人類最強の敵=新型コロナウィルス(56)
前回の連載(55)を載せた2022年10月28日、日経新聞は連載「大中国の時代 共産党大会編 習氏の兵法」の①は「兵貴神速」(兵は神速を貴ぶ)、②が26日掲載の「習近平氏、後継明かさず、忠臣競わせる 集団指導と決別」であり、27日掲載の③は「経済リスクを黙らせろ、不良債権マグマ 規制と成長 天秤」であろ、28日掲載の④は「ハイテク兵糧戦 備えよ、半導体囲い込み」であり、さらにつづくと思われると述べた。
10月29日掲載の⑤は「共同富裕へ内から変える 競争よりも平等、人心に刷り込み」である。
【自衛隊に統合司令部、米軍と一体運用強化 台湾有事念頭 政府、24年設立目指す】
10月29日の日経新聞は次のように報じた。
「政府は陸海空の3自衛隊の部隊運用を一元的に担う常設の「統合司令部」と作戦を指揮する「統合司令官」を新設する。米軍との一体性を強化するため、意思疎通と戦略の擦り合わせを担う組織に位置づける。台湾有事を念頭に日米統合運用を進める。2024年の設立を目指す。
年末に改定する安全保障関連の3文書に設立方針を盛り込む。組織改編には自衛隊法の改正が必要になる。中国による台湾有事の可能性が早まるとの見方が出ていることから体制構築を急ぐ。
現行制度では3自衛隊を統合して動かす組織として「統合幕僚監部」がある。自衛隊制服組トップの「統合幕僚長」が首相や防衛相の軍事専門補佐、命令の執行、米軍との窓口を一人で担う。統合幕僚監部の運用部門が陸海空の各部隊に個別に指示を下ろしている。
11年の東日本大震災では統幕長が首相官邸への報告や米軍との調整に追われ、災害派遣などの部隊指揮に十分な時間が割けない問題が浮き彫りになった。
台湾有事の際には自衛隊の指揮に関する政治決断が増える可能性が高い。統幕長は首相や防衛相を支える業務に専念する必要があり、体制の再構築が課題になっていた。
新たな仕組みは統幕長の下に統合司令官を置き、部隊運用の権限を統合司令官に移す2ことを想定する。統合司令官は防衛相の直属になる。米軍のカウンターパートはアジアに展開する陸海空海兵隊を束ねる「インド太平洋軍司令官」を見込む。
米国は同盟国の日本や韓国と協力してアジアを守る「統合抑止」を重視する。日本は韓国のように米軍との「連合司令部」は持たないものの、厳しい東アジアの安全保障環境を踏まえ、米軍との協力を強化する必要性に迫られている。
15年に成立した安全保障関連法などで自衛隊と米軍を一体で動かすための体制整備が進んでいる。弾薬の提供や給油などの後方支援や平時から米軍の航空機や艦船を自衛隊が守る「武器等防護」ができるようになった。
台湾有事を見据えて日米の安保協力をより深めなければいけない。統合司令部が主体となって日米の戦略を巡る協議を進める。
統合司令部を設立する目的として、陸海空の従来領域にサイバーや電磁波などの攻撃を組み合わせた「ハイブリッド戦」への対応もある。ロシアのウクライナ侵攻で展開された。日本も中国や北朝鮮の脅威を踏まえればミサイル攻撃などの単一の事態だけでなく、あらゆる複合リスクに対応する必要がある。
現在はミサイル攻撃への対応などで統合任務部隊を編成しているものの、単一の戦闘局面への対処にすぎない。陸海空の自衛隊の区分けも根強く、多様な攻撃やサイバー攻撃を仕掛けられれば対処できない恐れがある。
常設の統合司令部を置けば、統合司令官が事態を網羅的に把握・分析し、部隊運用について首相や防衛相の判断を仰ぐことができる。迅速で的確な指揮が可能になる。
自民党は4月にまとめた安保の提言で「司令官の新設を含めた常設統合司令部の設置など『戦い方』の変化に応じた措置を講ずるべきだ」と指摘した。
統合幕僚監部が担当する部隊運用や計画策定の業務は統合司令部に引き継ぐ案がある。詳細な権限の区分けや指揮する基地、駐屯地はこれから詰める。
【ブラジル大統領選挙、ルラ元大統領が当選 左派に回帰】
31日の日経新聞【サンパウロ=清水孝輔】によると、ブラジルで30日に投開票された大統領選挙の決選投票で、左派のルラ元大統領(77)が当選した。選挙管理当局が発表した。ルラ氏は2023年1月1日に大統領に就任し、通算3期目を務める。任期は4年。低所得層への社会保障を重視する方針が国民の支持を集めた。
開票率100%で、ルラ氏の得票率は50.9%、現職の右派ボルソナロ大統領(67)は49.1%と大接戦だった。ルラ氏の後任だったルセフ元大統領が弾劾裁判で退いた16年8月以来の左派政権となる。
ルラ氏は30日朝、サンパウロ州サンベルナルドで自ら投票した後に「きょうはブラジル国民が望む国家のあり方と人々の生活を決める重要な日だ」と話した。
労働組合の指導者だったルラ氏は03年から2期8年大統領を務めた。任期中に社会保障を強化した実績から低所得層に支持されている。選挙戦では富裕層への課税強化、熱帯雨林アマゾン保護の重視を訴えてきた。外交面では新興国との連携を強化する意向を示している。
一方で19年に大統領に就任した元軍人のボルソナロ氏は、国営企業の民営化や減税といった経済政策には一定の評価がある。ただ、新型コロナウイルスを「ただの風邪」と表現したほか、女性や同性愛者に対する差別的な発言が批判を呼び、キリスト教福音派を含む保守層や富裕層以外には十分に支持を広げられなかった。再選を目指して立候補した現職が敗北するのは初めて。
米ジョンズ・ホプキンス大によると、ブラジルの新型コロナ感染者数は累計で約3480万人、死者数は累計で約69万人にのぼる。ルラ氏に投票した医師のカルラ・ドネガさん(33)は「ボルソナロ政権下ではコロナワクチンの普及に時間がかかり、多くの命が失われた。ルラ氏には貧困層でも病院に行けるようにしてほしい」と話す。
約1億5600万人の有権者が直接投票で選ぶブラジル大統領選には11人が立候補していた。2日の1回目の投開票では過半数を確保した候補者がなかったため、決選投票に進んでいた。1回目の得票率はルラ氏が約48%、ボルソナロ氏が約43%だった。決選投票で両者の差が縮まった格好。
ボルソナロ氏は苦戦が見込まれるという事前の世論調査を受け、選挙の投票システムに疑念を示してきた。30日夜時点で、ボルソナロ氏は敗北について反応していない。大きな混乱はおきていないが、一部のボルソナロ支持者による道路封鎖が報じられている。
【政投銀出資のファンド、半導体工場買収 金融主導で再生】
31日の日経新聞は次のように伝えた。
日本政策投資銀行や伊藤忠商事が出資する投資ファンドなどは米半導体大手、オンセミの新潟県の工場を買収する。最新設備を導入し、電気自動車(EV)向け半導体などの受託製造を12月に始める。国内には約80の半導体工場があるが、設備の 老朽化が進んでいる。金融主導で資金を振り向け、国内の半導体産業の再生を後押しする。
買収するのはオンセミの新潟工場(同県小千谷市)。投資ファンドのマーキュリアホールディングスがM&A(合併・買収)助言会社の産業創成アドバイザリー(東京・中央)、福岡銀行系の福岡キャピタルパートナーズ(福岡市)と組んで買い取る。
買収額と設備投資を合わせて200億円超を投じる。EVや家電の電力を制御するパワー半導体などの最新の生産設備を導入し、受託製造の拠点に転換する。約600人の従業員の雇用は続ける。
国内には2019年時点で84の半導体工場(前工程)がある。回路線幅の微細化などに巨額の投資が必要なスマートフォン向けなどの最先端半導体の工場は限られ、光や熱をデジタル信号に変換するアナログ半導体やパワー半導体の工場が中心だ。
日本が半導体の世界シェアで首位だった1980年代などに建設した工場が多く、規模が小さいうえ、設備の老朽化が進んでいる。一方で製造についてのノウハウが従業員らに蓄積されているため、多品種少量生産で工程ごとに擦り合わせが必要なパワー半導体などの生産には活用しやすい。
国内の半導体工場をファンドなどが買収するのは珍しい。マーキュリアなどは今後も国内の半導体工場を買収して受託製造の拠点にする方針だ。投資ファンドなど金融が主導して既存拠点を刷新し、国内の半導体産業の競争力を高める動きが広がる可能性がある。
新潟工場は半導体の生産に欠かせないクリーンルームを約2万平方メートル持つ中規模工場。旧三洋電機(現パナソニック)が85年に設け、11年にオンセミが買収した。受託製造はしておらず、自社で設計したパワー半導体などを生産している。
英調査会社のオムディアによると、世界のパワー半導体市場は27年に20年比2倍近い292億ドル(約4兆3000億円)まで拡大する見通し。海外の半導体メーカーは自社工場の新設を減らして設計や開発に特化する戦略を進めており、中長期的に受託生産の引き合いは伸びるとみられている。
【ロシアが再びミサイル攻撃 ウクライナは44発撃墜と発表】
11月1日のヤフーニュースの伝えるモスクワ、ロシア、11月1日 (AP)によると、ロシア国防省は10月31日、ウクライナの軍事施設とエネルギー関連施設に対する攻撃を実施したと発表した。
「ロシア軍は長距離精密兵器で、ウクライナの軍事施設及びエネルギー関連施設への攻撃を続行した」と国防省報道官は述べた。 これに対してウクライナ空軍は、ロシア軍が発射した50発を超える巡航ミサイルの44発を撃墜したことを明らかにした。
ウクライナはクリミア半島沖で、黒海艦隊に対してドローン攻撃を行ったとロシアは非難しており、エネルギー関連インフラに対するロケット攻撃は、そのドローン攻撃の2日後に行われた。
ウクライナは、ロシアが自国の武器を誤って扱ったとして、攻撃を否定している。
10月に入って、ロシアは2度にわたりウクライナのインフラを攻撃した。10月10日には、ロシア本土とクリミア半島をつなぐクリミア大橋が爆破された直後に、ウクライナ国内のインフラ攻撃が行われた。
【トヨタ純利益23%減、ソニーGは上方修正】
11月1日の日経新聞は2つの代表的企業の実績を次のように伝えた。
トヨタ自動車が1日発表した2022年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期に比べ23%減の1兆1710億円だった。同期間としては2年ぶりの減益。鉄やアルミといった原材料の高騰が重荷となり、為替相場の円安効果では補えなかった。前期比17%減の2兆3600億円としていた23年3月期の通期の純利益予想は据え置いた。
一方、ソニーグループは1日、2023年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比4%減の1兆1600億円になる見通しを発表した。従来予想(1兆1100億円)から500億円上方修正した。音楽や映画や半導体が好調で、円安効果も業績を押し上げた。通期見通しで純利益は5%減の8400億円、売上高は17%増の11兆6000億円とする。それぞれ従来予想から上方修正した。
【北朝鮮が弾道ミサイル、日本海落下 韓国離島で空襲警報】
2日の日経新聞【ソウル=甲原潤之介】によると、韓国軍合同参謀本部は2日、北朝鮮が同日午前8時51分ごろ、日本海に短距離弾道ミサイルを3発発射したと発表した。1発は鬱陵島の方向に飛んで公海上に落ちた。慶尚北道の鬱陵郡では午前8時55分に空襲警報が発令され、住民に退避施設への避難命令が出た。
韓国軍によると北朝鮮はこの3発を含む合計10発以上の多様な種類のミサイルを日本海と黄海に向けて撃った。弾道ミサイルの1発は南北境界である北方限界線(NLL)を越え、鬱陵島の北西167キロメートルの地点に着弾した。
韓国軍は落下地点について「南北分断後、初めてNLL南側の韓国領海近くに落ちた」と説明した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2日午前、緊急の国家安全保障会議(NSC)で「実質的な領土侵害行為だ」と非難した。
【広島銀行、横浜銀行陣営とシステム統合へ コスト減狙う】
同じ2日の日経新聞は次のように報じた。
横浜、七十七、北陸、北海道、東日本の地銀5行が共同運営する基幹システムに広島銀行が合流することが2日、わかった。広島銀はふくおかフィナンシャルグループ(FG)とのシステム共同運営を解消し、2030年度をメドに参加する見込み。クラウド技術を使って低コストで災害にも強いシステムを共同で作り上げる。コストや商品開発力に直結するシステム運営の巧拙が、地銀の収益力を左右する時代に入った。
横浜など5行と広島銀行が月内にも発表する。大手地銀がすでに参加しているシステム連合から抜け、別の枠組みにくら替えするのは異例だ。地銀の共同システムは現在15ものグループが乱立しており、今回の動きが再編の先駆けとなる可能性がある。
