敦賀原発と関西電力美浜、大飯、高浜の各原発も異常は確認されていないという。16:50
石川県庁の担当者「揺れ、立っていられない強さ」
 石川県危機対策課の担当者によると、地震発生当時は県庁の建物が横に大きく揺れ、立っていられないほどの強さだったという。揺れは30秒ほど続いていったん落ち着いたが、その後も約20分間で大きな揺れが2、3度あったという。17:00
地震の恐怖語る女性「運転中にも余震が」
 福井県沿岸の坂井市三国町の実家にいたという女性(40)が電話取材に応じた。
 台所にいたときに揺れを感じた。食卓の電灯をつるすチェーンが外れるかと思うほど揺れ、棚の上のものが落ちてきた。最初の揺れの後、数分後にさらに大きい2回目の揺れを感じ、テレビを付けると津波の警報を伝えていた。
 実家は海辺から近く、海抜がほぼゼロで、川に挟まれた輪中に建っているという。女性は危機感を抱き、急いで祖父母や子供を車に乗せて出発した。より標高の高い、沿岸から10キロほどの親戚宅へ向かったという。女性は「運転中にも余震があった。午後5時時点で既に5回ほど余震を感じた。親戚宅に着くと、かわら屋根の一部が落ちていた。余震が続いていて、いつ津波が来るか見通せない」と話した。当面は親戚宅で推移を見守り、親戚同士で安否確認を続けるという。17:00
柏崎刈羽原発、モニタリングポスト「異常なし」
 東京電力によると、地震直後に柏崎刈羽原発(新潟県)内の放射線量を量るモニタリングポストを確認したところ、「異常はなかった」としている。ただ、「引き続き情報収集中」(広報)としている。17:06
林官房長官「被害を確認中」
 林芳正官房長官は首相官邸で記者会見を行い、「人的・物的被害については確認中だ」と述べた。「志賀原子力発電所をはじめ、原子力発電所については現時点で異常がないことが確認されている」とした。
 首相官邸には地震発生直後から、林氏や松村祥史・防災担当相、村井英樹官房副長官らが集まり、情報収集などの対応にあたった。林氏は会見で「被害状況の把握を進め、自治体と緊密に連携を図りながら、警察、消防、自衛隊、海上保安庁を中心に、救命・救助活動を最優先に、災害応急対策に全力で取り組む」と強調した。
 岸田文雄首相は地震発生を受けて午後4時15分、国民に対する情報提供を適時的確に行い、住民避難などの被害防止の措置を徹底すること▽早急に被害状況を把握すること▽地方自治体とも緊密に連携し、人命第一の方針の下、政府一体となって災害応急対策に全力で取り組むこと――の3点を指示した。17:08
石川県・馳知事「副知事と連絡取りながら対応」
 石川県の馳浩知事は首相官邸に入る際、記者団に「副知事が県庁に入っている。副知事と連絡を取りながら対応したい。津波警報も出ており、今から官房長官と一緒に情報を共有して対応したい」と語った。帰省先から石川県に戻る途中だったが、新幹線も飛行機も止まっているとした。17:15
東電、引き続き柏崎刈羽原発の状況確認中
 東京電力によると、柏崎刈羽原子力発電所は状況を確認中だという。周辺のモニタリングポストの数値には異常が確認されていないとしている。17:17
岸田首相「一刻も早い避難を」
 岸田文雄首相は首相官邸に入る際、記者団の取材に応じた。官邸危機管理センターに対策室を設置したことを明らかにし、「住民の皆さんには引き続き、強い地震の発生に十分注意していただかなければなりませんし、津波が予想されている地方においては一刻も早い避難をお願いしたい」と呼びかけた。
兼六園では、灯籠が倒れていた=2024年1月1日午後、金沢市兼六町、波絵理子撮影 17:30
石川・珠洲市の珠洲焼作家「このままだと家がつぶれる、と」
 石川県珠洲市に住む珠洲焼作家の小西栄一さん(72)が電話取材に対し、地震の様子を語った。
 正月で大学生の孫が2人いる次女一家が遊びに来ており、自宅でテレビを見ていたときに地震に遭った。長い横揺れと縦揺れが数分間続いたという。
 「このままだと家がつぶれる」と恐怖を感じ、すぐに、車で妻と避難を始めた。車からは、高齢者をおぶって逃げる避難者の姿も目にした。陥没やひび割れで通れなくなっている道路もあった。避難者の車で大渋滞が起きており、途中で車を高台に置いて、珠洲市役所に逃げたという。
 次女一家は別の車で逃げ、今も連絡がついていない。「余震が断続的に続き、津波の情報も入ってこない。不安でたまらない」 17:55
石川県内の3万戸以上で停電
 北陸電力送配電のウェブサイトによると、石川県内では午後5時55分現在、珠洲市、輪島市、能登町などを中心に、計3万戸以上で停電が発生している。
18:00
航空機が離発着で混乱、運転見合わせも
 石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震に伴い、全日本空輸(ANA)は1日午後4時50分時点で、能登、小松、庄内、新潟の4空港に向けて飛行中だった4便が出発地に戻ったり、着陸地を変更したりした。富山、小松の両空港に向かう便は出発を見合わせている。津波の情報が出ている影響で滑走路のチェックができず、運航再開の見通しは立っていない。
 日本航空(JAL)は、小松、新潟両空港を発着する9便を欠航とした。2日以降の運航は未定としている。ジェットスター・ジャパンは地震を受け、組合が7日までの予定で行っていた指名ストライキを全面的に中止すると発表した。
上越新幹線の越後湯沢―新潟間、北陸新幹線の長野―金沢間の運休が決まり、説明に追われるJRの職員(手前)ら=2024年1月1日午後7時、JR東京駅、細川卓撮影 18:00
北陸自動車道、東海北陸道で一部通行止め
 中日本高速道路(NEXCO中日本)のホームページによると、午後6時現在、北陸自動車道は丸岡インターチェンジ(IC)から富山県側の上下線が通行止め。東海北陸道は白川郷IC~小矢部砺波ジャンクション(JCT)の上下線も通行止めとなっている。 18:00
通信障害発生 災害伝言ダイヤルの利用を
 石川県能登地方を震源とする地震の発生に伴い、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルは1日、携帯電話サービスが利用できないか、利用しづらい状況が発生していると発表した。通信障害が起きているのは、石川と新潟両県。各社の通信回線を利用する格安スマホ事業者(MVNO)のサービスにも影響が出ている。
 また、NTT東日本・西日本によると、石川県内の一部地域で通信障害が発生し、電話がつながりにくくなっている。
 安否確認などの手段として、「災害用伝言ダイヤル(171)」で、携帯電話などから音声で伝言を残せる。インターネットに接続ができるパソコンやスマートフォンなどから伝言を文字で入力できる「災害用伝言板(web171)」も利用できる。
震度5強を観測した新潟県糸魚川市で、車で高台に逃げる人たち=2024年1月1日午後4時45分、新潟県糸魚川市、伊沢健司撮影18:00
輪島市内で火災発生、被害を確認中
 石川県の奥能登広域県事務組合消防本部によると、輪島市河井町付近で火災が発生しているという。延焼やけが人の有無などの被害は詳しく把握できていないという。また市内では、倒壊した建物の下敷きになったり、道路が陥没したりしているという通報があったという。
激しく燃える住宅街=2024年1月1日午後6時14分、石川県輪島市、朝日新聞社機から、小玉重隆撮影 18:10
2~3日は最大震度7程度の地震に注意
 石川県などで起きた地震を受け、気象庁は1日午後6時10分、記者会見を開いた。同庁の下山利浩・地震情報企画官は「大津波警報を石川県能登に発表中。大きな津波を観測中で、沿岸部や川沿いにいる人はすぐに高い所へ避難してください」と呼びかけた。今後1週間程度は同規模の地震が発生する恐れがあり、特に今後2~3日は最大震度7程度の地震に注意するよう呼びかけた。
地震発生当時の兼六園=2024年1月1日午後、金沢市兼六町、波絵理子撮影 18:10
石川、新潟、富山各県で3万4千戸が停電
 経済産業省によると、石川県能登地方を震源とする地震に伴い、石川、新潟、富山の各県で計約3万4千戸の停電が発生している。内訳は新潟県で約1500戸、石川県で約3万2500戸、富山県で90戸。自治体別では、石川県輪島市が最も多く、1万300戸。同県珠洲市が8800戸と続く。
 このほか、地震の影響で北陸電力の七尾大田火力発電所1、2号機(石川県七尾市)が停止した。だが、「停止による供給力への影響はない」としている。 18:20
新幹線や在来線で運転見合わせ相次ぐ
 1日夕に起きた石川県沖の地震の影響で、各地の鉄道で運転を見合わせている。1日午後6時時点での状況は次の通り。
 JR東日本によると、新幹線は長野~金沢駅間で運転見合わせ、東京~長野駅でも大幅な遅れが出ている。上越新幹線は越後湯沢~新潟で運転を見合わせている。他に東北・秋田・山形新幹線などで大きな遅れが出ている。
 北陸を走る在来線の一部では、終日運転を取りやめる路線も出ている。
 新潟・長野エリアで全ての路線が全面運転見合わせ、東北エリアでも羽越線▽磐越西線▽男鹿線▽陸羽西線で運転を見合わせている。
 JR西日本管内での運転見合わせの路線は以下の通り。北陸線(近江塩津―金沢)▽大糸線(南小谷―糸魚川)▽高山線(猪谷―富山)▽氷見線(高山―氷見)▽城端線(高岡―城端)▽七尾線(金沢―和倉温泉)▽越美北線(福井―九頭竜湖)▽小浜線(敦賀―東舞鶴)。
東北新幹線や上越・北陸新幹線のダイヤは大幅に乱れた=2024年1月1日午後5時32分、JR東京駅、小室浩幸撮影 18:22
気象庁「地震名は令和6年能登半島地震」
 気象庁は1日午後6時10分から開いた記者会見で、石川県能登半島を中心に起きた地震について、「令和6年能登半島地震」と命名したと明らかにした。18:30
航空機、2日以降の運航予定は未定
 1日夕に起きた石川県沖の地震の影響で、石川県や新潟県を発着する便を中心に飛行機の欠航が相次いでいる。1日午後6時半時点での情報は次の通り。
 全日空は、庄内空港(山形)や能登空港(石川)、小松空港(石川)、新潟空港の発着便について、1日は全て欠航を決めた。2日以降の運航の予定はまだ決まっていないという。
 日本航空は、新潟空港と小松空港を発着する9便が欠航。内訳は、新潟―伊丹の2便▽新潟―新千歳の2便▽小松―羽田の5便。2日以降の運航は、余震の状況や設備の安全確認の結果を踏まえて判断するという。
 フジドリームエアラインも松本空港(長野)と新潟空港発着の便の欠航が決まった。2日以降の運航予定は未定という。 18:30
志賀原発の冷却ポンプが一時停止
 原子力規制委員会は1日午後6時半から臨時の説明会を開いた。北陸電力志賀原発(石川県)の1号機で、地震によって使用済み燃料プールの水がこぼれ、冷却ポンプが一時停止したという。ポンプは地震から30~40分後に再起動した。周辺の放射線量に異常は確認されておらず、外部電源も確保できているという。
 このほか、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)、福井県にある関西電力の美浜原発、高浜原発、大飯原発などについて、現時点で目立った異常はないと説明した。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所=2024年1月1日午後6時34分、新潟県柏崎市・刈羽村、朝日新聞社機から、小玉重隆撮影 18:50
「建物の下敷きに」少なくとも情報10件
 石川県輪島市防災対策課によると、1日午後6時50分現在、市内で建物の下敷きになっているという情報が少なくとも10件ある。けが人などの数は把握できていない。
 市内で火災が発生しているが、詳細を確認中だという。 19:00
北陸中心に高速道路で通行止め
 1日午後6時現在、国土交通省の災害対策本部会議のまとめによると、北陸道や東海北陸道、上信越道、関越道、磐越道の高速道路7区間で通行止めとなっているほか、鉄道は多くの在来線で運転を見合わせている。能登空港の滑走路上に3センチ以上の段差が見つかり、滑走路を閉鎖しているという。
地震の影響で、各地の道路に亀裂が入った=2024年1月1日19時半、石川県七尾市、土井良典撮影 
19:00
富山県黒部市で4人けが、うち3人搬送
 富山県黒部市にある新川地域消防本部によると、同市で80代女性が避難中に転倒して顔面から出血するなど、同市や同県朝日町で計4人がけがをし、うち3人が搬送された。また小矢部市によると、市民から「自宅の壁がはがれて頭にぶつかった」と連絡があった。搬送はされていないという。
19:00
九十九湾内で船2隻沈没 人は確認されず
 石川県の七尾海上保安部能登海上保安署によると、九十九湾内で少なくとも2隻の船が沈没している。同署が確認したところ、午後4時半時点で船内に人はいなかったという。
19:00
自衛隊が活動中、さらに1千人が準備中
 木原稔防衛相は記者会見で、石川県の珠洲市や輪島市で自衛隊が活動に着手したと発表した。さらに自衛隊員1千人が人命救助などのための派遣に向けて準備している。状況に応じて対応するため、さらに8500人が待機しているという。
 また、自衛隊の航空機約20機を現地に派遣し、情報収集にあたっている。石川、富山、福井の3県の県庁には、自衛隊の連絡員を派遣。輪島分屯基地では、周辺住民約1千人を避難者として受け入れているという。
地震の影響で倒壊したとみられる建物=石川県七尾市、読者提供
19:00
福井県で5人軽傷、9市町で避難所開設
 福井県災害対策本部によると、福井市やあわら市などで計5人が軽傷を負った。両市を含む9市町が避難所を開設し、あわら市内の50世帯が断水しているという。
19:02
政府、生き埋め6件報告と発表
 林芳正官房長官は2回目の記者会見を行い、建物倒壊による生き埋めが6件報告されていると発表した。1日午後6時時点で、石川県内などでの停電は3万3千戸。「多数の110番通報や119番通報のほか、家屋の倒壊などの被害が確認されている」とし、引き続き情報収集に努める考えを示した。
 また、同県志賀町の志賀原発で変圧器の火災が発生したが消火済みで、「プラントに影響はない」と説明。地震の影響の有無など「原因については詳細確認中」とした。
 林氏は、災害対策基本法に基づき、政府に松村祥史・防災担当相をトップとする特定災害対策本部を設置し、同日午後8時から開催すると発表。石川県庁に内閣府の古賀篤副大臣を派遣し、対応にあたることも明らかにした。
七尾市内では崖が崩れ、土砂が歩道に迫っていた=2024年1月1日午後8時33分、石川県七尾市、小崎瑶太撮影
19:15
輪島市内の空自基地に1千人避難
 防衛省によると、石川県輪島市の航空自衛隊輪島分屯基地に住民約1千人が避難しているとの情報がある。第14普通科連隊(金沢市)の部隊が輪島市に向けて派遣準備中という。自衛隊は航空機で上空から被害状況を確認中。
19:20
輪島市河井町地区で火災、広範囲に延焼か
 石川県輪島市防災対策課によると、1日午後7時20分現在、同市河井町地区で複数の火災が発生しているとみられ、広範囲に延焼している可能性があるという。けが人などの詳細は把握できていないという。
 市役所の庁舎に被害はなく、地震発生直後から続いた停電も復旧したという。
激しく燃える住宅街=2024年1月1日午後6時13分、石川県輪島市、朝日新聞社機から、小玉重隆撮影
19:30
東京に帰省中の石川県知事、ヘリで戻る予定
 石川県の馳浩知事は首相官邸を出る際、記者団に対して「輪島の火災や家屋倒壊による下敷きなどが発生していると先ほど確認した。人命最優先で対応する」と語った。
 馳氏は「(午後)5時過ぎには、副知事を通じて自衛隊の派遣要請も出した」と説明。県民に向けて「お互いに情報を共有し合いながら声をかけ合って避難してください。停電も発生しているので、今晩大変寒くなると思いますから、ぜひ暖かくして一晩お過ごしいただきたい」と呼びかけた。
 馳氏は帰省中に地震が起き、首相官邸で対応にあたっていた。政府が派遣する内閣府の古賀篤副大臣とともに防災ヘリで石川県に戻る予定だという。
石川県能登地方を震源とする地震の被害状況などについて取材に応じる馳浩知事=2024年1月1日午後7時31分、首相官邸、上田幸一撮影
19:30
輪島市内の女性「余震怖くて戻れない」
 輪島市内で飲食店を営む女性(46)は、車で5分ほど離れた自宅の庭に止めた車に避難した。「家の中はぐちゃぐちゃ。隣の家の瓦が落ちている。冬の服を持ち出して車に逃げたが、停電して水も出ないし、余震が怖いので戻れない」
 近くで火事が起きたとの情報を聞いた。「空が真っ赤になっている。消防車が出せるかわからない、という話もある。店がどうなったか分からないが、とても見に行ける状況ではない」と話した。
【動画】地震の後、輪島市内では火災が発生した=近隣住民撮影
激しく燃える住宅街=2024年1月1日午後6時11分、石川県輪島市、朝日新聞社機から、小玉重隆撮影
19:30
兵庫県内、津波による被害は確認されず
 兵庫県によると、1日午後7時半現在、日本海に面した県北部の豊岡市、香美町、新温泉町の3市町で人的、物的被害は確認されていない。
 豊岡市消防本部によると、市内の80代女性が高台へ避難中に足をすべらせ、左足を負傷した。
 県北部に津波警報が出されたことにともない、香美町の香住地区の沿岸部と新温泉町の全域で避難指示が出ている。
 気象庁によると、豊岡市津居山で午後5時52分と午後6時24分、同53分に30センチ、午後7時20分に40センチの津波がそれぞれ観測された。
 朝日新聞が3市町に確認したところ、午後7時半現在で津波による被害は確認されていない。
19:40
転倒しけが「病院に行けてない」
 石川県輪島市に住む漁師の女性(42)は、地震発生時に市内の遊技施設にいたという。揺れを感じて屋外の駐車場に避難したが、激しい縦揺れで立っていられなかった。自分の軽乗用車につかまって揺れが収まるのを待ったが、揺れの最中に転倒。右足に車体が乗り上げ、タイヤと地面の間に挟まれた。自分で足を引き抜いたという。病院には行けていない。「何とか歩くことはできる」というが、痛みはひいていないという。
 その後、近くにある石川県警輪島署に避難し、おばと合流した。午後7時40分ごろの気温は約3度。寒さに耐えきれず、近くの駐車場にとめた車の中に戻り、おばと2人で暖をとっている。一緒に住む両親は近くの高台に避難しているという。
 家を出たときは財布と携帯電話しか持っておらず、手元にある飲み物や食べ物はペットボトルのお茶1本だけ。駐車場から自宅までの道路はひび割れや陥没で帰宅できないといい、「これからどうしていいか見当もつかない」と途方に暮れていた。
 町の大部分が停電しているといい、遠くで火事の光が赤く見えるという。初めの揺れを感じてから何回も鳴る緊急地震速報を聞くたびに「かなりのストレスで本当につらい」と話す。避難している車の燃料はまだあるというが「いつ切れるか不安だし、早く支援が欲しい」と話した。
20:00
ミルクやおむつ「足りない」
 石川県輪島市の避難所に指定されている「ふれあい健康センター」には地震発生直後から地域の住民らが続々と訪れ、職員が対応に追われた。市のウェブサイトによると収容人数は141人だが、職員によると午後8時ごろには200人を超える人が避難してきており、さらに増えているという。
 赤ちゃん用のミルクやおむつ、高齢者用のおむつが足りていないという。現在のところ電気はついているが、職員は「冷え込む夜にもし停電になれば、人数分の暖がとれるかが心配だ」と話した。
七尾市内では建物が倒壊し、道路をふさいでいた=2024年1月1日午後8時36分、石川県七尾市、小崎瑶太撮影
20:00
物流各社、集配遅延の可能性
 地震の影響で道路が寸断されたり、通行規制を受けたりしているため、物流各社の集配にも影響が出ている。
 佐川急便は1日午後7時半時点で、石川県の七尾、輪島、珠洲、羽咋の4市と中能登、志賀、穴水、能登の4町で集配業務を止めた。他の自治体でも状況によって集配に遅れが出る可能性があるとしている。
 ヤマト運輸では午後6時時点で石川、富山、福井、新潟の各県から全国宛ての荷物の配達、全国からこの4県に宛てた配達に大幅な遅れが出ているという。
20:20
珠洲市の男性「ガソリンや食料、このさきどうすれば」
 石川県珠洲市に住む男性(63)は地震後すぐに妻とともに車で高台に避難した。両足に障害がある妻を必死の思いでおんぶし、車に乗せたという。「揺れてゴトゴトという音がした。逃げられないかもしれないと覚悟もした」
 男性の車を含め、今も高台には50台ほどの車がとまっている。エンジンをつけている車もあれば、ガソリンを節約するためかエンジンを切っている車もあるという。状況が落ち着くまで、男性はしばらく車の中で生活しようと考えている。「ガソリン、食料などはこの先どうなるのか」と不安をあらわにした。
津波避難で山側へ向かい、暖をとる人たち=石川県珠洲市、岩垣秀一さん提供
19:30
石川県の道路で通行止め相次ぐ
 石川県や県中能登土木総合事務所によると、午後8時半現在、同県七尾市の県道「七尾能登島公園線」では小島町付近で70センチほどの段差が生じていて、車の通行ができない状況という。自動車専用道路「のと里山海道」でも複数箇所で陥没が確認されており、全面で通行止めが続いている。国道249号の和倉インター(七尾市)~徳田大津インター(志賀町)でも複数の陥没が確認され、直津インター(七尾市)付近でも50センチ以上の段差が見つかったという。
20:30
警視庁、特殊救助隊を派遣
 警視庁は1日夜、石川県警から災害派遣要請を受け、災害対策課の特殊救助隊を派遣した。隊員は石川県に向かっているという。
【動画】七尾市の地面の大きな地割れ=読者提供
21:00
富山県内で計15人けが、火災4件
 富山県が災害対策本部員会議を開き、午後8時現在の被害状況などを報告。けが人は富山市で8人、黒部市で6人、高岡市で1人の計15人。火災も富山市などで計4件が報告されているという。
 このほか、県西部の宿泊施設で天井崩壊など建物被害が出ているほか、小矢部市内の国道359号や国道471号など道路が崩落している場所が数カ所あるという。
21:30
石川県七尾市で2人が心肺停止との情報
 警察庁は次長を長とする特定災害警備本部を設置した。同本部によると、午後9時半現在、石川県七尾市で2人が心肺停止との情報があり、地震との関連を調べている。
 1人は男性で、倒れた灯籠(とうろう)の下敷きになっていたという。もう1人は女性で、倒壊した家屋の中から家族に救助され、病院へ搬送されたという。
21:30
上越新幹線、東京―越後湯沢で運転再開
 石川県沖の地震の影響で運転を見合わせていた上越新幹線の東京―越後湯沢駅間は、上下線で運転を再開した。JR東日本によると、越後湯沢―新潟駅間は、1日は最終列車まで運転を見合わせるという。
21:30
16都府県警、石川県へ広域緊急援助隊を派遣
 警察庁の特定災害警備本部によると、1日午後9時半現在、警視庁など16都府県警が、救助活動のために広域緊急援助隊として計数百人を石川県へ派遣しているという。
 福井、滋賀、愛知、京都の4府県警が石川県内で、新潟県警が新潟県内で、上空からヘリによる被害情報の収集をしている。
21:30
東京消防庁、消防ヘリ1機を新潟に派遣へ
 東京消防庁は1日夜、消防庁長官から緊急消防援助隊の出動指示を受け、消防ヘリ1機を派遣することを決めた。2日早朝に隊員6人を乗せて東京を発ち、新潟県の上空で情報収集をするという。
22:00
郵便物などの配達、各地で大幅な遅延
 石川県沖で起きた地震の影響を受けて、各地で郵便物やゆうパックなどの荷物の配達が遅れている。
 日本郵便によると、新潟県、富山県、石川県、福井県の全域と北海道、山形県、兵庫県の一部地域から全国に宛てた郵便物や荷物に大幅な遅れが生じている。全国からこれらの地域に向けた配達にも、大幅な遅れが出ているという。
「令和6年能登半島地震」の震度図
22:00
「いつ余震来るか不安」 避難所に泊まる人も 山形
 山形県の酒田市役所に設けられた避難所では1日午後10時すぎ、沿岸部の住民ら十数人が不安そうな面持ちで過ごしていた。このまま一夜を明かす予定という。
 金沢市から帰省中の会社員女性(32)は酒田市内の実家の母(64)と一緒に避難。実家が浸水想定区域に入っていないことなどから、市職員の助言を聞いた上で帰宅した。「今夜はいつ余震が来るか分からず不安だが、揺れたら、またすぐに避難したい」
22:30
富山市のパチンコ店で「天井が落ちた」と通報 8人けが、うち2人重傷
 富山県警や消防によると、1日午後4時10分ごろ、富山市田中町のパチンコ店で店員から「店内の天井が落ちた」と119番通報があった。この事故で8人がけがをし、うち2人は重傷だという。
23:00
石川県で通信障害続く 復旧の見通し立たず
 NTT西日本によると、1日午後に発生した地震の影響で、石川県珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、羽咋市、宝達志水町の一部地域で、加入電話の回線やフレッツ光ネクストといったインターネットの回線が使えない状況が続いている。復旧の見通しは立っていないという。
23:05
午後11時に石川県で「震度7」は誤報 実際は震度3
 1日午後11時5分に気象庁は石川県能登地方で最大震度7の地震が発生したと発表したが、実際の最大震度は3だったとして発表を取り消した。
【動画】地震の影響でコンクリートがゆがみ点字がブロック散乱していた=古畑航希撮影
23:30
あちこちで家が倒壊、煙も広がる 石川県七尾市
 石川県七尾市に記者が入った。同市中島町周辺では至る所で住宅が倒壊したり、壁が崩落したりしていた。民家の一部はぐしゃりとつぶれ、揺れの激しさを物語っている。火災も発生し、鎮火されかかっているものの、夜空の闇に白い煙が上がっていた。
 中島町中島の菅原神社は鳥居が崩れて地面に散乱。鳥居の脇に飾られた正月の門松がむなしく残されていた。近所の男性は「正月にまさかという感じ」と肩を落とした。男性は近くの学校に避難しているという。暖は取れているが、毛布などが足りず、家に取りに来たという。「家の窓がひしゃげて開けられない。ここは以前にも地震で被害が出た。私の家も1度は半壊認定されたが、また災難とは」と話した。
 中島地区で木材所を営む男性は築50年の事務所が傾くなど大きな被害が出た。「ここらは被害がひどい。みんなやられている」と語った。
地震で鳥居などが崩壊した菅原神社。門松がむなしく残る=2024年1月1日午後11時38分、石川県七尾市、土井良典撮影
火災現場で煙が上がり続けていた=2024年1月1日午後11時16分、石川県七尾市中島町、小崎瑶太撮影
倒壊した住宅=2024年1月1日午後11時25分、石川県七尾市中島町、小崎瑶太撮影
被災した木材所の事務所=2024年1月1日午後11時18分、石川県七尾市中島町、小崎瑶太撮影
23:35
夜通しで情報収集 必要な物資は空・海から迅速搬送
 岸田文雄首相は、夜を徹しての現地情報の収集や、建物倒壊などによる被害者の救出に向けて全ての手段を尽くして現地に可及的速やかに入ることを指示した。また、水や食料、毛布、灯油、ガソリンなどの必要な物資を迅速に届けるため、「プッシュ型で空輸あるいは海路を使って送ること」も指示した。記者団の取材に応じた。
 首相は被災地の輪島市長、珠洲市長と電話で協議したことを踏まえ、「建物の倒壊などによる被害者は一刻も早く救出する必要がある」などと語った。
 また、災害対策基本法に基づいて1日設置した「特定災害対策本部」を「非常災害対策本部」に格上げし、首相が本部長を務めると説明。2日朝に非常災害対策本部の会合を開くとした。「内閣総理大臣である私自身が陣頭指揮をとって、震災対応にあたる」と強調した。内閣府の古賀篤副大臣ら内閣府の調査チームが金沢市に到着したことも発表した。
 気象庁が1日午後11時過ぎに能登地方で最大震度7の地震が発生したと発表したが、実際の最大震度は3だったことについては「原因を確認して適切に対応する」と述べた。
23:45
地震に関係する110番通報が290件 石川県警
 石川県では1日午後11時45分から、この日2回目の災害対策本部会議が開かれた。東京から陸上自衛隊のヘリコプターで金沢市へ入った馳浩知事と古賀篤内閣府副大臣が参加した。2人は2日朝、防災ヘリで現地を上空から確認する予定。
 県には1日午後9時、災害救助法が適用された。気象庁によると、3、4日にまとまった雨が降ることが予想され、土砂災害警報が出る可能性があるという。
 県警によると、1日午後11時までに地震に関係する110番通報が290件あった。
 のと里山空港は滑走路に亀裂があり、使えない状況。停電は県内3万2200戸で発生。道路は15路線17カ所で通行止めとなっている。別所岳サービスエリアに200人ほどが避難しており、水と食料を配布している。
 陸上自衛隊は救助活動を始め、穴水町まで到着。奥能登地域の6市町に進む予定という。緊急消防援助隊は11府県から696隊2451人が集まっている。
 馳知事は「人命救助に全力を挙げて。24時間が最大のポイントだ。隣県とも連携し救助にあたる」と指示した。会議後、馳知事は報道陣の取材に応じ、県民に向けて「必ず助けに参りますので、いましばらく耐えてお待ちいただきたい」と語った。
■■■1月2日■■■
00:20
道の駅には50台以上の車中泊
 石川県七尾市中島町の高台にある道の駅「なかじまロマン峠」には、避難した車が50台以上、所狭しと並んでいた。2日午前0時半の気温は0度。それでも、不安なのか、車外で話し込む被災者の姿もあった。
 近くに住む仲野元(はじめ)さん(50)は、家族6人と帰省中だった妹家族4人の計10人で自宅から道の駅に避難してきた。「地震で家はぐちゃぐちゃに。『とりあえず家出え~』とみんなに呼びかけて逃げてきた」
 車の左後方のテールランプは、落ちてきた瓦で割れたという。「身一つ助かればと思って、食べ物も水も持っていない。きょう地震が収まれば家に取りにいく」と話した。
 道の駅のトイレは水が流れず、トイレを我慢する人も。避難途中で車がパンクし、道の駅でスペアタイヤに入れ替えた人もいた。
 仲野さんは「自然には勝てないと思うしかない」と話した。
被災者らが道の駅に車で避難し、一夜を明かそうとしていた=2024年1月2日午前0時23分、小崎瑶太撮影
00:50
新幹線内に1400人取り残される
 JR西日本によると、北陸新幹線の富山―金沢間で列車4本が停止したままとなっており、車内に計約1400人の乗客が取り残されている。電気や暖房は使えているほか、JRの職員が車で食料を届けたという。
00:55
石川県内で新たに心肺停止2人 警察庁
 警察庁は長官を長とする非常災害警備本部を設置した。同本部は、1日午後10時20分現在で石川県内で4人が心肺停止状態との情報があり、地震との関連を調べていると発表した。すでに発表していた七尾市内の2人に加え、輪島市で1人、志賀町で1人という。
 新たな2人はいずれも男性で、1人は輪島市内の倒壊したビルの下敷きになっていたという。もう1人は志賀町内の倒壊した家屋の中から発見されたという。
01:15
津波警報をすべて注意報に切り替え 気象庁
 気象庁は日本海側の広い範囲に出していた津波警報をすべて津波注意報に切り替えた。
01:30
石川県内で死者4人確認 県危機管理監室が発表
 石川県危機管理監室は2日午前1時半現在、県内で死者4人を確認したと発表した。七尾市で2人(50代男性、50代女性)と輪島市で10代男性、羽咋市で70代男性という。
 県によると、七尾市の男性は灯籠(とうろう)の下敷きになったとみられる。同市の女性と羽咋市の男性は、倒壊した家屋から見つかった。輪島市の男性は、ビルの倒壊現場で発見されたという。
01:37
石川県の1医療機関、倒壊の恐れ
 厚生労働省によると、医療機関の被害は1日午後10時時点で、石川県の19施設と新潟県の2施設について、電気や水、医療ガスが使えない状況が発生している。石川県の1施設では、倒壊の恐れもあるという。
 水道の被害については、新潟県佐渡市、富山県高岡市、同氷見市、同小矢部市、同射水市、石川県金沢市、同輪島市、同珠洲市、同羽咋市、同内灘町、同宝達志水町、同津幡町、同中能登町、長野県飯山市、同小諸市、福井県あわら市で、断水しているという。
01:45
倒壊家屋から搬送の90代男性死亡 石川県志賀町
 石川県警羽咋署によると、志賀町の倒壊した家屋から90代の男性が運び出され、搬送先の病院で死亡が確認された。
 このほか、羽咋市でも倒壊した家屋から高齢の男性が心肺停止の状態で見つかった。この家の70代男性と連絡がとれないという。
05:10
2日も上越・北陸新幹線の一部で運休
 JR東日本は線路や電線といった設備の点検のため、2日の午前中も上越新幹線の越後湯沢―新潟間、北陸新幹線の長野―金沢間で運転を見合わせると発表した。点検状況によっては午後の運転を取りやめる可能性もあるという。
JR新潟駅では、改札前に「ただいま全線で運転見合わせ中」と書かれていた。駅内には地面に座り込むなどし、帰宅できないでいるとみられる人々がいた=2024年1月1日午後、新潟市中央区、古畑航希撮影
06:10
取り残された客の乗った新幹線、最寄り駅に到着
 JR西日本によると、北陸新幹線の富山―金沢間で列車4本が停止して車内に計約1400人の乗客が取り残されていたが、午前4時過ぎには全列車が最寄り駅に到着した。