広島銀行が横浜など5行と組むのは、より大規模な連合に参加することでコスト削減の効果を大きくするためだ。横浜など5行は24年に基幹システムを汎用性の高いオープン系と呼ばれるシステムに切り替える計画で、心臓部である基幹システムをクラウドシステムに置き換えることも検討している。広島銀以外の地銀が新たに参加する可能性もある。
広島銀行の合流が30年度とやや時間がかかるのは、このクラウドシステムを共同開発するためとみられる。システムは商品開発やサイバーセキュリティーなどとも密接に関係する。横浜など5行はこれらの分野でも連携しており、広島銀行も業務提携の可能性を探るもようだ。
地銀にとって基幹システムの維持・管理費は重い負担だ。地銀大手では経費に占めるシステム経費の割合は1~2割程度、小 規模の地銀では2~3割程度とされる。フィンテックの台頭でサービス改善のスピードが速まり、戦略的なシステム投資も必要となっている。生き残りには大規模なシステム連合への参加が不可欠だ。
横浜など5行に広島銀行が加われば、地銀の共同システムとして預金量ベースで4位から2位へ浮上する。13行が参加する京都銀行を中核とする連合が1位。広島銀行の離脱で、ふくおかFGがどの陣営と組むかも焦点となる。
【北朝鮮ミサイル相次ぎ発射 岸田首相「ICBMの可能性」】
3日の日経新聞【ソウル=甲原潤之介】によると、北朝鮮は3日、少なくとも3発の弾道ミサイルを発射した。日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じ、宮城、山形、新潟の3県に警報を出した。日本上空を通過したとみられると説明したものの、その後に防衛省が「通過していないと判明した」と公表した。
政府はJアラートでミサイルが日本上空を通過して太平洋に向かったと発表していたものの、これを修正した。浜田靖一防衛相が「日本列島をこえずに日本海上空で消失したのを確認した」と発言した。
Jアラートは「午前7時48分ごろに太平洋へ通過したものとみられる」と配信した。宮城、山形、新潟3県について「建物の中、または地下に避難して下さい」と周知していた。
松野博一官房長官は3日の記者会見でJアラートについて「危険性を速やかに知らせるべく発令するものだ」と強調した。「発令された時点では日本列島上空を通過する軌道の可能性があった」と言及した。
政府は3日、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重に抗議し、非難した。ミサイル発射を受けて首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開いた。首相や官房長官、防衛相らが参加し、対応を協議した。
首相はこれに先立ち関係省庁に被害の有無の確認、北朝鮮の動向の分析、米国や韓国などとの連携などの指示を出した。記者団に「連日の弾道ミサイル発射は暴挙であり、決して許されるものではない」と語った。
韓国の聯合ニュースによると韓国軍は中距離弾道ミサイル以上の射程のミサイルと推定している。ICBMの可能性も分析しているという。
北朝鮮は2日にも、短距離弾道ミサイルや地対空ミサイル(SAM)など20発以上を発射した。弾道ミサイルの1発は韓国側が主張する南北境界の北方限界線(NLL)の南側に着弾した。
【オリックスが優勝パレード 「待ち望んだ日」大阪・御堂筋に光と歓声】
3日の毎日新聞によると、プロ野球・日本シリーズで26年ぶりの日本一に輝いたオリックス・バファローズが3日、大阪のメインストリート・御堂筋で優勝パレードを行った。沿道には多くの人が駆け付け、ともに日本一を祝った。御堂筋での優勝パレードは、2005年の阪神タイガースのリーグ優勝以来17年ぶり。
午後5時半すぎ、中嶋聡監督や選手らが乗ったオープンカーやバスが出発してパレードが始まると、集まったファンらが手を振った。中嶋監督は「みなさんの声援のおかげで日本一になれました。盛大なパレードを本当にうれしく思います」と喜びを語った。宮内義彦オーナーに花束を手渡した吉村洋文大阪府知事も「みんなで優勝をお祝いしましょう」と盛り上げた。
午前4時に来場したという筋金入りのファンも。大阪市の会社員、二宮春那さん(19)は「10年以上この日を待ち望んできたので、とてもうれしい。これからもオリックスを応援し続けます」と話した。
パレードに先立ち、府内各地を彩る「大阪・光の饗宴(きょうえん)」の開宴式があり、選手らも参加した。カウントダウンに合わせて、冬の風物詩となっている「御堂筋イルミネーション」の点灯スイッチが押されると、イチョウ並木がライトアップされた。
【横浜F・マリノス、5度目のJ1制覇 攻撃サッカーでリーグ最多得点】
5日の朝日新聞デジタルは次のように報じた。
サッカーの明治安田生命J1は最終節の5日、横浜F・マリノスが3年ぶり5度目の優勝を果たした。横浜マはアウェーのノエビアスタジアム神戸でヴィッセル神戸に3―1で勝利。20勝8分け6敗で勝ち点を68に伸ばした。3連覇を狙った2位川崎フロンターレはアウェーでFC東京に3―2で勝って勝ち点を66にしたものの、及ばなかった。
横浜マの5度のJ1優勝は、8度の鹿島アントラーズに次いで単独2位。近年攻撃サッカーを志向してきた横浜マは今季もリーグトップの70得点を奪い、失点もリーグ最少タイの35に抑えた。横浜マは5月下旬からの6連勝で首位に立ち、その後も好調を維持。終盤は残留争いをするクラブを相手に今季初の連敗を喫して川崎に迫られたが、持ち直して頂点に立った。
【【詳報】駒大、史上初の3度目3連覇 2位は国学院 全日本大学駅伝】
6日の朝日新聞デジタルは次のように報じた。
第54回全日本大学駅伝対校選手権大会(熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前、8区間、106・8キロ)は6日に行われ、駒大が大会新記録となる5時間6分47秒で、史上初となる3度目の3連覇を達成した。通算の優勝回数も最多を更新する15に伸ばした。10月の出雲駅伝に続く今季2冠。
【COP27が開幕、議長「気候変動は優先課題」】
6日の日経新聞【シャルムエルシェイク(エジプト北東部)=竹内康雄、久門武史】によると、地球温暖化対策を話し合う第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が6日、開幕した。ロシアのウクライナ侵攻を背景にしたエネルギー危機に直面するなか、先進国による途上国支援や2030年までの温暖化ガス排出削減に向けた道筋で合意できるかが焦点となる。
COP27の議長に就いたエジプトのシュクリ外相は6日に「気候変動は人類にとって現実の脅威だ」と述べた。COP27で温暖化防止に向けた具体的な成果を出すよう各国に訴えた。記者会見で「気候変動は世界の優先課題だ」と表明。世界では既に温暖化の悪影響がみられるとして「排出ゼロに向けて前進する必要がある」と強調した。
ウクライナ政府代表団は6日の全体会議で発言し、ロシアが「全面的な戦争を仕掛けている」と非難した。排出量などの算定が難しくなっていると明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻が気候変動対策での国際協力を「おとしめている」とロシアを批判した。
7~8日は首脳級会合を開き、マクロン仏大統領やスナク英首相ら約100カ国・地域の出席を見込む。米国のバイデン大統領は11日に現地に入り、COP27に参加する。14日からは各国の閣僚が集まり、合意に向けた詰めの交渉に入る。
世界気象機関(WMO)は6日に公表した報告書で、22年までの過去8年間が史上最も暖かくなったようだとの分析を示した。温暖化ガスの大気中の蓄積が進んでいるためだ。22年の平均気温は産業革命前を1.15度上回るといい、温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」で掲げた1.5度に抑える目標に近づいていると警告した。
国連のグテレス事務総長は6日のビデオメッセージで「地球が発する救難信号に行動で応えなければならない」と述べ、各国に温暖化対策を強化するよう促した。そのうえで「COP27はそのための場所でなければならない」と力説した。
現状の取り組みでは約2.5度の上昇が見込まれており対策強化に向けた作業計画を議論する。
異常気象で被害を受けやすい途上国は、先進国に資金支援の拡充を求めている。大規模な資金拠出に慎重な先進国との厳しい交渉が予想される。
【南西防衛へ移動式「港」 島に桟橋接続、部隊を展開】
7日の日経新聞は次のように報じた。
防衛省は大規模な港湾がない島しょ部に迅速に部隊を展開するため移動式の「臨時港」を開発する方針だ。緊急に桟橋を海上に浮かべて島とつなげる。海上自衛隊の輸送艦などが接岸できるようにする。台湾有事などに伴う南西諸島の防衛への対応を念頭に数年以内の配備を目指す。
2023年度予算の概算要求で必要額を示さない事項要求として盛り込んだ。同省は「機動展開能力」を高める施策と位置づける。
23年度に研究開発に着手し、早期に部隊で試験的に活用する。水上に浮く素材でつくり艦艇から人員や物資、装甲車などを陸に揚げられるようにする。運搬や組み立てが容易で波や塩害に耐えられる技術を研究する。
海自の輸送艦は長さが178メートル、海面から船底までの深さを指す「喫水」は6メートルとなる。台湾に最も近い沖縄県・先島諸島でこの大きさの艦艇が入れるのは石垣島の石垣港と宮古島の平良港しかない。
桟橋の機能を沖合までのばして船をつけられるようにすれば、小さな港湾しかない島しょ部で大型の艦艇が使える。既存の大型港湾が破壊された場合にも使用できる。
【北朝鮮、ミサイル発射は「米韓演習を受けた軍事作戦」】
7日の日経新聞【ソウル=甲原潤之介】によると、北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、北朝鮮による2日以降のミサイル発射が米韓空軍の訓練に対応した軍事作戦だったと伝えた。2~3日と5日に弾道ミサイルを撃ち、4日には多数の戦闘機を出動させたと報じた。米韓の軍事演習に「圧倒的で実践的な軍事措置で対応していく」と強調した。
報道によると2日はまず黄海上の無人島を目標に、空軍基地への打撃を模擬して弾道ミサイル4発を撃った。その後、異なる高度と距離の空中目標を撃ち落とす訓練として23発の地対空ミサイルを発射したと表明した。
韓国軍は2日、南北境界の北方限界線(NLL)南側に弾道ミサイルが落下したと発表し、韓国の鬱陵島に空襲警報が出た。北朝鮮側はこのことには触れず、韓国側が対抗措置として空対地ミサイルを海上に撃ったのを受け「2発の戦略巡航ミサイルで報復打撃を加えた」と明かした。
3日には「超大型放射砲と戦術弾道ミサイル5発、長距離放射砲46発を日本海に発射した」と記した。韓国軍はこの日の1発が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射で失敗したと分析したが、北朝鮮側はICBMを撃ったかは明らかにせず「重要な弾道ミサイル試験発射を進行した」との説明にとどめた。
4日には500機の戦闘機を動員した空軍の大規模な出動作戦を実施し、5日は黄海の無人島に戦術弾道ミサイルなど4発を発射したと記載した。「すべての軍事作戦は目的を成功裏に達成し、わが軍隊の高度な作戦遂行能力が満足に評価された」と主張した。
米韓両軍は10月31日~11月5日に240機あまりの軍用機を投入した軍事訓練「ビジラント・ストーム」を実施した。北朝鮮は訓練期間中、再三にわたり訓練を非難する声明を出していた。この間のミサイル発射の目的などについてはこれまで明らかにしていなかった。
【442年ぶり、信長時代の皆既月食へ】
8日は全国的に快晴で442年ぶりの珍しい自然現象が起きるとテレビが伝える。午後6時過ぎから満月が下から欠けはじめ、7時を過ぎると上部が丸い三日月風の月が小さくなり、7時16分、それも完全に消え、赤黒い「赤銅色」のマル状のものに変わった。皆既月食である。442年ぶりの現象、織田信長(1534~1582年)の頃から絶えてなかった稀有な現象だという。東南の空の不思議を見ようと、歩道に人が並ぶ。
皆既食は86分間続いて20時42分に終わり、その後は徐々に月は地球の影から抜けて、左側が円形の月に戻り始める。それを確認して翌朝が早いため床に就いた。のち21時49分に部分食が終わり、満月に戻ったという。
月が天王星を隠す「天王星食」も起きた、と言うが、私は実見していない。天王星は約6等級で、薄い青色に見え、非常に条件の良い空でも肉眼で見える限界の明るさがある。普段の満月のすぐ近くであれば圧倒的な明るさに負けてしまうが、多くの地域では天王星の潜入時に月が皆既食中で暗いため、見つけやすくなる。