【横並び日本、ノーベル賞の卵を門前払い 異能は革新生む宝 昭和99年 ニッポン反転(2)】
 1月2日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 東京大学に東北大学、九州大学。もう10回以上も人事選考に落ちた。
私、山内悠輔(43)は電池や触媒の性能を高める技術を開発した。大学院で論文を20本以上書き、将来のノーベル賞候補にも挙がった。どれだけ業績を上げても門前払いだった。日本の科学界に絶望して約10年前に海外へ去った。
渡航先のオーストラリアは別天地だった。東大と競う名門大学がメール1通で教授に採用。研究に没頭する日々のなか、青天のへきれきで日本に凱旋帰国した。2023年4月、名古屋大学の世界の権威を招く制度の第1号に選ばれた。
 化学の研究に取り組む名古屋大学の山内悠輔卓越教授=名古屋大提供
僕は青木誠太郎(15)、中学3年生だ。特異な才能を伸ばす翔和学園(東京・中野)で学ぶ。言語理解のIQは150超だ。英語の論文を読み込み、探査機「はやぶさ」が積むイオンエンジンを2カ月で作った。でも、単純作業は苦手。授業が簡単な普通の学校になじめない。研究の話をする仲間を増やしたい。
 イオンエンジン作りに熱中する中学校3年生の青木誠太郎さん
特別な才能を持つ異能や変人を締め出してきた日本が変わり始めた。
 山内を阻んだのは大学の講座制だ。教授は若い異能との競争を避けて下積みを求め、結果の平等に甘んじる。講座制は米欧の知識に追いつくことを優先した昭和には効率的に機能したが、自由な発想や斬新な研究は生まれにくい。青木は戦後の教育改革以降、同年齢が同じ内容を学ぶ学校で居場所を失った。2人は今、異能を存分に発揮する場を得た。
 公平・公正な競争を避け、平等主義に安住した末路が、科学力の没落を招いた。
 「もはや日本は世界トップクラスではない」。23年10月、科学誌「ネイチャー」のウェブサイトの記事が注目された。引用数が上位10%の論文シェアは1999〜2001年の4位から19〜21年はイランを下回る13位に沈んだ。
 高度な科学力を保つ国は異能をイノベーション(革新)を生む宝と見なす。米国ではノーベル賞物理学者の過半が21歳以下で大学を卒業する。アインシュタインは現在なら大学院生の26歳で相対性理論を発表した。
 異能や変人が集まれば、知が共振し、革新が芽生える。変わった人こそ、社会に活力を生む源泉だ。
僕、青木が学園で出会ったのが「はやぶさ」のエンジン開発に参画した北章徳さん。彼の講演を聞きエンジンを作り始めた。助言を得てエンジンが推力を生む放電現象も起こせた。もっと実機に近づけたい!
 日本で今、世界の異能が集う革新の現場がある。日米欧などの核融合実験炉の計画をけん引する京都大特任教授の小西哲之が創業した京都フュージョニアリング(東京・千代田)。「地上の太陽」に例えられ、二酸化炭素を出さない究極のエネルギー源の核融合技術を開発する。大学発スタートアップで異例の120億円超を調達した。
 核融合を起こすのに不可欠なセ氏約1億度まで燃料を加熱する装置の製造技術が強み。最先端品を供給できるのは世界でも日本とロシアのみ。核融合研究で先頭を走る米英の公的機関から装置を受注した。
 核融合工学を40年研究し続けた小西らの下に、ノーベル賞に貢献した論文に名を連ねたドイツの俊英らが集結。物理学や経営学の専門知が交わる。最高執行責任者(COO)の世古圭は「世界の異能が研究と産業化の両輪を回す」と話す。
 京都フュージョニアリングは国内外から結集した若い異能が革新を生み出す場だ=同社提供
 革新を生む共振の場は偶然ではなく、自然に生み出さなければならない。
 1970年代から英国ではケンブリッジ大学を中心に800社以上の企業を集積させ、大学発スタートアップを次々と生んだ。「ケンブリッジ現象」と呼ばれ、革新の揺り籠となった。
私、山内も知の受け皿をつくる。名古屋大で大型の産学連携を3件始めた。若手や企業の異能を集めて化学反応を起こす。たとえ敬遠されても、常識破りの考え方をするとがった人間になれとハッパをかける。きっと新発見の確率は高まる。津々浦々の大学を統合して資金と人材を集中すれば異能が輝く場になる。
 代表理事を務める「孫正義育英財団」の活動報告会で財団生に声をかける孫正義氏(12月6日、東京都港区)
 ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義は2023年12月6日、志をもつ異能人材を支援するために設立した財団のイベントで子供たちに語りかけた。「人類の知能の偉大な模範になってほしい」。異能を開放してリーダーにする。革新は常に辺境から生まれる。=敬称略
〈あのとき〉1999年、中小企業技術革新制度
 バブル経済崩壊後の1990年代、経営が悪化した日本企業は中央研究所を相次ぎ閉じ、基礎研究を縮小した。イノベーションの担い手が勢いを失うなか、新たな先導役として期待されたのが大学だった。
 政府は1999年、大学の研究成果の実用化を後押しする「中小企業技術革新制度」を整えた。米国が70年代の不況の反省を受け、研究者の起業を支援するために82年に創設した「SBIR(スモール・ビジネス・イノベーション開発法)制度」に倣った。
 米国はテクノロジーを目利きできる国の専門家が、主に大学の若手研究者に的を絞り、商業化までを支援した。基礎研究は実用化までに時間がかかり、民間は投資をためらう。このリスクを国が背負い、テクノロジー大国復活の道を開いた。
 一方で日本は既存の中小企業向け補助金の看板をすげ替えたケースが多かった。実績のない若い研究者は支援を受けにくく、大学の科学研究を実用化する効果は乏しかった。新たなテクノロジーの潮流を先取りするような発想も欠けていた。
 日本は研究者支援の制度の本質をはき違え、大学を革新の源泉に生まれ変わらせるのに失敗した。
 研究力を高める投資も細り続けた。日本は2004年度から大学の人件費などに充てる運営費交付金を減らした。23年度は1兆784億円と04年度比で13%少ない。
 経費削減でポストが減ると、研究者を志す若者も少なくなった。文部科学省によると20年度の日本の博士号取得者は1万5564人で、00年度から3%減った。米国は19年度までに2.4倍に、英国は21年度までに2倍に増えた。現場で研究を担う若手の減少は科学の没落を招いた。
 反転に向けて国は若手の支援に乗り出した。25年度までに年180万円以上の生活費を支給する博士課程の学生を21年度比で3倍の2万人強に増やす。国公立大学を再編し、戦略分野に人材や資金を集中するような抜本的な改革も求められる。
【昭和99年 ニッポン反転 本編一覧】
•今年は昭和99年、サヨナラ古き良き日本 世界32位から逆襲
•御社はまだJTC? 昭和型から転生、抜てきが成長スイッチ
•ドラゴンボールが挑む限界突破 アニメ、世界へジャンプ
【昭和99年 ニッポン反転 識者インタビュー】
•Japan as No.1著者の息子が語る 平等と成長追う日本流を
•リクルートの情熱経営 社員1人の熱意が世界を変える
•ホンダ「エンジンを捨てる」 新時代に挑む断固たる決意
•元事務次官が振り返る「失われた30年」 日本再生への教訓
•不惑のドラゴンボール、使命は継承 次代につなぐ世界戦略
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。田中道昭立教大学ビジネススクール 教授
ひとこと解説
世論調査会社でもあるギャラップのプログラムを米国で受講し、米国の強さが企図して個人の強みを活かすことに起因することに驚きました。同社は国連の「世界幸福度ランキング」調査のデータを提供し、ウェルビーイング調査として有名なGlobal Emotions Reportも発表。これらのデータの元になっているフレームワークがストレングスファインダーと社員エンゲージメント。個人の強みを活かすことが社員エンゲージメントの最重要項目。キャリアウェルビーイングを高めるのに重要なことも個人の強みを活かすこと。弱みを克服し平均点を上げることに注力してきた日本も、強みを活かすことにパラダイムシフトすべきだと思います。