【アメリカの中間選挙開票始まる 上院接戦、下院は共和優勢】
9日の日経新聞【ワシントン=坂口幸裕】によれば、アメリカ中間選挙は8日夜(日本時間9日午前)、開票が各州で順次始まった。連邦議会下院は野党・共和党が4年ぶりに多数派を奪還する公算が大きく、上院は激戦になっている。与党・民主党が議会で多数派を失えば、任期が残り2年あるバイデン大統領は厳しい政権運営を迫られる。
中間選挙は4年に1度ある大統領選の2年後に実施される。任期2年の下院435議席すべてと、任期6年の上院100議席のうちおよそ3分の1にあたる35議席が改選対象だ。現在は上下両院で民主が多数派を握る。全米50州のうち36州で知事選も実施した。
AP通信の出口調査によると、東部時間8日午後10時半(日本時間9日午後12時半)時点で、下院の当選確実は民主55、共和95になっている。現時点で過半数の218には届いていないものの、共和が優位に進めているもようだ。下院は現在、民主が220議席、共和が212議席を持つ。
上院の当選確実は民主が6、共和が12で、非改選議席を含めると民主が42議席、共和が41議席を確保した。米政治サイト、リアル・クリア・ポリティクス(RCP)の分析では、与野党が激しく競る東部ペンシルベニアや南部ジョージア、西部のアリゾナ、ネバダなど8州の勝敗が多数派の行方を左右する見通し。
現在の上院の構成は与野党が50対50で、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を投じることができるためかろうじて多数派を維持している状況にある。
選挙結果は2021年1月に就任したバイデン氏への事実上の審判の位置づけになる。24年の次期大統領選への再出馬に意欲を示すバイデン氏が率いる民主が上下両院で多数派を失えば、党内で遠心力が働く可能性がある。バイデン氏は8日、自身のツイッターで「あなたの声を届けよう。投票しよう」と呼びかけた。
経済に対する有権者の関心が高く、40年ぶりの歴史的な高インフレのさなかの選挙戦はバイデン氏が率いる民主に逆風となった。7日時点の政党支持率は民主が45.5%、共和が48.0%。9月下旬に共和が民主を逆転して以降は差が次第に広がった。
AP通信が6~8日に実施した出口調査によると、投票した有権者に米国が直面する最も重要な問題を聞いたところ、経済・雇用が47%と最多。次いで人工妊娠中絶、移民、気候変動がそれぞれ9%だった。
民主が議会の多数派を失えば政権運営は「より難しくなる」(バイデン氏)。予算や政策にかかわる法案成立に共和の協力が欠かせなくなり、大統領選をにらむ与野党の対立が一段と激しくなると想定されるため政策が滞るリスクが高まる。
共和からはロシアが侵攻するウクライナへの支援縮小論が出た。物価高などで生活が厳しくなった米有権者から多額の予算が同国に向かう現状への不満がくすぶるためだ。中間選挙に多数の推薦候補を送ったトランプ前大統領が掲げる「米国第一」とも共振し、バイデン政権が議会から対ロシア政策の再考を迫られるおそれがある。
郵便投票を含む期日前投票の利用者が過去最高を更新する見通しだ。米調査会社ターゲットスマートの調べでは、集計した8日午後時点で4300万人を超え、前回18年選挙の同時期より8%増えた。郵便投票などの集計に時間がかかり、大勢判明までに時間を要する事態も想定される。
【台湾統一に備える習近平経済、危険な「戦時統制」5年間】
9日の日経新聞はつぎのように伝えた。
改革・開放以来40年の中国経済史を塗り替えかねない大事件――。共産党大会閉幕式での危うい「胡錦濤(フー・ジンタオ)劇場」の余韻冷めやらぬなか、中国経済界に衝撃が走った。
問題となったのは、国有通信大手3社が、成長のけん引役だった民間IT(情報技術)、ネット通販ビッグスリーとそれぞれ戦略提携に踏み出す大ニュースの本質である。
典型例は、中国版LINE「ウィーチャット」を運営し、最近はゲーム事業でも世界に名をはせる騰訊控股(テンセント)だ。同社は、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)と「混合所有制」の官民合弁新会社を立ち上げた。新会社の主導権は国側にある。
「毛沢東が1950年代に進めた『公私合営』という名の国家による私営企業の接収方式と基本的に同じだ」。中国経済史に詳しい老知識人は喝破する。「官民合弁新会社」の裏には、「御上」の圧力が見え隠れする。民間側に断る権利などない。共産党が経営方針への介入権限を持つ党委員会を置いているからである。
21世紀の今、勢いある民間企業の力を「官」側に吸い上げる仕組みからは、3期目に入った共産党総書記、習近平(69歳)の今後5年を見据えた経済戦略が手に取るようにわかる。それだけではない。これは、党大会で「武力行使を放棄する約束は決してしない」と習が初めて言い切った台湾統一戦略にも深く絡んでいる。
驚くのはニュースが明らかになった11月2日という日付である。ちょうど2年前、アリババ創業者、馬雲(ジャック・マー、58歳)が突然、当局から事情聴取を受けた日なのだ。偶然とは思えない。
20年11月2日夜、国営通信の新華社は日本画家、東山魁夷の名画と共にコラムをアップした。「馬雲、おまえは雲にすぎない」。トップの意向次第で雲散霧消する彼の運命を暗示した日でもある。
「不用意にしゃべってはいけない。気ままにことを運んではいけない。人は思うようにはいかない」。見出しは、馬雲が当局の政策を「古くさい」と一刀両断した発言をとがめていた。
馬雲その人を意味する馬形の雲を描いた名画と合わせれば、恐ろしい事態が想像できた。案の定、すぐにアリババ傘下の金融会社アント・グループが上場延期に追い込まれる。
【ロシア国防相、ヘルソン州西岸からの撤退を命令】
10日の日経新聞は次のように報じた。
ロシアのショイグ国防相は9日、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ南部ヘルソン州のドニエプル川西岸からの軍の撤退を命じた。西岸地域にはロシアが2月の侵攻開始以来、唯一占領した州都であるヘルソンがあるが、攻勢を強めていたウクライナ軍に奪還される。ロシアは軍事的にも政治的にも大きな打撃を受ける。
タス通信によると、ショイグ氏は9日、軍事侵攻を指揮するスロビキン司令官に対し「軍撤退に着手し、兵員や武器などを安全に川の向こう(東岸)に移動させるようすべての措置を講じるよう」命じた。
これに対して、スロビキン司令官はショイグ氏に、できるだけ早く撤退を完了すると答えたうえで、ドニエプル川東岸で守備体制を固めると述べた。
欧米の支援を受けるウクライナ軍は10月下旬、ヘルソン州で多数の集落を奪還したと発表するなど、軍事攻勢を強めていた。9月中旬には東部ハリコフ州で占領されていた地域の奪還に成功しており、ドニエプル川西岸も奪還すれば、大きな戦果となる。
【フトバンクG最終黒字3兆円 7~9月、アリババ株放出で】
11日の日経新聞は次のように報じた。
ソフトバンクグループ(SBG)が11日発表した2022年7~9月期連結決算(国際会計基準)は、最終損益が3兆336億円の黒字(前年同期は3979億円の赤字)だった。最終黒字は3四半期ぶり。保有する中国・アリババ集団の株式放出による一連の取引で差し引き約4兆3000億円の利益を計上したことが寄与した。ただ、アリババ株の取引を除いたベースでは赤字となる。人工知能(AI)関連の新興企業に投資するSBG傘下のビジョン・ファンドは依然苦戦しており、厳しい経営環境が続いている。
主力のビジョン・ファンド事業は7~9月期の税引き前損益が約1兆円の赤字だった。同事業が赤字を計上するのは3四半期連続で、9カ月間に計上した赤字額は合計で約5兆5000億円となった。世界的な金利高の影響で投資先企業の株価が軒並み下落した。評価が減った分を損失として業績に反映した。
このほか、7~9月期には円安が進行したことで外貨建て負債の円換算額が膨らみ、約2000億円の為替差損を計上した。
11日に東京都内で開いた決算説明会で孫正義会長兼社長は「上場株も未上場株もほぼ全滅に近い。ビジョン・ファンドも大変苦しんでいる」と語った。傘下の英半導体設計大手アームの将来の成長に専念するため、決算発表に登場するのは今回が最後とした。今後は後藤芳光・最高財務責任者(CFO)が中心となり決算のプレゼンテーションなどを担当するという。
【円高進み一時138円台に 1日で7円上昇】
11日夕方の日経ニュースメールは次のように報じた。
11日の外国為替市場で円が対ドルで上昇し、一時1ドル=140円を超え138円台まで円高が進んだ。138円台は8月31日以来およそ2カ月ぶり。10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)がインフレを抑え込むための利上げペースを鈍化させるとの見方が広がっている。
円は10日夕には146円30銭台で推移しており、わずか1日で7円以上も円高が進んだ。10月21日に付けた151円94銭の直近安値からは20日程度で13円ほど円高に振れている。ドルはユーロや英ポンドに対しても8月以来の安値圏に下落しており、ドルが全面安の展開となっている。
10日は消費者物価指数(CPI)発表を受けて米国の利上げペースが鈍り、これまで円安の原動力になってきた日米金利差の拡大が転換するとの観測が強まった。JPモルガン証券の中村颯介氏は「米金利の先高観を理由に投資家が積み上げていたドル買い・円売りのポジションが一気に巻き戻された」と分析する。
【日本の半導体「空白の10年」挽回へ 新会社ラピダス発足】
11日晩の日経ニュースメールは、次のように報じた。
次世代半導体の国産化を目指す新会社が11日、本格始動した。トヨタ自動車やNTTなど8社が出資し、2027年の量産を目指す。経済安全保障上、最重要の半導体は生産を台湾に依存しており地政学リスクもでている。国産化は不可欠だが、日本は2010年代に最先端製品の開発などに資金を投じられず、国際競争に敗れた。新会社は空白の10年を取り戻す「最後のチャンス」(小池淳義社長)となる。
新会社「Rapidus(ラピダス)」は10年間で5兆円を設備投資などに充てる計画だ。8社が計73億円を出資し、政府も700億円の補助金を出す。社長の小池氏は直近まで米ウエスタンデジタル日本法人の社長を務めていた。会長には東京エレクトロン前社長の東哲郎氏が就いた。
国産化するのは自動車の自動運転や人工知能(AI)の「頭脳」を担う次世代のロジック半導体だ。半導体は回路線幅が小さいほど高性能になる。ラピダスは27年に2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製品の国産化を目指す。台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子は3ナノの製品の量産技術を確立しており、2ナノ品も25年に量産する計画だ。小池社長は2ナノ品についての製造技術などを確立し「5年後に最先端ファウンドリー(製造受託事業)を日本で実現する」との計画を示した。
日本の半導体産業は1970年代に国主導で日立製作所やNECなどの総合電機メーカーが高い競争力を備え、80年代後半には日本勢が世界シェアの5割を握って世界市場を席巻した。
だが、日米貿易摩擦に伴う輸出制限などで稼ぐ力が落ち、韓国、台湾勢が急速に力をつける一方で、先端製品の開発や量産に欠かせない投資余力を失った。10年代に過熱した回路線幅の微細化を巡る投資競争に追従できず、10年近い技術的な空白が生まれた。韓台勢は不況期も巨額投資を続け、日本メーカーなどの競合を引き離し、高収益なビジネスモデルを築いた。
日本が半導体産業の再興に動くのは米中対立の激化が背景にある。現在は世界に供給される10ナノ未満の先端品の9割は台湾でつくられる。台湾海峡危機などの地政学リスクが高まっており、いったん有事となれば、これまで通り日本が半導体を確保できなくなる可能性が高い。
日米は半導体を経済安全保障の要に位置づける。政府・自民党は国が前面に立ち国産化を後押しする方向にカジを切った。自民党は21年5月に半導体戦略を検討する議員連盟を発足。経済産業省も歩調を合わせ同年6月に「半導体戦略」をまとめた。
TSMCの工場の国内への誘致など成果を得ながら進めてきたのが米国をパートナーとする先端品の開発構想だ。22年5月には半導体のサプライチェーン強化などを目的とする半導体協力基本原則を結んだ。今回のラピダスの設立で一連の半導体政策が大きく前進した格好だ。経産省幹部は「むしろここからが勝負だ」と気を引き締める。
基礎研究を手掛けるのは国が主導で立ち上げた共同研究開発拠点だ。ラピダスの会長である東氏が理事長を務め、ラピダス以外に国内外の企業や研究機関も参加する。
参加が見込まれる米IBMは先端微細回路の基礎研究で成果をあげている。日本も半導体の回路形成などに使う素材や製造装置で高いシェアをもつ。米国企業にとっても、自前の技術を量産に生かすための有力な手段になる。
焦点となるのは、量産体制にむけたヒト、モノ、カネの確保だ。半導体製造に知見のあるエンジニアが欠かせず、将来の製造に向けては装置や工場を確保しなければならない。先行投資の局面を支える資金力も求められ、世界の大手と競うハードルは高い。
半導体を巡っては過去に国の資金が投じられた企業や振興策の失敗も多い。00年~10年代に立ち上がった先端開発プロジェクトの多くは成果を得られず終わった。06年には東芝や日立、ルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)によるファウンドリー設立構想が浮上し、国も後押しした。ただ、各社の足並みがそろわず半年で頓挫した。
日立とNEC、三菱電機の半導体事業が母体となった旧エルピーダメモリは投資競争で財務が悪化し、国の資金がつぎ込まれたものの会社更生法の申請に12年に追い込まれた。
ラピダスは官民の知恵を集結する一方で、出資する8社や国など利害関係者が多い。トップが強いリーダシップを持つTSMCやサムスンのように素早い経営判断ができなければ、過去の失敗の繰り返しへと陥りかねない。
【米中間選挙の上院選、アリゾナ州で民主党勝利】
12日午前、日経新聞【ワシントン=坂口幸裕】によると、米主要メディアは11日、激戦となっていた西部アリゾナ州の連邦議会上院選で与党・民主党のマーク・ケリー氏の当選が確実になったと伝えた。上院(定数100)で非改選を含む民主が49議席となり、野党・共和党に並んだ。上院選は南部ジョージア州で12月6日に決選投票が実施されるほか、西部ネバダ州で接戦が続く。
米中間選挙は11日も開票作業が続いた。事前予想で優位とみられていた共和を民主が追い上げ、大勢判明になお時間がかかっている。民主が上院選で残るネバダ、ジョージアのいずれかで勝利すれば50議席以上の確保が決まり、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を持つため多数派を維持することになる。
連邦議会下院選は全議席の9割超で情勢が判明した。AP通信の出口調査によると、東部時間11日午後10時半(日本時間12日午後0時半)時点で、下院の当選確実は民主201、共和211。4日目の開票作業でも、20を超える議席で勝敗が決まらず、いずれも過半数の218に届いていない。
中間選挙は4年に1度ある大統領選の2年後に実施される。任期2年の下院435議席すべてと、任期6年の上院100議席のうちおよそ3分の1にあたる35議席が改選対象だ。現在は上下両院で民主が多数派を握る。
【米中間選挙、民主が上院多数派を維持 ネバダ州制す】
13日午前の日経新聞速報メールが伝える【ワシントン=坂口幸裕】によると、米中間選挙は東部時間12日までの開票の結果、連邦議会上院で与党・民主党が多数派を維持する見通しになった。複数の米主要メディアが報じた。激戦となった西部ネバダ州を民主が制した。下院は野党・共和党がリードしているものの過半数に届いておらず、開票が続いている。…
米メディアによると、上院の当選確実は民主が14、共和が20で、非改選議席を含めると民主が50議席、共和49議席になった。12月6日に決選投票を実施する南部ジョージア州で共和が勝利しても現在の上院の構成と同じ50対50となり、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を持つため民主が多数派を維持することが固まった。
接戦だった東部ペンシルベニア州で民主が議席を奪い、同ニューハンプシャー州も民主が死守した。西部アリゾナ州やネバダを含め、民主がいずれもトランプ前大統領が推薦した共和候補を破った。支持候補が激戦州で相次ぎ敗北したことで、2024年大統領選をにらむトランプ氏にとって打撃になる。
AP通信によると、東部時間12日午後9時30分(日本時間13日午前11時30分)すぎの時点で、下院の当選確実は民主203、共和211になっている。いずれも過半数の218に届いていない。下院は現在、民主が220議席、共和が212議席を持つ。
米紙ワシントン・ポストによると、事前に接戦が予想されたペンシルベニアやアリゾナなど激戦州の投票率は前回18年より上昇した。40年ぶりの高インフレのさなかでバイデン大統領の支持率は40%台前半に低迷していたが、人工妊娠中絶の権利擁護や民主主義の危機を訴えて支持層に投票を呼びかける民主の戦略が一定の成果を挙げた。
今回の中間選挙は郵便投票を含む期日前投票が前回18年の中間選挙より2割ほど増えたため、これまでに比べて大勢判明までに時間がかかっている。事前の世論調査で共和が優勢だとの予測が目立ったが、接戦区が多かったことも想定より遅れる理由になった。
【米中間選挙、政敵たたきに賭けたバイデン氏 再選に望み】
14日午前の日経ニュースメールは次のように報じた。
バイデン米大統領の命運を左右する中間選挙は与党・民主党が事前の予想を上回る善戦を演じた。大敗を免れたバイデン氏は2024年大統領選の再選に望みをつなぎ、復権に影が差す共和党のトランプ前大統領と明暗を分けた。
「米国、そして民主主義にとって良い日だった」。投開票から一夜明けた9日、バイデン氏は記者会見で笑顔をみせながらこう語った。事実上の勝利宣言のような光景だった。
バイデン氏が高揚するのもムリはない。連邦議会の下院は野党の共和党が多数派の奪還に向けてリードするが、民主党の議席減は限定的にとどまる公算が大きい。上院は多数派を維持し、12月の南部ジョージア州の決選投票しだいでは議席を増やす可能性すらある。
世論調査にあった共和党が大勝する「赤い波」はおきなかった。赤は共和党のシンボルカラーで、民主党の青と対比される。
米ライス大の歴史家、ダグラス・ブリンクリー氏は中間選挙について「下院だけでなく、上院まで失えば『バイデンおろし』がおきかねない。上院で多数派を維持できれば、再選への足場を固めることができる」とみていた。
4年に1度の大統領選の合間の年にある中間選挙は現職の大統領の実績を問う信任投票になりやすい。政権への批判票が集まり、与党にとって厳しい結果になるのが通例だ。1934年以降の平均でみると、下院(任期2年、全435議席が改選)はおおむね28議席、上院(任期6年、全100議席の3分の1が改選)では4議席ほどを失っている。
下院は就任後に初の中間選挙に臨んだ民主党のクリントン、オバマ両大統領の52議席減、63議席減と比べると打撃は小さい。
善戦となった一因にはバイデン氏の方針転換がある。「この選挙は根本的に異なる2つの米国のビジョンを巡る選択だ」。選挙戦で同氏はこう訴え、自らの信任投票ではなく民主党と共和党のどちらが望ましいかを有権者に問う選挙に位置づけようとした。
この一環で、大統領に就任後は封印に努めてきたトランプ氏への名指しの批判を繰り広げた。「トランプ氏やその支持者の考え方は半ばファシズムのようだ」。こんな表現でトランプ氏らを断じたこともある。20年大統領選の結果を否定し、民主主義に危機をもたらしかねない存在とみなした。
【日韓首脳3年ぶり会談 元徴用工問題、早期解決で一致】
13日午後の日聞ニュースメール【プノンペン=重田俊介、恩地洋介】によると、岸田首相は13日、訪問先のカンボジアの首都プノンペンで韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と首脳会談に臨んだ。日韓首脳の正式な対面での会談は2019年12月以来およそ3年ぶり。懸案の元徴用工問題について早期に解決する方針で一致した。
およそ45分間会談した。ミサイル発射を続ける北朝鮮について協議し非難した。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携すると確認した。首脳間での意思疎通を継続していくことも確かめた。
日韓関係は「国交正常化以降、最悪」といわれるほど悪化していた。韓国側が慰安婦問題に関する日韓合意を事実上破棄したほか、韓国大法院(最高裁)が18年に元徴用工への賠償を日本企業に命じる判決を出したためだ。
元徴用工問題を巡って首相は、韓国側が一定の解決策を示すことが会談の前提との立場をとってきた。両首脳が9月にニューヨークで30分ほど協議した際も非公式の「懇談」との位置づけにとどめている。
尹氏は元徴用工問題の調整状況を説明したとみられる。尹政権は外交ルートを通じ、韓国の企業などが出資する財団が日本企業の賠償金を肩代わりする案を提示した。
首相は「外交当局間での協議が加速していることを踏まえ懸案の早期解決を図ることで改めて一致した」と述べた。会談後にプノンペンで記者団の質問に答え。
韓国側によると両首脳は新型コロナウイルスの影響で滞っていた両国間の民間交流を拡大する考えで一致した。日韓は互いに査証(ビザ)なしの渡航が可能になった。
首相は会談の冒頭でソウルの梨泰院(イテウォン)で多くの犠牲者が出た雑踏事故に哀悼の意を示した。尹氏は日本人2人が亡くなったことへの弔意を表明した。
今回正式な会談に踏み切ったのは、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射をはじめ安全保障上の事情が大きい。北朝鮮は7度目となる核実験の準備も進めており、日米韓3カ国を基盤に抑止力の強化を急ぐ。
韓国海軍が18年に自衛隊機に火器管制レーダーを照射する事件が起き、自衛隊と韓国軍の関係も冷え込んだ。外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)などの枠組みもない。
【米民主、無党派支持で人事権確保 上院多数派を維持】
13日昼の日経ニュースメール【ワシントン=坂口幸裕】によると、米中間選挙で与党・民主党が連邦議会上院の多数派を維持し、政府高官や裁判官の人事を承認する権限を確保した。多数派の行方を決した激戦州でトランプ前大統領が推薦した野党・共和党候補が相次ぎ敗れ、2024年の次期大統領選をにらむ同氏に遠心力が働く可能性がある。
AP通信の出口調査と米フロリダ大の「米選挙プロジェクト」のデータによると、今回の中間選挙全体の投票率は18年に及ばないものの、上院選での接戦が事前に予想された州では前回を上回るケースが目立った。東部ニューハンプシャーは3ポイント、同ペンシルベニアは4ポイント、西部アリゾナは3ポイントそれぞれ18年より上昇した。
3州とも投票先を民主候補と回答した割合が共和候補を上回った。いずれの州も過激な主張を展開するトランプ氏の推薦候補が共和から出馬した州だった。バイデン大統領は選挙戦で人工妊娠中絶の権利擁護や民主主義の危機を訴え、若い世代や女性に投票を呼びかけ続けた戦略が奏功した面がありそうだ。
上院選では3州に加え、激戦になった西部ネバダ州でもトランプ氏の支持候補が敗れた。有権者の間で好き嫌いが割れるトランプ氏が息のかかった候補の応援に出向いて前面に出たことで無党派層が離反したとの批判がくすぶる。共和内からは「候補の足を引っ張った」(ポール・ライアン元下院議長)との責任論が浮上する。
今回の中間選挙で接戦となった州が過去の大統領選の勝敗も左右してきただけに、激戦州で推薦候補が敗れたトランプ氏にとって打撃になったのは間違いない。トランプ氏が軸だった24年の大統領選の党候補者指名争いで、南部フロリダ州のロン・デサンティス知事ら他候補への期待が広がる事態も想定される。
再選出馬を見すえるバイデン氏にとっては上院の多数派維持という最低限の結果を残し、民主内に根強くある「不出馬論」を封じる材料を得た。
米議会は上下両院の2院制で成る。法案や予算案は両院で可決する必要がある。一方、上院は条約の批准のほか、大統領 が指名した閣僚や大使を含む政府高官、裁判所判事らの人事を認めるかどうかなど下院にない権限を持つ。
民主支持層に関心が高いのは最高裁判事の人事だ。判事9人で構成し、現在の構成は保守派6人、リベラル派3人と保守派に傾く。欠員が出ればバイデン氏が指名する候補を与党だけで承認できる体制を保持した。
最高裁と下級裁判所を含む連邦裁の判事は時の政権が重視する政策に「NO」を突きつけられる。6月に中絶を憲法が保障する権利と認めた1973年の判決を覆す判断を下したのが典型で、リベラル派を中心に反発が広がった。下級の控訴裁が事実上の最終審となるケースも多く、人事権を維持できるかは民主が進める政策にもかかわる。