【JAL機と衝突の海保機、乗員5人死亡 地震で物資搬送】
 1月2日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 海上保安庁によると、2日に日航機と衝突したとされる海保の機体は羽田航空基地所属のMA722固定翼機とみられる。搭乗していたのは男性職員6人で、警視庁によるとうち5人が死亡した。機長は機体から脱出し負傷した。
 航空機は能登半島地震の被災地支援で物資を搬送するため、新潟航空基地へ向かっていた。海保が状況の確認を急いでいる。
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羽田JAL機炎上
 2024年1月2日午後、羽田空港で日本航空(JAL)機が着陸直後に海上保安庁の航空機と衝突し炎上しました。乗客乗員379人は全員機体から脱出し負傷者が出ました。海保機は搭乗していた職員5人が死亡しました。事故の詳細など最新ニュースをお届けします。
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【海保機へ「離陸許可」出さず 国交省、交信記録を公表】
 3日、日経ニュースメールは次のように報じた。
 羽田空港の滑走路上で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、国土交通省は3日、当時の管制官と両機の交信記録を公表した。海保機に対しては滑走路へ通じる誘導路に停止するよう指示した一方、離陸指示は出ていなかった。
 海保機の機長は「管制官から離陸許可を得た」と認識していたとみられる。管制官からの指示を取り違えるなどした可能性がある。
 斉藤鉄夫国交相は3日、交信記録を公表したうえで「客観的な資料を提示した。再発防止に万全を期す。運輸安全委員会の調査に協力する」と述べた。同省は「現時点で管制官の指示は適切と考えている」との見解を示した。
 管制官は通常、2つの航空機を同時に滑走路へ進入させない。事故では両機に対してどのような指示が出ていたかが焦点となっていた。管制官の指示と機長の認識になぜずれが生じたかが事故原因究明の中核になる。
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 交信記録によると羽田空港の管制官は当時、日航機にC滑走路への着陸許可を出した。海保機には誘導路上の停止位置へ走行を指示したが、滑走路への進入は許可していなかった。しかし海保によると、機長は離陸許可を得たという認識だったという。
 航空機事故で発生翌日に交信記録が公表されるのは異例だ。事故で広がった不安を軽減する狙いがあるとみられる。
 衝突事故を受け航空各社は3日も一部の便を欠航した。日航は国内線98便を欠航し、約1万7000人に影響が出た。全日本空輸(ANA)も国内線97便、国際線1便を欠航し、約2万人に影響が出ている。
 余波は物流サービスにも及んでいる。日本郵便によると関東・東海各地方など発着の郵便物や「ゆうパック」の配達に遅れが出ている。佐川急便でも航空機を使った宅配サービス「飛脚航空便」で3日に配達する分の荷物の到着が遅延する可能性があるという。
 航空各社は4日から運航の正常化を図る。羽田空港に4本ある滑走路のうち、事故が起きた1本が閉鎖されているため、「上空での着陸待ちなどにより遅延が想定される」(航空大手)という声もある。
 事故原因を巡り運輸安全委員会は調査官6人を同空港に派遣し、3日から現地調査を本格化した。海保機の操縦士らの音声を記録するボイスレコーダーを回収。日航機の記録装置も探索しており、管制との交信記録の解析を進める。
 事故は2日午後5時50分ごろに発生した。新千歳(札幌)発羽田行きの日航機が着陸のためC滑走路に進入。海保機と衝突し両機とも炎上し、海保機の乗員6人のうち、機長をのぞく5人の死亡が確認された。
 日航機は乗客乗員379人の全員が脱出したが、うち乗客の15人は打撲や体調不良などで医療機関を受診した。
安川新一郎東京大学未来ビジョン研究センター特任研究員/グレートジャーニー合同会社代表
ひとこと解説
交信記録を見る限り管制官の指示は適切にみえる。何故、海保機の機長は「管制官から離陸許可を得た」と指示を取り違えたのか、そして侵入したのか、が争点だ。 羽田空港の様な過密で即時対応が要求される世界では、未だに人間の口で話して、電波を通じて耳で聞かざるを得ないと言う。確かに交通量を、天候、各機の状況を見ながら指示を出すのは人間が無線でやり取りをするしかない様に思える。 但し無線はかなり聞き取り難い。Local 5G網で得た各機の位置情報をAIで瞬時に解析し、管制官と機長のやりとりや運行判断が間違っていた場合、誘導路への侵入を何らか自動ロックする等、最新技術でのフェールセーフの導入が待たれる。2024年1月3日 19:40

【セブン・ローソンがアジア1万店増 中間層狙い主戦場移す イブニングスクープ】
 5日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 セブン&アイ・ホールディングスとローソンの国内コンビニエンスストア大手2社は、2026年2月期までの3年間にアジア・オセアニアで1万店以上増やす。中間層が拡大する東南アジアはコンビニが普及期に入っており、市場が飽和状態に近づく国内から主戦場を移す。日本で磨いた商品力とサービスを核にしたビジネスモデルを競う。
 両社のアジア・オセアニアでの出店方針を日本経済新聞が独自にまとめた。
 23年2月期時点の2社合計のアジア・オセアニアの店舗数は約5万3000店。今後3年間、2社で1万500店増やし6万3000店規模にする。これに対して国内は現在、約3万6000店で、今後3年の純増数は少なく見積もって年100店を超える水準にとどまる見通し。すでに18年2月期に2社合計のアジア・オセアニアの店舗数は国内を上回っている。
 人口が減少する国内市場は飽和感が強まっている。23年2月期のセブンとローソンの出店数は閉店分を差し引いた純増数で50店にとどまる。業界全体の総店舗数は6万店弱で頭打ちだ。一方、東南アジアのコンビニ市場規模は年率2桁ペースで拡大。人口に占めるコンビニ店舗数の割合も日本の半分程度とされ成長余地は大きい。
 1人当たり国内総生産(GDP)が3000ドルを超えるとコンビニが普及期に入るとされ、ベトナム(22年4110ドル)やフィリピン(21年3572ドル)など多くの東南アジア諸国が商圏に入ってきている。セブンが23年9月に初出店したラオス(21年2595ドル)も3000ドルをうかがう水準だ。これまで重視してきたタイやマレーシアなど高中所得国だけでなく、より広範囲で出店を拡大していく。
 日本のコンビニ各社は「サービス、品質、清潔」を掲げ、現地の消費者から人気が高まっている。できたてのサンドイッチやサラダなどの食品が人気だ。商品を途切れなくタイムリーに提供できる製造や物流網を現地で整えながら店舗数を増やす。
 セブンは現地企業に事業運営をライセンス供与する形で、23年2月期でアジア・オセアニアに約4万6000店を持つ。今後3年でさらに3600店ほど増やし、アジアの店舗数を26年2月期までに5万店体制にする。コーヒーや焼きたてパンのほか、現地の消費者の味覚に合った弁当なども取り扱いブランド定着を図る。
  インドネシアのローソンでは日本式の「おでん」が人気だ
 ローソンは中国や東南アジアで約6800店増やし、アジアで約1万3000店体制と3年で倍増させる。インドネシアでは、おでんやおにぎりなど購入後すぐに食べられる商品が人気だ。訪日経験のある顧客を中心にローソンの認知度は高まっている。
 もっともアジアでは日系コンビニ同士の競争も激しい。ファミリーマートはフランチャイズチェーン(FC)で提携する現地企業との契約終了で昨夏にタイから撤退する方針を示した。セブンなどとの競争で劣勢だった。「海外事業を積極的に進める方針は変わっていない」(細見研介社長)として、マレーシアや台湾などで再拡大を狙う。
 アジアでは現地コンビニとも競う。中国最大手の美宜佳控股(メイイージアー、広東省東莞市)は22年末に同国でセブンを大幅に上回る3万店規模を展開し立ちはだかる。多くのアジア各国で1日あたりの平均売り上げが日本に比べ大幅に低い。日本のコンビニ各社は現時点で、アジアで利益はほとんど出ていない。将来の収益化をにらんで先行投資を拡大する。
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【半導体、4〜6月に需要好転へ AIやEVがけん引 イブニングスクープ】
 4日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 半導体の世界需要が2024年4〜6月期に好転する。生成AI(人工知能)向けデータセンターや電気自動車(EV)向け半導体などが需要をけん引し、半導体大手は増産に動く。3〜4年で周期的に好不況を繰り返す半導体市況の「シリコンサイクル」の好転で、世界景気全体の底上げにもつながる。
 日本経済新聞社が24年の半導体需給について、種類や用途ごとに供給過剰から供給不足まで四半期別に5段階で評価してもらった。調査会社やアナリスト、専門商社など10者から回答を得た。
 AI半導体の市場規模は4年で約2.2倍に
 けん引役は生成AIの学習や推論に使う半導体だ。米調査会社ガートナーの予測では26年までに世界の企業の8割が生成AIを業務で活用する。23年の5%未満から急増する。米マイクロソフトや米アマゾン・ドット・コムなどが生成AIサービスを拡充する。半導体大手は旺盛な需要をにらみ増産する。
 独スタティスタによると、27年には23年比2.2倍の1194億ドル(約17兆1200億円)と急増する見通しで、AI半導体の市場規模は世界半導体市場の2割弱を占める。英調査会社オムディアの南川明氏は「AIがスマートフォンやPCに搭載される。生成AI関連の投資も活発化し、市場が大きく成長する」と指摘する。
 台湾積体電路製造(TSMC)が23年10月に開いた決算説明会。魏哲家・最高経営責任者(CEO)は「AI向け需要が生産能力の限界を超えているため、さらに増強投資する」と語った。
 高額なAI向け半導体は売り手市場となっており、米エヌビディア製の画像処理半導体(GPU)「H100」は1個当たり約3万〜4万ドルで取引されている。
 EVに搭載するパワー半導体も24年後半から需要が増える。独BMWは30年までに全社販売の50%をEVにするほか、トヨタ自動車は26年までにEVの世界販売を150万台に伸ばす。
 独インフィニオンテクノロジーズは20億ユーロ(約3000億円)を投じ、マレーシアで24年からパワー半導体の新工場を稼働させる。ルネサスエレクトロニクスも24年上期に、閉鎖中の工場を10年ぶりに再稼働させて供給を2倍に増やす。半導体商社の菱洋エレクトロは、「EVや先進運転支援向けに車載半導体は高水準の受注が続くだろう」と見込む。
メモリー価格、上昇に転じる
 新型コロナウイルス感染拡大時に巣ごもり需要が増えた反動で、23年はスマホやパソコンなどのデジタル機器向け半導体の需要が減速した。このため半導体在庫が急速に積み上がったが、直近1年で半導体メーカーは生産量を落とし、市場に流通する在庫を減らし、市況が改善している。
 メモリー価格は23年11月、代表的な製品価格が約2年半ぶりに上昇した。メモリー用では、米マイクロン・テクノロジー、米ウエスタンデジタル、韓国SKハイニックスと大手3社の9月の在庫が1年ぶりの低さとなった。「半導体メーカー側の在庫調整は足元でほぼ終了した」。KPMG FASの岡本准氏は供給過剰が解消され、4〜6月期に需給が好転し正常化すると予想する。
 在庫調整を終え、米インテルはパソコンでAIが効率的に使える半導体を23年12月に出荷し始めた。中国のレノボ・グループや米デル・テクノロジーズなどパソコン大手が採用する。同月、ソニーグループは長崎県でスマホのカメラに使う画像センサーの新生産棟の増強部分を完成させた。
 主要な半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)によると、24年の市場規模は23年比13%増の5883億ドルと2桁成長を見込む。幅広い用途で需要が広がり、半導体商社コアスタッフの戸沢正紀社長は「今後は顧客が一斉発注する一方、半導体会社の生産ペースが追いつかなくなる」と活況をこう表現する。
 産業のコメである半導体は世界景気の先行指標となり、需給の改善が幅広い産業にも波及する。ただ、世界は中国の景気失速や米国の景気後退などリスクを抱えたままだ。23〜26年には約70の大型半導体工場が操業を始め、総生産能力は3年間で30%も増える。世界経済の歯車が狂えば、一転して需給が緩み供給過剰になる可能性もある。(向野崚、松浦奈美)