とはいえ、支持率が40%ほどに低迷し、現在79歳という米国史上最高齢の大統領の年齢に対する不安が消えたわけではない。米アメリカン大のデビッド・バーカー教授は「バイデン氏再選のチャンスはトランプ氏の出馬だ」と指摘し、共和内でトランプ氏が出馬できなければバイデン氏の動向にも連動するとの見方を示す。
焦点は下院で民主が過半数を維持するか、共和が4年ぶりに奪還するかに移った。上下両院の多数派が異なる「ねじれ議会」になればバイデン政権は厳しい政権運営を迫られる。
【バイデン氏、習氏に「脅迫停止要求」 14日夕に首脳会談】
14日朝の日経新聞ニュースメール【ワシントン=中村亮、バリ島=大越匡洋】によると、米国のバイデン大統領は14日夕、中国の習近平国家主席と対面で会談する。バイデン氏は会談で航行の自由を尊重し、他国と領有権を争う海域で公船を航行させるなどの脅迫行為を停止するよう求める方針だ。軍事衝突を望まない立場も重ねて伝える。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日、明らかにした。会談は15~16日に20カ国・地域(G20)首脳会議の舞台となるインドネシア・バリ島で開く。米中首脳の対面会談は2019年6月に大阪で開いて以来。バイデン氏の21年1月の大統領就任後では初めて。
米政府高官は14日、バリ島で記者団に「会談の共同声明はない」と述べた。首脳同士が相互の課題の優先順位を共有し、両国の競争が対立や衝突につながらないよう対話を継続する枠組みを探る。今回の会談の形式を「ビジネスライク」と表現しており、バイデン氏と習氏が通訳だけを交えて2人だけで話す機会はない見通しだ。
サリバン氏はカンボジアからインドネシアに向かう大統領専用機内で記者団に対し、米中首脳会談について「時間に制限を設けているわけではないが数時間ぐらいに及ぶだろう」と述べた。「首脳対話が効率的に関係を管理するために最も重要だ」と強調した。
バイデン政権はルールに基づく国際秩序に従い、脅迫行為をやめるよう中国に訴える。米国は中国が台湾に対する軍事的圧力を強めて現状変更を進めていると警戒する。経済面では中国が貿易制限で相手国の経済に打撃を与えて外交を優位に進めようとしていると非難してきた。
バイデン氏は13日、カンボジアの首都プノンペンで日本の岸田首相や韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、オーストラリアのアルバニージー首相とそれぞれ会談した。サリバン氏は習氏との会談について各国と意見交換したと説明。「最も緊密な同盟国との調整を確実にする目的だった」と指摘した。
バイデン氏はプノンペンで記者団に対して習氏との会談をめぐり「どこにレッドライン(越えてはならない一線)があるのか、今後2年間にわたってお互いにとって最も重要なことはなにかを理解する」と言及した。「私はいつも彼と率直な議論をしてきた」とも話した。
【ポーランドにミサイル着弾で2人死亡 ロシアは否定】
16日未明の日経新聞ニュースメール【ロンドン=大西康平】によると、ポーランド政府は15日、同国東部プシェボドフにロシア製のミサイルが着弾し、2人が死亡したと発表した。ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃が国境を超えて着弾した可能性がある。主要7カ国(G7)と北大西洋条約機構(NATO)は16日、インドネシアのバリ島で緊急首脳会合を開き、対応を協議する。
ポーランドのモラウィエツキ首相は国家安全保障と防衛問題に関する閣僚委員会を緊急招集したと、同国の政府広報担当者のミュラー氏がツイッターで投稿した。
米ホワイトハウスは15日、バイデン大統領がポーランドのドゥダ大統領と電話協議したと発表した。ドゥダ氏がウクライナとの国境付近で起きた爆発に対する現時点での評価を説明した。バイデン氏はポーランドの調査を全面支援すると約束。米国によるNATOへの鉄壁の関与を確認した。
ロシア国防省は関与を否定して「意図的な挑発行為である」としている。
ロシア軍は15日、首都キーウをミサイルで攻撃した。東部ハリコフや北部ジトーミル郊外でも爆発があり、全土のインフラ施設などを狙った、従来と比べても大規模な攻撃があったとみられる。
ポーランドはNATO加盟国で、加盟国の民間人がロシア軍の攻撃で死亡したとすれば、初めての事例になるとみられる。北大西洋条約の5条は一つの加盟国に対する攻撃をNATO全体への攻撃とみなし、加盟国は攻撃された国の防衛義務を負う集団的自衛権を定める。
ロイター通信によると、ポーランドは北大西洋条約の4条に基づく協議を要請する必要があるか検討しているとミュラー氏が明かしたという。第4条では、加盟国が領土保全や政治的独立が脅かされていると認めた時は、いつでも協議するとしている。NATO当局は「ポーランドでの爆発に関する報告を調査しており、同盟国であるポーランドと緊密に連携している」とした。
加盟国はポーランドの状況を憂慮している。ドイツのベーアボック外相は「私の思いはポーランドとともにあり、状況を注意深く監視している」とツイッターに投稿。チェコのフィアラ首相は「ポーランドへのミサイルの着弾が確認されれば、事態の激化に進展するだろう」と投稿した。
ウクライナへのミサイル攻撃については米欧側の非難が相次いでいた。英国のクレバリー外相は15日、「ウクライナの都市をミサイル攻撃で無慈悲に狙ったことは、プーチンの弱さをあらわにした」とツイッターに投稿した。
【世界経済失速 中国成長3%台、米欧は後退予測広がる】
16日早朝の日経ニュースメールは次のように報じた。
世界経済の失速が鮮明だ。中国は新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策などの影響で2022年の成長率見通しが年初の予測を2ポイント近く下回り、3%台に沈む。直近10月は消費が減少に転じた。米欧は歴史的な物価高で急速な利上げを迫られ、22~23年に景気後退に入るとの予測が広がる。日本は7~9月期に4四半期ぶりのマイナス成長に陥った。けん引役不在の世界は先行きの不透明感も強い。
QUICK・ファクトセットがまとめた民間予測で、22年の中国の実質成長率は3.3%だ。年初の予測から1.8ポイント下がった。上 海市の封鎖などで春に景気が急激に悪化した後、夏場に出てきた持ち直しの兆しが足元で再びしぼむ。
中国国家統計局が15日発表した10月の小売売上高は前年同月比0.5%減った。マイナスは5月以来だ。全体の1割を占める飲食店収入が8%減ったほか、家電、衣類などが軒並み落ち込んだ。
消費は11月に入っても鈍い。象徴的なのは、11日に最終日を迎えた年間最大のインターネット通販セール「独身の日」だ。1~11日の全国宅配便取扱量は前年同期比11%減少した。最大手のアリババ集団などは期間中の売上高を公表しない異例の対応をとっている。
政府の規制強化で住宅不況も出口が見えない。10月の住宅販売面積は前年同月を2割超下回った。国内総生産(GDP)の3割を占める不動産関連の低迷で家電や家具の販売が伸びず、建材などの生産も勢いづかない。
世界銀行によると、世界の実質GDP(購買力平価ベース)は中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した01年から21年までに1.9倍に増えた。この間の中国の伸びは5.3倍で世界の経済成長の31%を占める計算になる。寄与度は米国の10%を大きく上回る。
成長エンジンの変調は世界経済に暗い影を落とす。日本工作機械工業会が集計する工作機械受注は10月に前年同月比5.4%減と、2年ぶりにマイナスとなった。ゼロコロナ政策下の中国の停滞が響いている。ファナックは中国での受注が7~9月期に前年同期比7%減った。23年3月期の連結で前期比8%の営業増益を見込んでいたのを10月末に一転、1%の減益見通しに下方修正した。
影響は生活用品にも及ぶ。中国の10月の化粧品輸入量は24%減と9年8カ月ぶりの減少率となった。資生堂は1~9月期の中国売上高が前年同期比11%の大幅減。横田貴之最高財務責任者(CFO)は「中国の競争環境は厳しい」と吐露。
「世界の市場」の需要減は資源価格にも表れる。シンガポール取引所(SGX)で鉄鉱石の期近先物は1日、一時1トン80ドルを下回り、20年2月以来の安値をつけた。鉄鉱石価格は世界の貿易量の約7割を占める中国の景況を敏感に映す。
一時急騰が目立ったエネルギー相場も足元の値動きは低調だ。米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は1バレル85ドル前後と、ロシアのウクライナ侵攻直後のピーク比で4割弱安い。中国の原油輸入量は、WTIが下落基調となった6月から4カ月連続で前年の水準を下回った。
アジア向け液化天然ガス(LNG)のスポット価格も、足元は8月のピークより6割ほど安い。やはり中国の調達減が下押し圧力になっている。
中国は08年のリーマン危機後は巨額の経済対策を打って成長を続け、世界経済を下支えした。その役割を果たす存在が見当たらない状況になっている。米S&Pグローバルがまとめた総合購買担当者景気指数(PMI)は中国が9月から2カ月連続、米欧は7月から4カ月連続で、好不況の境目の50を下回る。
米欧は物価高でコロナ後の回復シナリオの見直しを迫られる。日本経済新聞が民間エコノミスト10人に聞いたところ米国は6人、ユーロ圏は10人全員が23年までに景気後退局面に入ると答えた。
ユーロ圏は2人が「すでに後退」とみる。後退局面入りは時間の問題で7人は22年中、1人は23年前半と予測する。米国も3人が22年内、2人が23年前半、1人が同年後半と答えた。
物価高を鎮めるための急ピッチの利上げの軟着陸は難しい。景気後退の確率の予測平均値は、米国では23年前半が濃厚で1~3月期が48%、4~6月期が46%となった。ユーロ圏は22年10~12月期が61%、23年1~3月期が67%、4~6月期が55%となっている。
日本は7~9月期のGDPが前期比年率で実質1.2%減り、4四半期ぶりに落ち込んだ。内需の柱である個人消費や設備投資の伸びが鈍化、広告関連で海外への支払いが急増したマイナス要因が上回った。回復基調の設備投資もコロナ前の水準にはなお届いていない。外需が停滞すれば、腰折れしかねない弱さを抱える。
米欧中がそろって変調を来すのはコロナ禍当初の20年春以来。世界経済が再び反発力を発揮できるかは見通せない。
【バイデン氏「ロシアから発射の可能性低い」 G7・NATO首脳が共同声明「調査を全面的に支持」】
16日の日経新聞ニュースメール【バリ島=重田俊介】によると、主要7カ国(G7)と北大西洋条約機構(NATO)は16日、インドネシアのバリ島で緊急首脳会合を開いた。ロシア製ミサイルがポーランド東部の村に着弾したとの情報に関し、40分ほど対応を協議した。ロシアによるウクライナへのミサイル発射を非難する共同声明を出した。
バイデン米大統領や岸田首相、英仏独などの首脳らが出席した。共同声明はポーランドへのミサイルについてロシアが発射したとは断定せず「ポーランドが進める調査への全面的な支持と支援を提供する」と記した。
「調査が進むにつれて適切な次の段階を決定するために緊密な連絡を取り続けることに同意する」と強調した。
バイデン氏は協議後、記者団にロシアからの攻撃か聞かれ「軌道から考えるとロシアから発射された可能性は低い」と答えた。
岸田首相は会合で「大変憂慮している。このような時だからこそG7、NATO、有志国の連携、協力を一層密にしていきたい」と発言した。同日午前に予定していた日英首脳会談は中止した。
15日に開幕した20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は首脳宣言の採択に向けて調整を続けている。ポーランドへの着弾は宣言のとりまとめなどに影響する可能性がある。
ロシアのウクライナ侵攻を批判し、核兵器の使用を認めないことを盛り込む方針だ。ロシアは自国への批判に異論があることを併記するよう求めている。
ポーランドはNATOの加盟国だ。米欧30カ国で構成するNATOは加盟国のどこかが武力攻撃を受ければ、すべての締約国への攻撃とみなしてともに反撃する集団安全保障体制をとる。
ポーランドはNATOの加盟国だ。米欧30カ国で構成するNATOは加盟国のどこかが武力攻撃を受ければ、すべての締約国への攻撃とみなしてともに反撃する集団安全保障体制をとる。
【防衛費増、法人税など財源に 有識者会議の提言原案 「反撃能力」保有は不可欠、5年以内に配備を】