【ホンダ、カナダにEV新工場 電池含め巻き返しへ検討】
 7日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 【この記事のポイント】
・北米で2拠点目のホンダのEV工場で、電池の製造も視野
・関連投資は総額で2兆円規模になる可能性
・政府の支援や材料調達などでカナダが有利とみているもよう
【ラスベガス=沖永翔也】ホンダがカナダで電気自動車(EV)の新工場建設を検討していることが7日、分かった。電池の製造も視野に入れており、関連投資は総額で2兆円規模になる可能性がある。ホンダとしては過去最大級の投資となり、欧米メーカーに比べて出遅れたEV生産を巻き返す足がかりにする。
 各国がEV優遇策を競う中、政府の支援や材料調達などでカナダでの工場新設が有利だとみているもようだ。新工場はカナダのオンタリオ州にある既存の自動車工場の隣接地などを候補に検討している。早ければ2028年ごろの稼働を想定しており、24年中には方針を決定する見通しだ。
 ホンダは米オハイオ州で26年からEVを生産する方針で、カナダの新工場が稼働すれば北米で2拠点目のEV工場となる。カナダが稼働する28年ごろにも北米でのEVの年間生産能力は100万台を超える見通しだ。
 カナダは23年12月に「脱ガソリン」を宣言した。35年までに全ての新車をEVなどの電動車にする。水力など再生可能エネルギーが豊富で、単位電力量あたりの二酸化炭素(CO2)排出量が少ない。EV製造時の環境負荷の低減にも適している。
 ホンダにとって北米は世界販売の4割を占める重要地域だ。24年3月期に約160万台を販売する見通しだが、現状はガソリン車が大半だ。ホンダは北米のEVと燃料電池車の販売比率を30年に40%、35年に80%に引き上げる方針で、新工場が重要な供給拠点となる。
 EVの中核部品である電池では世界シェア3位の韓国LGエネルギーソリューションと組み、25年に米オハイオ州で量産体制を整えるが、カナダでは自前での生産を目指す。全固体電池を含む新技術で多くの企業と研究を進めており、カナダでの電池の量産ではこれら企業との連携も検討する。
 ホンダは米ゼネラル・モーターズ(GM)と量販価格帯EVを共同開発し、27年にも発売する予定だったが、23年にこの計画の中止を決めた。GMの工場で生産するEVは24年に発売するが、長期的には自前生産を増やす方針とみられる。
 米国では金利上昇などからEV販売に減速感が出ている。米フォード・モーターはEVなどへの120億ドル(約1兆7千億円)の投資計画の見直しを検討すると表明。GMも大型EVの生産を先送りするとしている。一方、ホンダは中長期的にはEVの需要が拡大するとみて、生産能力の構築を急ぐ。
 バイデン政権は30年にEVなどの新車販売比率を50%に引き上げる目標を掲げる。米国では35年までにガソリン車の販売を禁止する地域がニューヨーク州やカリフォルニア州、ワシントン州などに広がる。
 米政府はEV普及を後押しするために、EV購入者に最大7500ドル(約100万円)の税優遇を実施している。生産したEVが税優遇の対象になるためには、北米での組み立てや電池の調達地域の制限といった一定の条件を満たす必要がある。
 電池向けのリチウムといった重要鉱物をカナダを含む北米地域から調達できれば、ホンダが検討する新工場でのEVは条件を満たしやすくなり、補助金の対象になる可能性が高い。
 北米は中国に次ぐ自動車市場だ。新車販売に占めるEV比率は11月単月で8%と前年同月から2ポイント程度伸びた。日本車メーカーも北米でのEV投資を急いでおり、トヨタ自動車は米ノースカロライナ州でEV拠点に2兆円を投じる。

【日経平均、バブル後高値を更新 終値3万3763円】
 9日の日経速報メールは報じた。
 9日の東京株式市場で日経平均株価が続伸し、バブル経済崩壊後の高値を6カ月ぶりに更新した。終値は前週末比385円(1.2%)高の3万3763円と1990年3月以来33年10カ月ぶりの水準。前日の米ハイテク株高を受け、東京市場でも幅広い銘柄に買いが入った。日本企業の稼ぐ力の向上などへの期待も株高の背景にある。
 東京エレクトロンやアドバンテストといった値がさの半導体関連銘柄に資金が向かい、日経平均を押し上げた。新たな少額投資非課税制度(NISA)経由の個人マネーも相場を押し上げた。東証プライム銘柄の8割にあたる約1315銘柄が値上がりした。
 日経平均は2023年春先に騰勢が強まった。東京証券取引所が企業にPBR(株価純資産倍率)の底上げに向けた取り組みを要請したほか、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が来日して5大商社への追加投資を表明したことで、海外勢による見直し機運が高まったためだ。
 23年6月に3万3000円台後半に上昇し、7月3日には終値ベースのバブル崩壊後の高値(3万3753円)をつけていた。その後は半年間にわたり3万3700〜3万3800円台が上値の壁になっていた。
 日経平均の最高値は1989年末の3万8915円。バブル経済崩壊、平成不況により指数は低迷し、リーマン・ショック後の2009年3月にはバブル崩壊後の最安値となる7054円まで沈んだ。
 13年の「アベノミクス」相場以降は回復基調を続け、この間に3倍強と米ダウ工業株30種平均を上回る伸びとなった。
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多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。井出真吾ニッセイ基礎研究所 主席研究員 チーフ株式ストラテジスト
ひとこと解説
米金利低下による米ハイテク株上昇を受けて、去年7月につけた高値を約半年ぶりに10円ほど上回りました。 ただ、今日の上げ幅は一時600円を超えていましたが、利益確定売りに押されて結局385円上昇にとどまりました。市場では目先のボラティリティ(変動率)が高いと予想する投資家が多いことを表しているのでしょう。2024年1月9日 15:27

【東証の株式時価総額、アジア首位返り咲き 上海証取超え】
 12日(金曜)の日経速報メールは報じた。
 【この記事のポイント】
・東証のアジア首位返り咲きは3年半ぶり
・主な要因の一つは海外投資家の日本企業への改革期待
・もう一つは中国経済を巡る不安による日本へのマネーシフト
 東京証券取引所に上場する株式の合計時価総額(ドル建て)が11日、中国の上海証券取引所を上回った。東証のアジア首位返り咲きは約3年半ぶりとなる。海外投資家は日本企業の改革に期待する一方、中国経済の先行きには警戒感が根強い。中国から日本へのマネーシフトが逆転につながった。
 11日の東京市場では日経平均株価が1990年2月以来、33年11カ月ぶりとなる3万5000円台に乗せた。東証の時価総額(プライム、スタンダード、グロース市場の合計)は917兆円と前日より13兆円(1.5%)増え、史上最大を連日更新した。ドル換算値は6.32兆ドルとなった。
 アジア拠点の取引所のなかでは東証が上海(6.27兆ドル)を上回り、首位に立った。世界取引所連盟の統計によると月次ベースで東京が上海に抜かれたのは20年7月。今月末まで維持できれば約3年半ぶりの再逆転となる。深圳や香港を含む中国株全体の時価総額は日本株をなお上回る。
 日本と中国の株式時価総額は両国の経済成長に対する海外投資家の期待感の差を映してきた。リーマン・ショック前年の07年には、深圳と香港を含む中国株全体の時価総額が初めて日本株を上回った。10年に日本は名目国内総生産(GDP)で中国に抜かれており、投資マネーはGDP逆転劇を先取りした形だった。
 欧米投資家は成長期待の高い中国株の保有を増やそうとした。中国政府も外資規制を徐々に緩和し、海外マネーが香港経由で上海など中国本土市場に入るようになった。中国株を増やす代わりに保有削減の対象となったのが日本株だった。
 米欧の証券会社や資産運用会社は中国株に詳しい専門家を増やした。一方、日本株の運用者はリターンで見劣りし、市場から徐々に淘汰された。専門家の減少によって日本株がさらに買われにくくなったとも言われた。
 ここにきて「中国重視・日本軽視」の潮流が変わってきた。中国の上海総合指数は23年半ばから右肩下がりで、10日には20年5月以来の安値水準に沈んだ。1つのきっかけは民間企業を対象にした中国政府による締め付けだ。
 23年末、海外投資家は中国への投資リスクを改めて認識した。中国当局がオンラインゲームの規制強化案を公表したことを受け、ゲーム関連株が急落したからだ。当局のさじ加減一つで事業環境が急変する中国市場に対し、投資家の不信感は根強い。
 不動産不況への警戒も続いている。企業や家計が債務返済を急いで投資や消費を抑える「バランスシート不況」に陥っているとの見方も出てきた。野村総合研究所のチーフエコノミスト、リチャード・クー氏が1990年代の日本経済の停滞をこう評した。
 欧米投資家は中国への資産配分を再考し始めている。外国人の中国本土株売買を映す香港経由の相互取引(ストックコネクト)をみると、8月の売越額は896億元(約1兆8400億円)と14年の制度開始以降で単月過去最大を記録した。同月から一貫して売り越しが続き、24年1月も10日時点で91億元の売り越しだ。
 中国株の代替先として浮上したのが、これまで保有を減らし続けた日本株だ。野村証券の西哲宏執行役員は「中国については不透明感がまだあり、日本株への資金フローは続きそうだ」と話す。
 中国本土の投資家も日本株への関心を高めている。上海市場で取引されている「チャイナAMC野村日経225」上場投資信託(ETF)の売買高は11日、23年の1日あたり平均の10倍を超えた。低迷続きの自国株に見切りをつけ、一部のマネーを日本株に振り向けている可能性がある。
 東証は自らが旗振り役となって市場改革を進めている。上場企業に資本効率の改善を求めることで、海外投資家をひき付ける狙いだ。中国回避に動いたマネーの「受け皿」として魅力を増せば、日本株高の持続力は高まる。(篠崎健太)
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。益尾知佐子九州大学大学院比較社会文化研究院 教授
ひとこと解説
根本的な背景として円安があるのは間違いないですが、興味深い展開になってきました。成長し続けるアジア各国の隣に位置する日本は、少子高齢化もあってこれまで産業空洞化の最先端となってきましたが、これまでの社会構造を支えてきた団塊の世代の引退が完了し、もはやフェーズの転換を迫られています。そこにたまたま重なった中国経済の不調。原因は中国の国内政治であり、容易に改善しそうにありません。 外部環境の変化によって突然訪れたチャンス。しかし、もともと日本企業の実力が正当に評価されていなかった面もあるでしょう。企業人にはぜひ、この機会にさらなる構造転換を進め、世界展開を進めていってほしいです。
2024年1月12日 12:43

【米共和予備選、初戦アイオワ州でトランプ氏勝利 米報道】
 16日の日経速報メールは報じた。
 【デモイン(米アイオワ州)=坂口幸裕】米主要メディアは15日、11月の米大統領選を戦う共和党の候補者指名争いの初戦となる中西部アイオワ州党員集会でトランプ前大統領が勝利したと報じた。2位は南部フロリダ州のロン・デサンティス知事、3位はニッキー・ヘイリー元国連大使だった。
 アイオワの党員集会は15日午後7時(日本時間16日午前10時)から州内の1700カ所近い会場で一斉に実施した。同州の共和支部によると、午後11時時点で前大統領の得票率は51.1%。デサンティス氏が21.2%、ヘイリー氏が19.1%。投資家のビベック・ラマスワミ氏は7.6%となり、選挙戦からの撤退を表明した。
 党員集会でトランプ氏への支持を訴える共和党員(15日、アイオワ州)
 前大統領はアイオワの党員集会で勝利したことを受け「今こそ私たちの国が一つになる時だ。団結したい」と述べた。
 共和の予備選では、各州などに割り当てられた計2429人の総代議員数の過半数を得た候補が、7月15〜18日の共和党大会で正式に指名される。民主党の候補者指名が確実視される現職のバイデン大統領と戦う。
アイオワの代議員は40人で、得票数に応じて各候補に
比例配分される。前大統領がどこまで他候補を引き離せるかが焦点になる。
全米での党員集会・予備選の先頭を切るアイオワの結果は候補争いの先行きを占う。資金集めにも影響するため、各候補が力を入れる。
 ヘイリー氏は14日、トランプ前大統領について「彼には混乱がつきまとう」と批判した(アイオワ州)
ヘイリー氏は15日、米フォックスニュースのインタビューで「世論調査で支持率が上昇しているのは我々だけだ」と表明した。アイオワでの善戦を次戦となる23日の東部ニューハンプシャー州などにつなげて支持拡大を加速させ「トランプと2人によるレースにする」と自信を示した。
デサンティス氏は15日、X(旧ツイッター)に「寒さに負けずアイオワ党員集会で私を支持してほしい。あなたの1票が今夜ほど大きな影響を与える機会はない」と訴えた。
最近は、アイオワの結果が必ずしも先行指標にはなっていない。現職以外では、アイオワの党員集会を制して共和の大統領候補になったのは2000年のジョージ・ブッシュ氏(第43代大統領)が最後だ。
予備選の前半のヤマ場は、15州の予備選・党員集会が集中する3月5日の「スーパーチューズデー」となる。この日の結果だけで総代議員数の4割近くが割り振られる。候補選びは6月まで実施する。
民主は初戦をアイオワで開く慣例を52年ぶりに改め、南部サウスカロライナ州で2月3日に実施する。8月19〜22日の党大会でバイデン氏を正式に候補者に決める運びだ。
 米メディアはアイオワ州での党員集会について「天候は過去最悪だろう」と予測する
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多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。中林美恵子早稲田大学 教授
今後の展望
アイオワ州の共和党支持者は64%が保守的なキリスト教福音派、また無党派は20%、政策的穏健派も14%とされる。圧倒的にトランプ氏に有利な条件である。ヘイリー氏の支持率上昇も注目されたが、ディサンティス氏に競り負け3位。年末にアイオワ州で各候補の対話集会を巡った私の元同僚によれば、ヘイリー氏の集会は活気に欠けていたそうだ。ただし、彼女にとって重要なのは今月のニューハンプシャー州予備選の方だ。スヌヌ知事の応援もあり、もしトランプ氏に勝てるなら、注目株になれる。この州の投票層は、福音派25%、無党派42%、穏健派27%。逆にここで支持を伸ばせないと、トランプ氏指名の可能性が更に高まることになる。
2024年1月16日 16:41

【台湾総統選、与党・頼清徳氏が当選 対中強硬路線を継承】
 13日(土曜)の日経速報メールは報じた。
 【台北=龍元秀明、比奈田悠佑】13日投開票された台湾総統選で、与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳・副総統が当選した。中国の威嚇に強く反発する蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の強硬路線の継承を訴え、中国との対話を主張した最大野党・国民党の侯友宜・新北市長らを破った。
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頼氏は5月20日に総統に就任する。台湾で1996年に直接選挙が始まって以来、同じ政党が初めて3期連続で政権を担うことになる。副総統には米国に太いパイプを持つ蕭美琴・前駐米代表(駐米大使)が就く。
頼氏は13日夜に勝利宣言し「台湾は民主主義のパートナーと共に歩み続ける」と強調した。争点となった対中関係について「台湾海峡の平和と安定の維持が使命だ」と述べた。蔡政権下で途絶えている中国との対話の再開を巡っては「対等な尊厳」が前提とした。
蔡政権の外交姿勢の継承が支持された。同日午後、台北市内で頼氏に投票した30代男性は「台湾の国際的な存在感を引き続き高めてほしい」と次期政権に期待を込めた。
国民党の侯氏は同日夜、支持者の前で敗北宣言した。「政権交代を実現できず、とても遺憾だ。申し訳ない」と述べた。
中間層の取り込みを目指した第3政党の台湾民衆党の柯文哲・党主席も支持者に「落ち込むのは今晩だけだ」と話し、事実上の敗北宣言をした。
国民 党と民衆党は当初、政権交代に向けて候補の一本化を目指したが、破談に終わった。三つどもえの選挙となったことも頼氏の当選を後押しした。
中央選挙委員会によると投票率は71.9%で、前回2020年選挙に比べ約3ポイント下がった。得票率は頼氏が40.05%。侯氏が33.49%、柯氏は26.46%となった。
中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は頼氏を台湾独立志向の強い「トラブルメーカー」とみて敵視してきた。
一方、総統選と同時に実施された立法委員(国会議員)選は、国民党が52議席と第1党になり、民進党は51議席と第2党に転落した。

【トヨタ24年世界生産、1030万台計画 2年連続で最高更新】
 15日の日経速報メールは報じた。
トヨタ自動車は2024年の「トヨタ・レクサス」ブランド(子会社のダイハツ工業、日野自動車は除く)の世界生産を約1030万台とする計画を固めた。暦年の過去最高の台数を2年連続で更新する。国内外で強みのハイブリッド車(HV)の販売が好調なことに加え、車載半導体などの部品不足が緩和しているため増産体制を整える。
 15日までに主要な部品企業に通知した。概算の内訳は国内が340万台、海外が690万台。国内生産はトヨタが日本のものづくりの技術と雇用維持のために必要と考える300万台の基準を超える。25年の世界生産の目安は1050万台強とした。電気自動車(EV)の生産は24年が約25万台、25年は60万台の水準に設定した。
 23年の世界生産は1〜11月の実績で暦年の最高だった19年の905万台を更新していた。前年同期比11%(約90万台)増の923万台で、12月は80万台強を計画していた。このため年間では1000万台ほどで着地した可能性が高い。23年の年初にトヨタが公表した生産計画は約950万〜1060万台だった。
 24年の世界生産は23年の推定比では国内がほぼ横ばいで、海外が約20万台増える。
トヨタはHVの販売が好調
 増産を計画するのはHV販売が好調だからだ。トヨタはHVの世界シェアで6割を占める。英調査会社のグローバルデータによると、HVの世界需要は25年に781万台と、23年比で4割(218万台)増となる見通しだ。特に北米や、中国などのアジアで増える。
トヨタの生産は新型コロナウイルスが流行し始めた20年に790万台まで減り、その後もコロナ禍で部品不足が長引いた。当時から国内を中心に受注残が多く積み上がっている点や、主力市場の米国の在庫が適正水準を下回る点も、増産の追い風になる。
市場環境で最大のリスクは中国だ。トヨタの23年の中国販売は22年比2%減の190万台と、2年連続の前年割れとなった。EVに強い現地の比亜迪(BYD)などの台頭に押されつつある。
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多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。中西孝樹ナカニシ自動車産業リサーチ 代表アナリスト
ひとこと解説
慎重な計画に見えます。経営の軸足が少し変化している兆しでしょう。「23年の年初にトヨタが公表した生産計画は約950万〜1060万台だった」と記事にあるように、現時点でサプライヤと頑張れば1.060万台+αを生産する力はあります。しかし、関連会社の不祥事や外部環境の不透明性を勘案し、右肩上がりより足場を固める意思を強めたというのがこの1,030万台のメッセージではないでしょうか。「1,000万台」はトヨタだけでなく自動車会社の大きな閾値(しきいち)で、過去からここを挟んで不吉なことが起こりがちです。一気に1,100万台を目指すよりも、内部をもう一度固めてから再出発をはかろうではないでしょうか。2024年1月16日 9:10

【米共和予備選、初戦アイオワ州でトランプ氏勝利 米報道】
 16日の日経速報メールは報じた。
 【デモイン(米アイオワ州)=坂口幸裕】米主要メディアは15日、11月の米大統領選を戦う共和党の候補者指名争いの初戦となる中西部アイオワ州党員集会でトランプ前大統領が勝利したと報じた。2位は南部フロリダ州のロン・デサンティス知事、3位はニッキー・ヘイリー元国連大使だった。
 アイオワの党員集会は15日午後7時(日本時間16日午前10時)から州内の1700カ所近い会場で一斉に実施した。同州の共和支部によると、午後11時時点で前大統領の得票率は51.1%。デサンティス氏が21.2%、ヘイリー氏が19.1%。投資家のビベック・ラマスワミ氏は7.6%となり、選挙戦からの撤退を表明した。
党員集会でトランプ氏への支持を訴える共和党員(15日、アイオワ州)
前大統領はアイオワの党員集会で勝利したことを受け「今こそ私たちの国が一つになる時だ。団結したい」と述べた。
共和の予備選では、各州などに割り当てられた計2429人の総代議員数の過半数を得た候補が、7月15〜18日の共和党大会で正式に指名される。民主党の候補者指名が確実視される現職のバイデン大統領と戦う。
アイオワの代議員は40人で、得票数に応じて各候補に比例配分される。前大統領がどこまで他候補を引き離せるかが焦点になる。
全米での党員集会・予備選の先頭を切るアイオワの結果は候補争いの先行きを占う。資金集めにも影響するため、各候補が力を入れる。
 ヘイリー氏は14日、トランプ前大統領について「彼には混乱がつきまとう」と批判した(アイオワ州)
ヘイリー氏は15日、米フォックスニュースのインタビューで「世論調査で支持率が上昇しているのは我々だけだ」と表明した。アイオワでの善戦を次戦となる23日の東部ニューハンプシャー州などにつなげて支持拡大を加速させ「トランプと2人によるレースにする」と自信を示した。
デサンティス氏は15日、X(旧ツイッター)に「寒さに負けずアイオワ党員集会で私を支持してほしい。あなたの1票が今夜ほど大きな影響を与える機会はない」と訴えた。
最近は、アイオワの結果が必ずしも先行指標にはなっていない。現職以外では、アイオワの党員集会を制して共和の大統領候補になったのは2000年のジョージ・ブッシュ氏(第43代大統領)が最後だ。
予備選の前半のヤマ場は、15州の予備選・党員集会が集中する3月5日の「スーパーチューズデー」となる。この日の結果だけで総代議員数の4割近くが割り振られる。候補選びは6月まで実施する。
民主は初戦をアイオワで開く慣例を52年ぶりに改め、南部サウスカロライナ州で2月3日に実施する。8月19〜22日の党大会でバイデン氏を正式に候補者に決める運びだ。

【JAL社長に鳥取三津子氏、初のCA出身 赤坂氏は会長に】
 16日の日経速報メールは報じた。
 日本航空(JAL)は17日、鳥取三津子取締役(59)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。赤坂祐二社長(62)は代表権のある会長に就く。客室乗務員(CA)出身、女性のトップはいずれも初めて。赤坂氏は新型コロナウイルスの逆風から次の成長への道筋をつけた。経営体制を刷新し、成長戦略に本格的にカジをきる。
植木義晴現会長(71)は4月1日付で会長から退き、6月に開催予定の株主総会で取締役からも退任する。
鳥取氏は1985年にCAとして東亜国内航空(現JAL)に入社した。2020年には客室本部長として、コロナ禍の厳しい経営環境下でCAの自治体や企業への出向などを進め社員のモチベーション維持に努めた。23年4月にカスタマー・エクスペリエンス本部長としてJALのブランド力向上に取り組み、同年6月にJALでは2人目の女性の代表取締役に就任した。
 2010年に破綻した日航は故稲盛和夫京セラ名誉会長の指揮の下、植木氏が再生を主導。整備畑である赤坂氏もその路線を踏襲しながらも、再生から成長へカジをきる方針だったがコロナ禍の対応に追われた。
赤坂氏はコロナ禍という逆風下でも、中距離の格安航空会社(LCC)のジップエア・トーキョー(千葉県成田市)を立ち上げたほか、13年ぶりの貨物専用機の導入を決めるなど成長への布石を打ってきた。
鳥取三津子氏(とっとり・みつこ)1985年(昭60年)活水女子短大英文学卒、東亜国内航空(現日本航空)入社。2019年客室安全推進部長、20年執行役員客室本部長、23年4月専務執行役員などを経て同年6月から代表取締役専務執行役員グループCCO(最高顧客責任者)。福岡県出身。
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多様な観点からニュースを考える※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。岩間陽子政策研究大学院大学 政策研究科 教授
ひとこと解説
日本と言えば、女性の社会進出が遅れていると思われているので、国際的にも大変注目される人事だと思います。CA出身者が社長になるということは、おそらく欧米系の航空会社ではないことだと思いますので、ある意味日本の会社の柔軟性を示す人事とも言えます。JAL単発で終わってしまわず、次に続く企業が出てくればいいなと思います。男女雇用機会均等法世代が還暦を迎える時代になりました。本当にそろそろ日本が変わってもらいたいと切望します。
2024年1月17日 18:46

【共産党委員長に田村智子氏 23年ぶり交代、志位氏は議長】
 18日の日経速報メールは報じた。
 共産党は18日、静岡県熱海市で開いた党大会で、志位和夫委員長が退任し、後任に田村智子政策委員長を充てる人事を決めた。2000年11月以来、23年ぶりに委員長が交代した。共産党で女性の党首は初めて。
•【関連記事】共産党、23年ぶり委員長交代 海外は路線転換や党名変更
志位氏は形式上の党内最高ポストで党運営全般を統括する議長に就いた。06年に不破哲三氏が退任してから空席だった。
23年ぶりに党の顔である委員長を代えることで、共産党のイメージ刷新を狙う。
田村氏は新役員の記者会見で「党の成長、発展のために力を尽くす。歴史や伝統を受け継ぐ」と述べた。他の野党との協力に関し「共産党の政治的躍進を勝ち取ることが一番の力となる」と強調した。
志位氏は23年秋ごろから次世代に党を引き継ぐため、退任を決めていたと説明した。自身の成果として国会対応や選挙での野党共闘をあげた。「決して間違っていなかった。これからも求められる仕事に全力であたる」と語った。
たむら・ともこ 早大卒、党政策委員長、党副委員長。参院当選3回、比例。長野県出身、58歳。
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•共産党、4年ぶり党大会 会場の「砦」へ登ってみた
•田村智子・共産党新委員長の横顔
多様な視点から※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。大湾秀雄早稲田大学 教授
別の視点
政治の男女格差解消が進まない中で女性委員長が誕生した意義は大きい。昨年の政治におけるジェンダーギャップ指数は日本は138位だ。選挙で女性枠を設けるクォータ制度は現在約130ヵ国で導入されているが、日本では議論すらない。女性議員が多い共産党には比例代表制名簿で男女同数にするなどの取組みを期待したい。ノルウェーでは70年代に左派政党が相次いで女性枠を設け、スウェーデンでは1993年に社会民主党が男性と女性の候補者を交互に並べるジッパー方式を導入した。その後の実証研究で、この政策は、女性の政治家を増やしたのみならず、能力の低い男性長老議員から能力の高い男性議員への世代交代を早めたことが示されている。2024年1月18日 18:11