17日朝の日経ニュース・メールは、政府の防衛費増額に関する有識者会議がまとめた提言の原案が明らかになった、と報じた。財源について「幅広い税目による国民負担が必要だ」と記し、法人税を例示した。相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」は保有が不可欠だと強調した。政府は提言を基に戦後初となる防衛力の抜本的な強化へ踏み出す。
日本は長く軽武装・経済重視の路線を歩んできたが、中国による台湾有事リスクやロシアのウクライナ侵攻といった国際情勢の激変で防衛力の強化が必要になった。
防衛費増を支持する世論が高まり、企業も経済安全保障上の対応を迫られる時代になった。国民生活や経済活動の安全を守る費用を薄く広く持続的に負担するには法人増税が選択肢となる。
与党内には増税ではなく国債発行で対応すべきだとの意見がある。政府は提言内容を踏まえ、2023年度予算や税制改正大綱をまとめる年末に向けて与党と防衛費増の方針を調整する。
原案は防衛力強化には安定財源が必要だと強調し「負担を将来世代に先送りするのは適当でない。国債依存があってはならない」と訴えた。まず歳出改革に取り組む必要性も明記した。
防衛費増は「持続的な経済成長の実現と財政基盤の確保」を重視すべきだと主張したうえで「国民各層の負担能力や経済情勢への配慮は必要」とも盛り込んだ。法人増税には「国内投資や賃上げに取り組む企業の努力に水を差さないよう」考慮を求めた。
日本は国内総生産(GDP)に対する租税収入割合が経済協力開発機構(OECD)諸国と比べ低いと問題提起した。「租税負担を増やす必要があると率直に国民に説明すべき」だと指摘した。
【トランプ氏、逆風下の出馬強行 大統領選へ共和混迷も】
17日早朝の日経ニュース・メール【ワシントン=坂口幸裕】によると、トランプ前米大統領は15日、2024年の次期大統領選に共和党候補として出馬すると表明した。8日の中間選挙で共和が苦戦を強いられた責任を問う声が高まる中で強行したトランプ氏には焦りもうかがえる。政権奪還を悲願とする共和が候補者指名争いで党内の混迷が深まるリスクをはらむ。
15日の演説はテレビの視聴者数が多い現地時間午後9時過ぎに始まった。「米国の復活はいま始まる」。トランプ氏は南部フロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴに集めた数百人の支持者らを前に、バイデン政権下で高止まりするインフレなどを非難した。
自身が大統領だった当時に触れ「2年前、米国は偉大な国だった。間もなく再び偉大な国になる」と訴えた。ロシアによるウクライナ侵攻は自らが大統領だったら起きていなかったとまで主張した。
トランプ氏は勝利した16年11月の大統領選への立候補を表明したのは1年5カ月前だった。今回、一部側近が静止したにもかかわらず、残り2年という異例の早いタイミングでの出馬表明に駆り立てたのは台頭するフロリダ州のデサンティス知事の存在がある。2人は中間選挙で明暗を分けた。
デサンティス氏は大統領選の対応に言及を避けているものの、接戦州などから応援演説に声がかかった。自身の知事選では民主党候補に得票率で20ポイント近い差をつけて圧勝した。トランプ氏が20年大統領選でフロリダで3ポイント差で勝利したのに比べ、選挙の強さも印象づけた。
党内で「彼(デサンティス氏)が望むと望まざるに関係なく共和のリーダー」(シンシア・ルミス上院議員)との声が高まるゆえんだ。トランプ氏がデサンティス氏を「聖人ぶったロン」と呼び、SNS(交流サイト)などでも攻撃を続けるのは危機感の表れでもある。
上院選の激戦州で相次ぎ推薦候補が敗れたトランプ氏には逆風が吹く。選挙の直前の世論調査で拮抗していた上院選の6州で推薦候補が出馬したが、共和が勝ったのは1州のみ。西部アリゾナや同ネバダなど4州で敗北し、残る南部ジョージア州は民主と共和の上位2候補が12月6日の決選投票に進んだ。
敗因は無党派層の離反だ。激戦州は過去の大統領選の勝敗も左右してきた。精力的に応援に駆けつけたトランプ氏は支持候補の大半が勝ったと強弁するが、共和が次期大統領選に同氏を立てて臨んでも勝てないという見方が広がりつつある。
調査機関YouGovが選挙後の9~11日に実施した世論調査で24年大統領選に2人のどちらが出馬するのが望ましいかを聞いたところ、デサンティス氏が42%でトランプ氏の35%を上回った。熱心な共和党員ほどトランプ氏を支持する一方、無党派に近い共和支持層でトランプ氏と回答したのは21%、デサンティス氏は45%だった。
今回の中間選挙でトランプ氏が推薦した候補は共和の予備選で勝ち抜いても、過激な言動を嫌う無党派層から支持を得られなかった面がある。大統領選でもその二の舞いになりかねないとの懸念が高まっている。
トランプ政権で副大統領を務めたペンス氏を推す声もある。最近、米メディアのインタビューで、トランプ氏が再選されるべきかと問われ「将来的にもっと良い選択ができるようになるだろう」と踏み込んだ。自ら出馬する可能性は「私の役割は何なのか考える」と否定しなかった。
トランプ氏にはなお党内に支持者が多い現実もある。AP通信の出口調査などによると、結果が出た上下両院選の計180人の推薦候補のうち162人が13日までに当選を確実にした。党内で一定の足場を築いただけにトランプ氏の支持勢力と距離を置く議員の間で対立が先鋭化するおそれもある。
機密文書の扱いでトランプ氏の家宅捜索に踏み切った米連邦捜査局(FBI)の捜査を意識しているとの見立てもある。大統領選の候補者になれば司法省が政治介入を懸念し、起訴しにくくなるとの読みだ。出馬表明を急いだ理由に挙げられる。
【南部ヘルソン州のヘルソン市では鉄道が復旧】
19日の【キーウ共同】によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日のビデオ演説で、同国軍のザルジニー総司令官らと会議を開き、南部や東部のさらなる奪還に向けた計画を話し合ったと明らかにした。激戦地の東部ドネツク州では、ロシアの攻撃に抵抗できるよう軍部隊にあらゆる支援を行うと強調。奪還の加速に意欲を見せた。
ウクライナ軍が奪還した南部ヘルソン州のヘルソン市では鉄道が復旧し、19日には2月24日の侵攻開始以来初めての列車が首都キーウ(キエフ)から到着した。州内には各地からの支援物資がトラックで続々と到着している。
【トランプ氏のTwitterアカウント復活 マスク氏表明】
20日午後の日経ニュースメール【シリコンバレー=白石武志】によると、米ツイッターを買収した起業家のイーロン・マスク氏は19日、2021年に同社のSNS(交流サイト)から永久追放したトランプ前米大統領のアカウントを復活させると明らかにした。トランプ氏は24年の次期米大統領選に出馬を表明したばかり。マスク氏による早急な判断が議論を呼ぶのは必至だ。
マスク氏は18日から自らのツイッターアカウント上でトランプ氏の復帰をみとめるべきかを「はい」か「いいえ」の二択で答えるよう呼びかけるアンケートを実施していた。締め切りに設定した19日夕までに約1508万票が投じられ、トランプ氏の復帰に賛成が51.8%、反対が48.2%だった。
マスク氏は19日夕、「人々は話した。トランプ氏は復帰する。民衆の声は神の声」とツイートし、アンケートの結果に従ってトランプ氏のツイッターアカウント復活を認める方針を示した。
マスク氏はツイッターの買収が完了した10月下旬に同社のコンテンツモデレーション(不適切な投稿の監視・削除)を監督する評議会を設置し、有力アカウントの停止や復活などの重大な判断にあたっては有識者の意見を取り入れる方針を示していた。
ツイッターは21年1月に起きた米連邦議会議事堂襲撃事件の際のトランプ氏の投稿を精査し、さらなる暴力行為をあおる危険性があると判断して同氏を永久追放した。「言論の自由を守る」と表明してツイッターを買収したマスク氏は22年11月8日投開票の米中間選挙の後にトランプ氏の復帰を認めるか否かを判断する考えを示していた。
トランプ氏は15日に米南東部フロリダ州で演説し、24年の次期米大統領選に出馬すると表明した。永久追放される直前にツイッター上で約8800万人のフォロワーを抱えていたが、現在は自ら立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」上で情報発信を続けている。トランプ氏は19日、同SNSへの投稿でツイッターに戻る考えはないと述べた。
米共和党の一部でトランプ氏のツイッター復帰を望む声がある一方、米民主党を中心とする左派は反対していた。トランプ氏が今後、ツイッター上でどのように振る舞うかは不透明だが、同氏が不正確な情報発信を続けた場合には広告主らの離反を招く可能性がある。
【COP27閉幕、途上国支援基金で合意】
20日昼の日経速報ニュース【シャルムエルシェイク(エジプト北東部)=塙和也】によれば、第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)は20日、気象災害で「損失と被害」を受けた途上国を支援する基金の創設を決め、閉幕した。温暖化対策の輪に途上国をつなぎとめたが、本丸の温暖化ガスの排出削減でめぼしい進展はなかった。気温上昇の加速に歯止めをかける踏み込んだ対策は課題として持ち越す。各国には2023年末までに排出削減目標を上積みする...
【止まらぬ「辞任ドミノ」 寺田総務相更迭、政権に打撃】
21日午後の日経ニュースメールは次のように報じた。
「岸田首相が寺田稔総務相を事実上更迭したことにより、閣僚の辞任はこの1カ月で3人となった。国会で21日から始まる202 2年度第2次補正予算案の審議に影響するのは避けられない。止まらぬ「辞任ドミノ」は首相の政権運営に打撃となる。
首相は20日夜、首相公邸で寺田氏の辞表を受理した。その後、記者団に補正予算や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済などを挙げて「重要課題に答えを一つ一つ出すべく努力する」と語った。「正念場を迎えていると感じ、辞任を認めた」と述べた。
寺田氏の更迭により、政府・与党が11月中の成立を目指す第2次補正予算案への影響は避けられない見通しだ。
国会は21日に衆参両院で鈴木財務相が財政演説し、24日からは衆院予算委員会での実質審議に入る予定だった。野党は首相に寺田氏の辞任について国会で説明するよう求めており、予定通りに審議を始められるかは見通せなくなった。
補正予算の成立後には旧統一教会の被害者救済を巡る法案の審議を控える。政府が提出予定の新法の内容を巡り、寄付金の規制のあり方など与野党の間にはなお溝がある。
今国会の会期は12月10日まで。補正予算の成立が遅れると、被害者救済に関する法案に充てる時間は短くなり、会期延長が視野に入る。会期を延長すれば、12月以降に本格化する23年度の税制改正や予算編成も遅れる恐れがある。
与党内には1カ月弱で3人の閣僚が相次ぎ辞任した事態を受け、23年1月召集の通常国会の前に内閣改造・党役員人事に踏み切るべきだとの意見もある。
首相は19日の記者会見で内閣改造に関して「適切なタイミングを判断したい」と含みを持たせた。」
【中国ハイテク13品目シェア拡大 EVや素材、21年調査】
22日夕方の日経ニュースメールは次のように報じた。
「中国企業が世界のハイテク分野で一段と存在感を高めている。日本経済新聞社が主要な製品やサービスの2021年の世界シェアを調べたところ、中国勢は電気自動車(EV)や電池向け先端素材などハイテク13品目でシェアを拡大した。地政学リスクも高まるなか、改めてサプライチェーン(供給網)の中国依存が浮き彫りになり、企業は対応を迫られる。
世界の経済活動で重要な最終製品やサービス、中核部品、素材の56品目を対象に「主要商品・サービスシェア調査」を実施し、それぞれについて上位5社の企業のシェアを調べた。EVやスマートフォンなど最終製品のほか、部材など主なハイテク28品目では中国勢のシェア拡大が13、低下が6だった。残りの9品目については上位5社に中国企業が入っていない。
バイデン米政権が先端半導体の対中輸出を厳しく規制するなど、経済安全保障を巡り米中は鋭く対立する。米国は日本にも対中規制への追随を迫る。台湾有事なども念頭にサプライチェーンの見直しが求められるが、調査結果をみると、中国企業のシェアが高い。
台頭が目立つのはEV関連だ。車載電池は世界首位の寧徳時代新能源科技(CATL)のシェアが38.6%と20年から12ポイント余り上昇した。比亜迪(BYD)と合わせた中国勢のシェアは46%になる。
BYDはEVでもルノー・日産自動車・三菱自動車の日仏連合を抜き4位に浮上した。基幹部品の車載電池を内製する強みを生かし、EVの価格を抑えている。22年1~6月の販売台数でみると、米テスラに次ぐ2位につける。
電池部材の絶縁体も上海エナジーが政府の補助金を活用した増産投資で販売を伸ばす。同社のシェアは28.7%に上昇し、2位の旭化成の10.7%を引き離している。市場が急拡大するEVのサプライチェーンの上流から下流まで中国勢が存在感を強めている。
かつて日韓勢がしのぎを削った液晶パネルは大型、中小型ともに首位の京東方科技集団(BOE)など中国勢がシェアを伸ばしている。有機ELパネルでもBOEがアップルのiPhoneに採用されるなどして、市場開拓で先行した韓国サムスン電子を追う。
一方、携帯基地局は華為技術(ファーウェイ)が首位を守ったものの、米国による制裁などを受けて、同社のシェアは38%から34%に低下した。
調査全体の56品目でみると、中国企業が上位5社に入った品目は32あり、シェア拡大は21、低下は11だった。中国経済は政府のゼロコロナ政策を受けて欧米より回復が遅れている。内需が振るわず建機や中大型トラックはシェアを落とした。
世界首位の品目数は米国が18で最も多く、中国が15で続く。日本は7にとどまった。CMOS画像センサーでソニーグループ、液晶パネル部材の偏光板で住友化学グループがトップだった。
KPMG FASの稲垣雅久パートナーは米中対立の激化を踏まえ「グローバル企業はサプライチェーンを『中国向け』と『中国以外向け』の2系統に分けるなど対応を進めている」と話す。日本ではダイキン工業が中国製部品なしでエアコンを作る体制構築を急ぐ。ただ「日本企業は対応策を従来のBCP(事業継続計画)上で考えがち。有事の影響を抑えるには、平時の供給網の再設計が必要だ」と指摘する。」
【マツダ、EV・電池確保に1.5兆円 中国系企業から調達】
22日昼の日経ニュースメールは次のように報じた。
マツダは2030年までに電気自動車(EV)などの電動化対応に車載電池の調達費を含めて1兆5000億円規模を投じる。中国企業傘下で車載電池大手のエンビジョンAESCグループ(神奈川県座間市)と組みEV向け電池を確保し、国内工場でEV生産を増やす。EVを巡ってはトヨタ自動車など世界大手が巨額投資を相次いで表明している。特に電池は奪い合いの構図だ。マツダも電池を戦略部品と位置付け確保を急ぐ。
【コロナ飲み薬、軽症者も選択肢 塩野義が初の国産承認】
23日午後の日経ニュースメールは次のように報じた。
塩野義製薬の新型コロナウイルス用飲み薬「ゾコーバ」が承認された。感染拡大「第8波」の本格化を控え、軽症者に使える初の国産薬が実用化した。既存の薬と異なり、重症化リスクが高くない人も使える見込みで、外来を中心に治療の選択肢が広がる。検査や外来の目詰まりを防ぎ、必要な人に薬を行き渡らせる体制構築が欠かせない。
コロナ患者は公費負担で薬の処方や治療を受けられる。軽症・中等症の外来患者には主に飲み薬を処方する。米メルク製「ラゲブリオ」と米ファイザー製「パキロビッド」の2種類がある。いずれも高齢者など重症化リスクのある人に限定している。基礎疾患(持病)のない低リスクの患者向けの薬は乏しかった。
【日本、後半に攻撃的3バックで劇的変貌 W杯ドイツ戦で逆転勝利】
24日午後の日経ニュースメールは次のように伝えた。
「日本の反転攻勢は、後半の攻撃的3バックへのシステム変更から始まった。
最初のテコ入れは、負傷明けのため先発出場が見送られたDF冨安健洋(アーセナル)を久保建英(レアル・ソシエダード)に代えて後半早々から最終ラインに投入したこと。一見して守り手の増員だが、これによって右サイドバック(SB)の酒井宏樹(浦和)がウイングバック(WB)に、右MFの伊東純也(スタッド・ランス)が右のFWに、それぞれところてん式に前に押し出された。
前半のドイツは左SBのラウムが積極的にオーバーラップし、ギュンドアン、ムシアラとの連係で何度も日本ゴールを脅かしていた。攻撃にスイッチを入れるはずの伊東はラウムを後追いして帰陣を繰り返すばかり。ここで後手に回ったことが、日本のプレスの連動をきしませた。最終ラインが退き、ワントップで起用された前田大然(セルティック)まで自陣に引っ込み、全軍が亀のように縮こまる。日本のシュートは前半わずか1本だった。
冨安投入は、伊東の走る矢印を自陣方向から敵陣方向へと逆転させた。前半、伊東に背中を追わせていたラウムは後半、伊東の背中を拝むことにもなった。
「いろいろなプランを考えた中でうまくいかなかったときの準備はしていた。0-1になっても落ち着いてその状態をキープし、後半にシステムチェンジが機能する状況をつくれた」。冨安投入後に三笘薫(ブライトン)、浅野拓磨(ボーフム)、堂安律(フライブルク)、南野拓実(モナコ)といったアタッカーたちを惜しげもなく投入した森保一監督は、歴史的な逆転劇をそう振り返っている。
大会前の強化試合で監督が試していた3バックは、逃げ切りを狙った守備固めのためのものだった。それが試合をひっくり返す〝うっちゃり〟の決め技となる不思議。長友佑都(FC東京)に代わって出場した三笘の左WB起用もぶっつけ本番だったが、そのドリブルとパスを起点に堂安の同点ゴールが生まれた。
いくつかのアドリブと、それに応えたアタッカーの至芸が組み合わさった逆転劇。それは、システム変更によって広い中盤で数的不利になりながらドイツの侵入を払いのけた遠藤航(シュツットガルト)、鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)らMFたちの奮闘にも支えられていた。(鱸正人)
【岸田首相、後任の総務相に松本剛明元外相起用へ】
25日の日経ニュース速報は、更迭された総務相の後任に松本剛明元外相起用を起用したと伝えた。
【】
26日の
【日本、コスタリカに0-1で敗れる サッカーW杯】
27日に日経速報メール【アルラヤン=岸名章友】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会第8日は27日、ドーハ近郊のアルラヤンのアハマド・ビン・アリ競技場で1次リーグE組第2戦の日本―コスタリカ戦が行われ、日本が0-1で敗れた。日本は勝ち点3のままでコスタリカに並ばれ、決勝トーナメント進出は第3戦に持ち越しとなった。
前半は両チームとも好機をつくれず、後半は日本が押し込んでいたものの、81分(時間は非公式)に先制点を許した。
過去最高を上回る8強以上を目指す日本は、12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)からの1次リーグ最終戦で、2010年大会覇者のスペインと対戦する。
【老いる日本の株主、70代以上が4割 若者の目は海外株に】
27日早朝の日経ニュース速報は次のように報じた。
日本企業の株主が老いているこの30年で70代以上の保有額は全体の1割台から4割台に高まった。人口構成を超えるスピードで高齢層に偏った背景に若・中年層の日本株離れがある。国内のリスクマネーが減少に向かっている。
【再エネ、危機下で急浸透 「自国産」で安保価値向上】
28日早朝の日経ニュースメールは、再生可能エネルギーの価値が急浸透していることを報じた。
この間、以下の番組を視聴することができた。(1)NHKスペシャル「新・幕末史グローバル・ヒストリー 戊辰戦争 欧米列強の野望」10月27日。 (2)報道1930「日本人が円を見捨て…外国人が日本を去る日、大規模緩和と円安の罪」28日。 (3)週刊ワールドニュース(10月24日~28日)29日。 (4)「号外日本史スクープ砲 第26 日本の鉄道建設」30日。 (5)BS1スペシャル「翻弄される国境の町~フィンランド・カレリア地方」30日。 (6)報道1930「岐路ウクライナ支援 約10兆円の財源確保は?」31日。 (7)映像の世紀バタフライエフェクト「ソ連崩壊 ゴルバチョフとロックシンガー」31日。 (8)報道1930「”瀬戸際“の岸田総理 旧統一教会問題で迷走、政権の浮揚策はあるのか」11月1日。 (9)報道1930「円安危機ニッポン経済の行方は 賃金上昇なき物価高騰で生活困窮拡大」2日。 (10)報道1930「トランプ氏の影響色濃く 「炎上」で異論排除も」3日。 (11)NHKスペシャル「混迷の世紀 第3回 岐路に立つ民主主義~権威主義の拡大はなぜ」3日。 (12)報道1930「【南部の要衝へルソン「「最前線】ロシア軍部隊集結で「最大規模」戦闘も」4日。 (13)週刊ワールドニュース(10月31日~11月4日)5日。 (14)BSプレミアム「東博150年 知られざるモノかたり-日本の至宝大公開」6日。 (15)BS世界のドキュメンタリー「ゆらぐモルドバ ウクライナ隣国の”苦悩」8日。 (16)報道1930「プーチンのシェフ”闇の部隊“率いる実力者がなぜ表舞台に」8日。 (17)報道1930「【ウクライナのパルチザン】ロシアに抵抗する”住民“の闘い」10日。 (18)報道1930「東南アに各国首脳集結、米中対面会談か プーチン氏欠席の背景」11日(23。 (19)週刊ワールドニュース(11月7日~11日)12日。 ()20) BS1 Asian Insight 「中国 寝そべる若者”ち」14日。 (21)報道1930「米中首脳が対面会談へ」14日。 (22)報道1930「米中首脳会談で初の対面会談で台湾問題は」15日。 (23)報道1930「【ウクライナ東部要衝をめぐる激戦】“特殊任務”担う隊長が語る実態」18日。 (24)NHK日曜討論 20日。 (2)週刊ワールドニュース(14日~18日)20日。 (26)報道1930「【エネルギー争奪戦が激化】ロシア制裁の影響深刻」21日。 (27)報道1930「【ウクライナ支援の秘密ネットワーク】欧米スパイと特殊部隊が連携」23日。 (28)報道1930「【ザポリージャで何かが起きる】ロシア軍再配置で新展開か」24日。 (29)報道1930「【日本型雇用は?】米国IT大リストラ Twitter社で大混乱」25日。 (30)週刊ワールドニュース(21日~26日)27日。 (31)NHKスペシャル「混迷の世紀 第4回 世界フードショック~揺らぐ“食”の秩序~」27日。
10月29日掲載の⑤は「共同富裕へ内から変える 競争よりも平等、人心に刷り込み」である。
【自衛隊に統合司令部、米軍と一体運用強化 台湾有事念頭 政府、24年設立目指す】
10月29日の日経新聞は次のように報じた。
「政府は陸海空の3自衛隊の部隊運用を一元的に担う常設の「統合司令部」と作戦を指揮する「統合司令官」を新設する。米軍との一体性を強化するため、意思疎通と戦略の擦り合わせを担う組織に位置づける。台湾有事を念頭に日米統合運用を進める。2024年の設立を目指す。
年末に改定する安全保障関連の3文書に設立方針を盛り込む。組織改編には自衛隊法の改正が必要になる。中国による台湾有事の可能性が早まるとの見方が出ていることから体制構築を急ぐ。
現行制度では3自衛隊を統合して動かす組織として「統合幕僚監部」がある。自衛隊制服組トップの「統合幕僚長」が首相や防衛相の軍事専門補佐、命令の執行、米軍との窓口を一人で担う。統合幕僚監部の運用部門が陸海空の各部隊に個別に指示を下ろしている。
11年の東日本大震災では統幕長が首相官邸への報告や米軍との調整に追われ、災害派遣などの部隊指揮に十分な時間が割けない問題が浮き彫りになった。
台湾有事の際には自衛隊の指揮に関する政治決断が増える可能性が高い。統幕長は首相や防衛相を支える業務に専念する必要があり、体制の再構築が課題になっていた。
新たな仕組みは統幕長の下に統合司令官を置き、部隊運用の権限を統合司令官に移す2ことを想定する。統合司令官は防衛相の直属になる。米軍のカウンターパートはアジアに展開する陸海空海兵隊を束ねる「インド太平洋軍司令官」を見込む。
米国は同盟国の日本や韓国と協力してアジアを守る「統合抑止」を重視する。日本は韓国のように米軍との「連合司令部」は持たないものの、厳しい東アジアの安全保障環境を踏まえ、米軍との協力を強化する必要性に迫られている。
15年に成立した安全保障関連法などで自衛隊と米軍を一体で動かすための体制整備が進んでいる。弾薬の提供や給油などの後方支援や平時から米軍の航空機や艦船を自衛隊が守る「武器等防護」ができるようになった。
台湾有事を見据えて日米の安保協力をより深めなければいけない。統合司令部が主体となって日米の戦略を巡る協議を進める。
統合司令部を設立する目的として、陸海空の従来領域にサイバーや電磁波などの攻撃を組み合わせた「ハイブリッド戦」への対応もある。ロシアのウクライナ侵攻で展開された。日本も中国や北朝鮮の脅威を踏まえればミサイル攻撃などの単一の事態だけでなく、あらゆる複合リスクに対応する必要がある。
現在はミサイル攻撃への対応などで統合任務部隊を編成しているものの、単一の戦闘局面への対処にすぎない。陸海空の自衛隊の区分けも根強く、多様な攻撃やサイバー攻撃を仕掛けられれば対処できない恐れがある。