【自民党安倍派・二階派も解散へ 政治資金問題で】
19日の日経速報メールは報じた。
自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)は19日、派閥の政治資金問題を受けて同派の解散を決めた。二階派(志帥会)も会長を務める二階俊博元幹事長が同派の解散を表明した。すでに岸田文雄首相が打ち出した岸田派(宏池会)とあわせ3派閥が解散を相次いで発表する異例の事態に発展した。
 安倍、岸田、二階の3派閥は19日、政治資金規正法違反の罪で会計責任者らが立件された。首相は「国民の政治への信頼を損ねるもので、極めて遺憾で党総裁としておわびする」と語った。
 派閥は中選挙区時代と比べて弱体化したものの、自民党の政権運営の基盤を担ってきた。党派閥の政治資金規正法違反事件により、党内統治は解体的出直しを迫られることになる。
安倍派は19日、党本部で臨時総会を開いた。塩谷立座長は冒頭で「国民の信頼を裏切り心より深くおわびする」と謝罪した。「長年にわたる事務的なミスリードで誤った処理をさせたことも幹部として深くおわびする」とも話した。
総会後の記者会見で「(解散は)断腸の思いだ」と述べた。総会に出席した議員の大半が派閥解散を唱えたと明かした。
安倍派は清和会として1979年に発足し、福田赳夫元首相が初代会長に就いた。福田氏が宏池会(現・岸田派)の池田勇人元首相の経済政策に異議を唱えて設立した「党風刷新連盟」を起源とする。
2000年以降は森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫の4氏を首相に輩出し「清和会支配」と呼ばれた。22年7月に安倍氏が死去した後は、会長不在で集団で派閥を運営してきた。
 自民党二階派の総会後、記者会見する派閥会長の二階元幹事長。総会で二階派の解散を表明した(19日午後、東京都千代田区)=共同
二階派は総会で解散方針を了承した。二階氏は記者会見で「責任を痛感し国民、支援いただいた多くの同志に心からおわびを申し上げる」と陳謝した。派閥を解消しても議員同士で集まる可能性に触れた。「自然体、常識の範囲でやっていきたい」と主張した。
3派閥の所属議員の人数は18日時点で安倍派(98人)、岸田派(46人)、二階派(38人)と計182人を数える。もともと無派閥の79人とあわせると261人で党内の過半に達する。
派閥解消の動きはその他の派閥に波及する可能性がある。麻生派(志公会)と茂木派(平成研究会)は派閥のあり方について、党政治刷新本部が来週にまとめる中間報告を踏まえつつ派内で協議を続ける。
麻生派を率いる麻生太郎副総裁は「政策集団として活動していくにあたり、そのあり方を所属議員とよく相談したい」とコメントした。茂木派会長の茂木敏充幹事長は記者団に「グループの仲間とよく相談したい」と指摘した。
派閥の解散は自民党が検討する政治改革案に影響する。
首相は19日、記者団に「国民からカネやポストを求める場となっているのではないかという疑念の目が注がれている」と派閥への不信を払拭する考えを示した。派閥の政治資金パーティーや閣僚の推薦名簿の提出を禁止する案などを検討する。
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•最大派閥・安倍派の盛者必衰 「清和会支配」20年史
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。藤元健太郎D4DR 社長
別の視点
国民が参加する政治を本質的に機能させるならば派閥やお金の問題だけでなく選挙制度改革まで踏み込まないと何も変化しないだろう。現在の小選挙区制度も派閥制度と選挙の金の問題で導入されたが,結果的には二大政党制は幻想で日本の場合は自民党が圧倒的に有利な仕組みで定着している。中選挙区制に戻せば,現在のように半分近い死に票も減少し,現在の派閥は政党として自民党を飛び出す可能性も高まるし,世襲で無くとも地方議員などから政策本位で国会議員に立候補し当選する若手議員も増えるだろう。是非派閥の解散などでごまかさないで選挙制度改革まで踏み込んで欲しい。2024年1月19日 21:58

【JAXA探査機が月面着陸 5カ国目、太陽電池は機能せず】
 20日の日経速報メールは報じた。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の無人探査機「SLIM(スリム)」が20日未明、月面着陸に成功した。日本として初めてで、世界では5カ国目だ。ただ、主要電源の太陽電池が機能しておらず、月面観測は当初見込んでいた数日から数時間程度に短くなる可能性がある。
スリムは20日午前0時に、月の高度15キロメートルの位置から降下を開始し、午前0時20分に月面に着陸した。到達時に地上との通信は確立されていたが、機体の状況などを慎重に見極めていた。同日午前2時過ぎの記者会見で、JAXA宇宙科学研究所の国中均所長は「月面の軟着陸には成功したと考えている」との見解を示した。
 無人探査機「SLIM(スリム)」の月面着陸について記者会見するJAXAの国中均理事(中)ら(20日未明、相模原市)
JAXAの山川宏理事長は「月面アクセスへの道が開けた」と述べた。今後の国際協力で日本の知見を提供できるとの見通しを示した。
スリムは着陸場所の誤差を100メートル以内に抑える「ピンポイント着陸」に挑んだ。従来の誤差は数キロ〜十数キロメートルで、技術を確立できれば、月面に局所的に存在するとされる水資源を効率よく探すうえで有利になる。
計画通りの軌道を描いて着陸したことを受けて、国中氏は「個人的な感触ではピンポイント着陸はほぼできたと考えている」と述べた。今後、画像データの解析などを経て、約1カ月後にその成否を判断する。
 着陸に成功した一方、機体に貼り付けた太陽電池が稼働していない。着陸以前には正常に機能していたため、当初の想定と違った姿勢で着陸して電池が使えなくなっている可能性が高いとみられる。
スリムにはバッテリーが搭載されているが、当初の計画より運用期間は短くなる。科学観測では、機体に搭載した特殊なカメラで月の表面を撮影し、岩石の科学的な組成を調べ、月の起源の解明に迫る計画だった。時間的な制約があるなか、どれだけの成果が出せるかが焦点となる。
スリムは着陸直前に2台の小型ロボットを放出する予定だった。国中氏は「2台のロボットは正常に分離できたと考えている」との見解を示した。
JAXAが中央大学や東京農工大学と開発したロボット「レブ1」は着陸時の衝撃を利用して、月面を跳びはねて移動する仕組みを採用している。レブ1は地上との通信を確立している。
SLIMに搭載する小型ロボット=JAXA提供
タカラトミーなどと開発した球形のロボット「レブ2(通称はSORA-Q=ソラキュー)」は車輪で走行しながら、周囲の状況やスリムの様子を撮影する。レブ1を介して画像データを地球に送る。今後、レブ1からのデータを分析し、レブ2の状況を確認する。
月は人類が将来的に火星などに進出する際の足場としても注目される。米国はアポロ計画以来となる有人探査を目指す「アルテミス計画」を掲げ、日本も協力する。中国も米国とは別に有人探査を計画している。月面着陸を巡ってはこれまで旧ソ連、米国、中国、インドが成功していた。
日本勢としてスリムは、3度目の月面着陸の挑戦だった。JAXAは2022年に探査機「オモテナシ」を打ち上げたが、月への飛行途中に通信が途絶えた。23年には月への貨物輸送サービスの事業化を目指すスタートアップ「ispace(アイスペース)」の着陸船が着陸を試みたが、高度の把握を誤って月面に衝突した。米中を中心に月面開発競争が激化するなか、今回の着陸成功で日本は技術力を示した。
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多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。岡島礼奈ALE 代表取締役CEO
ひとこと解説
おめでとうございます! 生中継、ワクワクしながら拝見しておりました。 ミニマムサクセス、おそらくフルサクセス(ピンポイント着陸)も達成! とても明るいニュースでうれしいですね。 記者会見で、着陸に成功したのになぜあまり喜んでいるように見えないのか聞かれて、今どういう状況だかしっかり把握して、この先どうするか考えたいといった趣旨のことを言われていて、技術者魂を感じました。2024年1月20日 11:01

【世界秩序が塗り替わる】
22日の日経ニュースメールは次のように報じた。
世界秩序が塗り替わる。変化の中心は覇権を争う米国と中国だけではない。グローバルサウスと呼ばれる新興勢も台頭し、国際社会の極は北から南へと揺れ動く。従来の常識が覆る「ポーラーシフト」の時代に入った。
2023年12月16日、サウジアラビアのリヤドに主要7カ国(G7)やインド、トルコなどの政府高官がひそかに集まった。ウクライナが提唱するロシア軍の全面撤退を柱とする「和平案」を協議する非公式会合だ。
和平案はウクライナ主導でロシアに対抗する狙いだった。ところがこの日の会合では、新興国からウクライナに早期停戦に向けたロシアとの対話を促す声が相次いだ。ウクライナははねつけ、会合は冷ややかな雰囲気で終わったという。
マルタで開かれたウクライナ和平協議(23年10月)=ウクライナ大統領府提供
「パレスチナ自治区ガザでも国際法を順守すべきだ」。リヤド会合に先立つ23年10月の会議でもトルコなどが欧米への批判を展開した。ロシアを「国際人道法違反」と断じる一方、イスラエルに寄り添う欧米の「二重基準」に不信を募らせる。
1945年の第2次大戦終結から約80年がたった。世界は戦勝国を基軸に国連などの戦後体制を築き、安定と繁栄を享受してきたが、限界と矛盾があらわになってきた。
代わりに発言力を高めたのが新興国だ。「最大の民主主義国であるインドやアフリカ、中南米から常任理事国を拒み続けるなら、国連安全保障理事会の意思決定の信頼性は疑われる」
インタビューに臨むインドのモディ首相(23年5月、ニューデリーの首相官邸)
インドのモディ首相は23年、日本経済新聞のインタビューで強調した。長年、日本やドイツと安保理改革をめざしてきたが、サウスの代弁者として旧秩序を批判する。
10日、モディ氏は地元グジャラート州の投資誘致会議で「我々はグローバルサウスの代表であり、世界経済の成長エンジンだ」と力説した。
インドは23年、最大の人口大国になった。国連統計では22年の世界人口は80億人と、1950年の3倍強に増えた。中国を除く新興国による枠組み「77カ国グループ(G77)」の伸びが著しく、いまでは6割を占める。
経済でも新興国が主役となる時代へ向かう。インドの国内総生産(GDP)は26年に日本を上回る見通しだ。三菱総合研究所はG77のGDPが40年前後に米国や中国を抜くと試算する。
中国を含む新興国から新興国への「南南輸出」は21年に6.2兆ドル(約920兆円)と、05年の3.5倍に急増した。先進国への4.5兆ドルをしのぐ。
軍事バランスも変わり始めた。30年前はG7が世界の軍事費の7割を握っていたが、22年の比率は5割に下がった。
23年9月、ブラジル最大都市サンパウロ。「わが国はただの資源提供国では終わらない」。デアギアル海軍提督は33年までに原子力潜水艦を自主建造し、実戦配備すると明かした。

【トランプ氏、共和の大統領候補指名へ前進 東部州で勝利】
 24日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 【マンチェスター(米ニューハンプシャー州)=中村亮】米国のトランプ前大統領は23日、11月の大統領選に向けた共和党の候補者指名争いの2戦目を制した。主要メディアが報じた。中西部アイオワ州の党員集会に続き2連勝し、指名獲得へ前進した。
•【関連記事】トランプ氏「米国を方向転換させる」 東部州で勝利演説
前大統領は23日、東部ニューハンプシャー州の予備選で勝利を確実にした。CNNによると、開票率91%の時点で前大統領の得票率は54.6%。指名争いに残るニッキー・ヘイリー元国連大使を11.4ポイント上回った。
前大統領は勝利演説で「我々はヘイリー氏に圧勝した」と誇った。次の焦点となる2月下旬の南部サウスカロライナ州予備選について「簡単に勝てる。50ポイント差がつくだろう」と語り、指名獲得に向けて余裕を見せた。
ヘイリー氏は23日、支持者集会で「戦いは終わらない」と話し、候補者争いにとどまると表明した。3月上旬の「スーパーチューズデー」を越えて選挙活動を続ける意向も示した。
共和党の予備選は各候補が各州・地域に割り当てられた代議員を奪い合う。ニューハンプシャー州の代議員数は22人。米紙ニューヨーク・タイムズによると、前大統領が少なくとも12人、ヘイリー氏が9人をそれぞれ得る見通しだ。
全米で計2429人の総代議員数の過半数を得た候補が7月の党大会で正式に指名される。15日のアイオワ州党員集会では前大統領が20人、ヘイリー氏が8人を獲得した。
前大統領は11月の大統領選を視野に、民主党のバイデン大統領への対抗心もむき出しにした。
「最悪な歴代大統領10人がやった悪いことを合計しても、いかさまのジョー・バイデンがこの素晴らしい国に与えた損害を超えない」と糾弾した。「勝利できないと国が終わると思う」と語り、支持者に支援を訴えた。
「(大統領就任)1年目にエネルギー価格を50%下げる」と約束し、国内の環境対策より石油や天然ガス開発を重視する立場を改めて強調した。

【スウェーデン、NATO加盟へ ハンガリー首相が容認表明】
 25日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 【ブリュッセル=辻隆史】スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟が実現する見通しとなった。ハンガリーのオルバン首相が24日、スウェーデンの加盟を認めると表明した。23日にトルコ議会が加盟を承認し、未承認の加盟国はハンガリーのみとなっていた。
オルバン氏は24日、X(旧ツイッター)に「ハンガリー政府はスウェーデンのNATO加盟を支持する」と投稿した。議会に速やかに批准に向けた手続きを終えるよう求める意向を示した。議会が承認すれば32カ国目としてスウェーデンがNATOに加わる。
トルコ議会は23日にスウェーデンの加盟を承認した。停滞していた交渉が前進し、早期の決着に向けて弾みがついた。新規加盟には既存の全加盟国の承認が必要で、残っていたハンガリーも追随する。
「我々は正式加盟へまた一歩近づいた」。スウェーデンのクリステション首相は同日の声明で、トルコの承認を歓迎した。
スウェーデンは2022年、ロシアのウクライナ侵攻を受けて長年の中立政策から転換した。同年5月にフィンランドとともにNATO加盟を申請し、交渉を続けてきた。
NATOは北大西洋条約5条で「締約国への武力攻撃を、全締約国への攻撃とみなす」と明示する。スウェーデンは集団安全保障の枠組みに加わり、対ロシアの防衛力と抑止力を高める。
23年に加盟したフィンランドに続きスウェーデンが加われば、軍事面でも重要な海上交通路(シーレーン)のバルト海がNATO加盟国で包囲される。スウェーデンは世界屈指の潜水艦部隊を保有し、ロシア海軍にとっては大きな制約となりうる。
NATOは重要事項を全加盟国による同意で決める仕組みをとる。
トルコは承認の手続きを遅らせることで、米国との懸案であるF16戦闘機のトルコへの売却協議を進めようと交渉してきた。トルコメディアは23日、トルコ議会での承認後、バイデン米大統領が米議会に対して売却承認を進めるための書簡を送る見通しだと報じた。
ハンガリーはかねて加盟には強く反発しておらず「最後の批准国にはならない」との方針を示していた。ただ議会の手続きが進まず、交渉に不透明感が出ていた。

【安倍派幹部に離党論浮上 自民党、政治資金巡る引責】
 25日の日経ニュースメールは次のように報じた。
 自民党派閥による政治資金規正法違反事件を巡り不起訴となった安倍派(清和政策研究会)幹部の離党論が浮上してきた。安倍派幹部が処分もないまま、党内にとどまるのは望ましくないとの声が広がったためだ。世論の批判が根強く、野党が26日召集の通常国会で証人喚問を求めている。
塩谷立元文部科学相ら複数の安倍派幹部が党執行部と対応について協議した。
自民党は2021年に新型コロナウイルスの緊急事態宣言中の夜に東京・銀座の飲食店を訪問した3人の衆院議員が離党した例がある。この事案を引き合いに「誰も離党せず役職停止という程度ではすまない」との主張が党内であがる。
岸田文雄首相(自民党総裁)が本部長を務める政治刷新本部でも安倍派幹部の政治責任を問う意見が相次いだ。首相は23日の会合後に「まず明確な説明責任を果たさせる。政治責任のあり方は党として対応を考える」と発言した。
自民党は25日、刷新本部で議論した改革案の中間とりまとめを決定する。案には「関係者による明確な説明責任に加え、政治責任のあり方についても結論を得る」との記載が入っている。
安倍派はパーティー収入の一部を議員側に還流させるなどし、派閥・議員側ともに政治資金収支報告書に記載していなかった。東京地検特捜部は刑事告発を受けた塩谷氏ら幹部7人の立件を見送った。
7人は同氏のほか下村博文元文科相、松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、高木毅前国会対策委員長、世耕弘成前参院幹事長、萩生田光一前政調会長だ。7人は特捜部から任意で事情聴取を受け、いずれも不記載への関与を否定した。
自民党は7日に特捜部が安倍派に所属していた池田佳隆衆院議員を逮捕したのを受け、同議員を同日に除名処分とした。19日に特捜部が立件した大野泰正、谷川弥一両氏は同日に自民党を離党した。
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
ひとこと解説
安倍派幹部が自民党を離党する場合、国会の会派は無所属になるとみられるが、国会議員としての地位はそのままである。これに対し、責任の取り方として離党にとどまらず国会議員を辞職するとなれば、4月28日に行われる補欠選挙の数がおそらく4以上に増えて、この補選の政治イベントとしての重みが増す。読売新聞は25日、「自民党執行部が、派閥による政治資金規正法違反事件を巡り、立件対象とならなかった安倍派幹部について、自発的な離党や議員辞職を求めたことがわかった。自ら身を処さない場合、党として厳重な処分を科すことを検討している」「党内では、『進退をもってけじめをつけるべきだ』との意見が多く出ている」と報じた。2024年1月25日 7:35

【首相「派閥解散、今しかない」 麻生・菅両氏の間隙縫う】
 25日の日経速報メールは報じた。
 自民党は25日の臨時総務会で政治刷新本部の中間とりまとめを了承する。国民の不信を拭うため、岸田文雄首相(党総裁)は自らが会長を務めてきた岸田派(宏池会)を解散した。麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長らの率いる有力派閥が支える政権基盤が傷つくことをも覚悟した決断だった。舞台裏を追った。
「宏池会を解散しなければ大変なことになっていた」。首相は政治刷新本部の議論をこう振り返る。念頭には派閥解消論を唱えていた菅義偉前首相や小泉進次郎元環境相の存在がある。
2週間前の11日、首相が本部長を務める党政治刷新本部の議論が始まった。最高顧問に首相を支える第2派閥・麻生派(志公会)の会長である麻生氏と無派閥の菅氏を起用した。
「わかりやすいのは派閥解消」と唱えたのは菅氏だった。小泉氏ら同調する声が相次いだ。派閥の足場を持たない菅氏は首相だった2021年秋、後ろ盾がない故に総裁選への出馬を断念、岸田首相や麻生氏と距離を置いてきた。
派閥のあり方を巡り両極にある2人の首相経験者が刷新本部のひな壇に並んだ。「決着できるのか?」とのささやき声が聞こえた。論点が裏金問題から派閥の是非へと広がりつつあった。首相は菅氏ら無派閥勢力が主導権を握る展開を懸念した。
政治刷新本部の議論は「派閥解消」の賛否が二分した(23日、党本部)
首相が動いたのは岸田派の元会計責任者が立件されると報じられた18日朝。「いま宏池会解散を言うしかない」。同派座長の林芳正官房長官に伝えると、首相官邸の裏口から岸田派の所属議員10人ほどを相次いで招き入れ伝えた。
茂木派幹部「三頭政治は終わった」
これまで首相を支えてきた麻生氏や茂木氏に相談しなかった。両氏からは「悪いのはルールを守らない派閥があることだ。派閥そのものの問題ではない」と釘を刺されていた。
岸田派の解散を事前に伝えれば外に漏れ、止められる可能性があった。麻生派や茂木派(平成研究会)への解散圧力になるため、反対されると考えた。党内基盤の弱い岸田氏を麻生、茂木両派が支える構図を茂木氏らは「三頭政治」と称する。
18日の夜、会食中だった麻生氏は茂木氏から電話を受けて岸田派解散の発表を知った。首相に電話し事実を問い合わせた。首相は「私たちは私たちで判断した」と説明した。
首相は翌19日、党本部で麻生、茂木両氏にそれぞれ面会し説明した。麻生氏は麻生派を解散させない意向を示し、茂木氏も茂木派内で判断するとだけ告げた。
「岸田だけよい格好して」「派閥解散は論点がおかしい」。首相のもとには麻生、茂木両派からのこうした声が届いた。茂木派幹部は「三頭政治は終わった」と語った。
駄目を押した森喜朗元首相
首相には岸田派が先陣を切れば最大派閥の安倍派(清和政策研究会)が後に続くという読みもあった。福田達夫元総務会長らが解散を求める方向で動いていた。
「君はどう思う? 私は早く解散すべきだと思う」。流れを決定づけたのは会長OBの実力者、森喜朗元首相だった。
岸田首相の表明を受けて萩生田光一前政調会長ら「五人衆」を含む同派の主な議員に電話をかけた。森氏も裏金問題の発端をつくった安倍派の解散は不可避とみた。
解散を決めた安倍派の高木毅事務総長㊨は「安倍晋三元首相に大変申し訳ない」と涙ぐんだ(19日、自民党本部)
21日夜、首相は急きょ麻生氏を都内の日本料理店に誘う。政治情勢を踏まえた自らの考えを話し理解を求めた。「内心はわからないが、麻生さんは怒っていない」との感触を得た。
中間とりまとめは派閥を「政策集団」の名に変え「『お金』と『人事』から完全に決別」すると掲げた。麻生派が反対した「派閥事務所の廃止」や「派閥の政治団体の解散」などは見送った。麻生、菅両氏のはざまで際どい着地点を見いだした。
自民党の改革案を踏まえた報道各社の世論調査は、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同調査での内閣支持率が27%と前月比で5%上昇。読売新聞は24%で下げ止まった。首相は「多くの人が起訴されるなかでこれは奇跡だ」と周囲に語った。
一連の改革の本丸は政治資金規正法の改正に向けた公明党や野党との協議だ。中間とりまとめは自民党が交渉に臨む土台になる。
安倍派議員のひとりは「派閥解散を利用した政局が始まっている」とみる。6つの派閥のうち4派が解散する方向で「無派閥」が党内の最大勢力になる。
派閥の完全解消を求める議連など新たな集団が立ち上がりつつある。「派閥解散」の賭けが岸田政権と自民党にもたらす影響はなお見通しきれない。


 この間、下記の録画を視聴することができた。 (1)BS1 世界サブカルチャー史 欲望の系譜 シーズン3 日本 逆説の60-90s 第4回、バブル崩壊後の停滞の中咲いたサブカルチャー。もう一つの時代の、日本社会の可能性を考える異色の現代史)。12月25日。 (2)NHK映像の世紀バタフライエフェクト選「砂漠の英雄と百年の悲劇」イギリスの密命を帯びたロレンス。百年の悲劇はここから始まった」27日。 (3)BS1フロンティア選 日本人とは何者なのか「最先端を切り開く者にしか見えない景色がある。科学、宇宙、歴史、アートなど…最先端の驚きの新世界を、ディープに伝える新感覚の知的探求ドキュメンタリー」27日。  (4)Eレ グレーテルのかまど 南仏プロバンスのクリスマス カリソン-伝統的菓子」27日。 (5)BSスペシャル「市民が見た戦乱のガザ 12月 「10月に始まったハマスとイスラエルの戦いでガザ地区のパレスチナ人はどんな過酷な生活を強いられているのか? 市民が撮影した自撮り映像で戦時下のガザの現状を伝える」28日。 (6)BSスペシャル「市民が見たウクライナ侵攻2023総集編「市民による自撮りで戦時下の暮らしをリアルに伝えてきた。これまで放送した映像と特撮素材を交え2023年のウクライナ情勢を振り返る」29日。 (7)職人ワゴン ニッポンの技で世界を修理 クロアチア・ハンガリー・ルーマニア「大工や左官らニッポンの職人が東ヨーロッパ3カ国で前代未聞の「世界遺産」修復! 伝統の技で直せるのか!?」30日。 (8)NHKスペシャル「2024 私たちの選択-AI×専門家による“6つの未来” 私たちが取るべき選択とは?識者や担当大臣と議論する」2024年1月4日。 (9)BS6報道1930「世界選挙イヤー 民主か独裁か。70以上の国と地域が分岐点、その選択は? トップは誰? 台湾総統選挙・現地取材報告」8日。 (10)BS世界のドキュメンタリー「ナパーム弾の少女 歴史を変えた報道写真の真実 米軍の誤爆で服が燃えた少女を写した一枚の写真がベトナム戦争に対するアメリカの世論を一変させた。写真はどのように撮られ、少女はどうなったのかを伝える」9日。 (11)BS報道1930 証言「プーチン氏と真剣に語った停戦」10日。 (12)BS1フロンティア 中国・アメリカ 月への夢「1960年代から世界の宇宙開発をリードしてきたアメリカ。21世紀に入ってから急激に伸びてきた中国。今2つの大国が目指したのは月だ。いったい月には何があるのか?」10日。 (13)NHK映像の世紀 バタフライエフェクト「巨大工事 世界はどうつながってきたのか。離れた場所と場所をつなげるという人類の夢。その夢を実現するために巨大工事は世界の難所に挑んできた。パナマ運河、シベリア鉄道、巨大工事のスペクタル集」10日。 (14)BS報道1930「政治刷新の議論開始、自民の改革は小手先か、声上げぬ若手議員など。本気が見えぬ岸田総理、密着取材で見せた本音は?」11日。 (15)BS1スペシャル「欲望の資本主義 2024 ニッポンのカイシャと生産性の謎 「日本の会社の何が問題か? 難問山積の時代、労働の定義も変わる。逆転の発想は? 錯綜する欲望の資本主義の迷宮を解き明かすスリリングな90分。今も思考の旅へ」11日。 (16)BS1スペシャル「台湾海峡で何が~米中“新冷戦”と日本~台湾海峡で軍事的せめぎあいが激化。影響は日本にも及んでいる。安全保障の最前線で何が起きているのか」12日。 (17)BS1世界のドキュメンタリー「ブチャに春来たらば~戦火の町の再出発~キーウ攻撃の拠点として1か月以上ロシアに占領されたブチャで拷問や強姦などの戦争犯罪の痕跡が明らかになっている。破壊された街で悲劇を乗り越えようとする人々の姿」12日。 (18)BS報道1930「<超限戦>台湾総統選を動かす中国AI 情報戦・色仕掛け・買収の実態とは? 世界注目の投票に若者は? 現地緊急取材」12日。 (19)NHKスペシャル「<巨龍>中国が迫る台湾総統選・市民たちの選択~1月13日(土曜)に行われる台湾総統選を前に、台湾統一の意欲を露にする“巨龍”中国が揺さぶりをかけている。東アジアの今後も左右しかねない台湾市民の選択を見つめる」13日。 (20)BS報道1930「米抜きでプランB、ウ軍反攻の新シナリオ戦略守勢から狙う反撃」22日。 (21)BS報道1930「<シン悪の枢軸>北朝鮮・イラン・ロシアの標的はトランプ氏?」24日。
プロフィール

Author:加藤 祐三
日本の歴史学者

横浜 市立大学名誉教授

国指定名勝・三渓園(横浜)
前園長(2012年8月~2023年3月)

・前都留文科大学長
(2010~2014)

・元横浜市立大学長
(1998~2002)

主な著書
「イギリスとアジア」
         (1980年)
「黒船前後の世界」(1985年)
「東アジアの近代」(1985年)
「地球文明の場へ」(1992年)
「幕末外交と開国」(2012年)
蒋豊訳「黒船異変」(2014年)
蒋豊訳「東亜近代史」
         (2015年)

 など

専門
・近代アジア史
・文明史

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