常設の統合司令部を置けば、統合司令官が事態を網羅的に把握・分析し、部隊運用について首相や防衛相の判断を仰ぐことができる。迅速で的確な指揮が可能になる。
自民党は4月にまとめた安保の提言で「司令官の新設を含めた常設統合司令部の設置など『戦い方』の変化に応じた措置を講ずるべきだ」と指摘した。
統合幕僚監部が担当する部隊運用や計画策定の業務は統合司令部に引き継ぐ案がある。詳細な権限の区分けや指揮する基地、駐屯地はこれから詰める。
【ブラジル大統領選挙、ルラ元大統領が当選 左派に回帰】
31日の日経新聞【サンパウロ=清水孝輔】によると、ブラジルで30日に投開票された大統領選挙の決選投票で、左派のルラ元大統領(77)が当選した。選挙管理当局が発表した。ルラ氏は2023年1月1日に大統領に就任し、通算3期目を務める。任期は4年。低所得層への社会保障を重視する方針が国民の支持を集めた。
開票率100%で、ルラ氏の得票率は50.9%、現職の右派ボルソナロ大統領(67)は49.1%と大接戦だった。ルラ氏の後任だったルセフ元大統領が弾劾裁判で退いた16年8月以来の左派政権となる。
ルラ氏は30日朝、サンパウロ州サンベルナルドで自ら投票した後に「きょうはブラジル国民が望む国家のあり方と人々の生活を決める重要な日だ」と話した。
労働組合の指導者だったルラ氏は03年から2期8年大統領を務めた。任期中に社会保障を強化した実績から低所得層に支持されている。選挙戦では富裕層への課税強化、熱帯雨林アマゾン保護の重視を訴えてきた。外交面では新興国との連携を強化する意向を示している。
一方で19年に大統領に就任した元軍人のボルソナロ氏は、国営企業の民営化や減税といった経済政策には一定の評価がある。ただ、新型コロナウイルスを「ただの風邪」と表現したほか、女性や同性愛者に対する差別的な発言が批判を呼び、キリスト教福音派を含む保守層や富裕層以外には十分に支持を広げられなかった。再選を目指して立候補した現職が敗北するのは初めて。
米ジョンズ・ホプキンス大によると、ブラジルの新型コロナ感染者数は累計で約3480万人、死者数は累計で約69万人にのぼる。ルラ氏に投票した医師のカルラ・ドネガさん(33)は「ボルソナロ政権下ではコロナワクチンの普及に時間がかかり、多くの命が失われた。ルラ氏には貧困層でも病院に行けるようにしてほしい」と話す。
約1億5600万人の有権者が直接投票で選ぶブラジル大統領選には11人が立候補していた。2日の1回目の投開票では過半数を確保した候補者がなかったため、決選投票に進んでいた。1回目の得票率はルラ氏が約48%、ボルソナロ氏が約43%だった。決選投票で両者の差が縮まった格好。
ボルソナロ氏は苦戦が見込まれるという事前の世論調査を受け、選挙の投票システムに疑念を示してきた。30日夜時点で、ボルソナロ氏は敗北について反応していない。大きな混乱はおきていないが、一部のボルソナロ支持者による道路封鎖が報じられている。
【政投銀出資のファンド、半導体工場買収 金融主導で再生】
31日の日経新聞は次のように伝えた。
日本政策投資銀行や伊藤忠商事が出資する投資ファンドなどは米半導体大手、オンセミの新潟県の工場を買収する。最新設備を導入し、電気自動車(EV)向け半導体などの受託製造を12月に始める。国内には約80の半導体工場があるが、設備の 老朽化が進んでいる。金融主導で資金を振り向け、国内の半導体産業の再生を後押しする。
買収するのはオンセミの新潟工場(同県小千谷市)。投資ファンドのマーキュリアホールディングスがM&A(合併・買収)助言会社の産業創成アドバイザリー(東京・中央)、福岡銀行系の福岡キャピタルパートナーズ(福岡市)と組んで買い取る。
買収額と設備投資を合わせて200億円超を投じる。EVや家電の電力を制御するパワー半導体などの最新の生産設備を導入し、受託製造の拠点に転換する。約600人の従業員の雇用は続ける。
国内には2019年時点で84の半導体工場(前工程)がある。回路線幅の微細化などに巨額の投資が必要なスマートフォン向けなどの最先端半導体の工場は限られ、光や熱をデジタル信号に変換するアナログ半導体やパワー半導体の工場が中心だ。
日本が半導体の世界シェアで首位だった1980年代などに建設した工場が多く、規模が小さいうえ、設備の老朽化が進んでいる。一方で製造についてのノウハウが従業員らに蓄積されているため、多品種少量生産で工程ごとに擦り合わせが必要なパワー半導体などの生産には活用しやすい。
国内の半導体工場をファンドなどが買収するのは珍しい。マーキュリアなどは今後も国内の半導体工場を買収して受託製造の拠点にする方針だ。投資ファンドなど金融が主導して既存拠点を刷新し、国内の半導体産業の競争力を高める動きが広がる可能性がある。
新潟工場は半導体の生産に欠かせないクリーンルームを約2万平方メートル持つ中規模工場。旧三洋電機(現パナソニック)が85年に設け、11年にオンセミが買収した。受託製造はしておらず、自社で設計したパワー半導体などを生産している。
英調査会社のオムディアによると、世界のパワー半導体市場は27年に20年比2倍近い292億ドル(約4兆3000億円)まで拡大する見通し。海外の半導体メーカーは自社工場の新設を減らして設計や開発に特化する戦略を進めており、中長期的に受託生産の引き合いは伸びるとみられている。
【ロシアが再びミサイル攻撃 ウクライナは44発撃墜と発表】
11月1日のヤフーニュースの伝えるモスクワ、ロシア、11月1日 (AP)によると、ロシア国防省は10月31日、ウクライナの軍事施設とエネルギー関連施設に対する攻撃を実施したと発表した。
「ロシア軍は長距離精密兵器で、ウクライナの軍事施設及びエネルギー関連施設への攻撃を続行した」と国防省報道官は述べた。 これに対してウクライナ空軍は、ロシア軍が発射した50発を超える巡航ミサイルの44発を撃墜したことを明らかにした。
ウクライナはクリミア半島沖で、黒海艦隊に対してドローン攻撃を行ったとロシアは非難しており、エネルギー関連インフラに対するロケット攻撃は、そのドローン攻撃の2日後に行われた。
ウクライナは、ロシアが自国の武器を誤って扱ったとして、攻撃を否定している。
10月に入って、ロシアは2度にわたりウクライナのインフラを攻撃した。10月10日には、ロシア本土とクリミア半島をつなぐクリミア大橋が爆破された直後に、ウクライナ国内のインフラ攻撃が行われた。
【トヨタ純利益23%減、ソニーGは上方修正】
11月1日の日経新聞は2つの代表的企業の実績を次のように伝えた。
トヨタ自動車が1日発表した2022年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期に比べ23%減の1兆1710億円だった。同期間としては2年ぶりの減益。鉄やアルミといった原材料の高騰が重荷となり、為替相場の円安効果では補えなかった。前期比17%減の2兆3600億円としていた23年3月期の通期の純利益予想は据え置いた。
一方、ソニーグループは1日、2023年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比4%減の1兆1600億円になる見通しを発表した。従来予想(1兆1100億円)から500億円上方修正した。音楽や映画や半導体が好調で、円安効果も業績を押し上げた。通期見通しで純利益は5%減の8400億円、売上高は17%増の11兆6000億円とする。それぞれ従来予想から上方修正した。
【北朝鮮が弾道ミサイル、日本海落下 韓国離島で空襲警報】
2日の日経新聞【ソウル=甲原潤之介】によると、韓国軍合同参謀本部は2日、北朝鮮が同日午前8時51分ごろ、日本海に短距離弾道ミサイルを3発発射したと発表した。1発は鬱陵島の方向に飛んで公海上に落ちた。慶尚北道の鬱陵郡では午前8時55分に空襲警報が発令され、住民に退避施設への避難命令が出た。
韓国軍によると北朝鮮はこの3発を含む合計10発以上の多様な種類のミサイルを日本海と黄海に向けて撃った。弾道ミサイルの1発は南北境界である北方限界線(NLL)を越え、鬱陵島の北西167キロメートルの地点に着弾した。
韓国軍は落下地点について「南北分断後、初めてNLL南側の韓国領海近くに落ちた」と説明した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2日午前、緊急の国家安全保障会議(NSC)で「実質的な領土侵害行為だ」と非難した。
【広島銀行、横浜銀行陣営とシステム統合へ コスト減狙う】
同じ2日の日経新聞は次のように報じた。
横浜、七十七、北陸、北海道、東日本の地銀5行が共同運営する基幹システムに広島銀行が合流することが2日、わかった。広島銀はふくおかフィナンシャルグループ(FG)とのシステム共同運営を解消し、2030年度をメドに参加する見込み。クラウド技術を使って低コストで災害にも強いシステムを共同で作り上げる。コストや商品開発力に直結するシステム運営の巧拙が、地銀の収益力を左右する時代に入った。
横浜など5行と広島銀行が月内にも発表する。大手地銀がすでに参加しているシステム連合から抜け、別の枠組みにくら替えするのは異例だ。地銀の共同システムは現在15ものグループが乱立しており、今回の動きが再編の先駆けとなる可能性がある。
広島銀行が横浜など5行と組むのは、より大規模な連合に参加することでコスト削減の効果を大きくするためだ。横浜など5行は24年に基幹システムを汎用性の高いオープン系と呼ばれるシステムに切り替える計画で、心臓部である基幹システムをクラウドシステムに置き換えることも検討している。広島銀以外の地銀が新たに参加する可能性もある。
広島銀行の合流が30年度とやや時間がかかるのは、このクラウドシステムを共同開発するためとみられる。システムは商品開発やサイバーセキュリティーなどとも密接に関係する。横浜など5行はこれらの分野でも連携しており、広島銀行も業務提携の可能性を探るもようだ。
地銀にとって基幹システムの維持・管理費は重い負担だ。地銀大手では経費に占めるシステム経費の割合は1~2割程度、小 規模の地銀では2~3割程度とされる。フィンテックの台頭でサービス改善のスピードが速まり、戦略的なシステム投資も必要となっている。生き残りには大規模なシステム連合への参加が不可欠だ。
横浜など5行に広島銀行が加われば、地銀の共同システムとして預金量ベースで4位から2位へ浮上する。13行が参加する京都銀行を中核とする連合が1位。広島銀行の離脱で、ふくおかFGがどの陣営と組むかも焦点となる。
【北朝鮮ミサイル相次ぎ発射 岸田首相「ICBMの可能性」】
3日の日経新聞【ソウル=甲原潤之介】によると、北朝鮮は3日、少なくとも3発の弾道ミサイルを発射した。日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じ、宮城、山形、新潟の3県に警報を出した。日本上空を通過したとみられると説明したものの、その後に防衛省が「通過していないと判明した」と公表した。
政府はJアラートでミサイルが日本上空を通過して太平洋に向かったと発表していたものの、これを修正した。浜田靖一防衛相が「日本列島をこえずに日本海上空で消失したのを確認した」と発言した。
Jアラートは「午前7時48分ごろに太平洋へ通過したものとみられる」と配信した。宮城、山形、新潟3県について「建物の中、または地下に避難して下さい」と周知していた。
松野博一官房長官は3日の記者会見でJアラートについて「危険性を速やかに知らせるべく発令するものだ」と強調した。「発令された時点では日本列島上空を通過する軌道の可能性があった」と言及した。
政府は3日、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重に抗議し、非難した。ミサイル発射を受けて首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開いた。首相や官房長官、防衛相らが参加し、対応を協議した。
首相はこれに先立ち関係省庁に被害の有無の確認、北朝鮮の動向の分析、米国や韓国などとの連携などの指示を出した。記者団に「連日の弾道ミサイル発射は暴挙であり、決して許されるものではない」と語った。
韓国の聯合ニュースによると韓国軍は中距離弾道ミサイル以上の射程のミサイルと推定している。ICBMの可能性も分析しているという。
北朝鮮は2日にも、短距離弾道ミサイルや地対空ミサイル(SAM)など20発以上を発射した。弾道ミサイルの1発は韓国側が主張する南北境界の北方限界線(NLL)の南側に着弾した。
【オリックスが優勝パレード 「待ち望んだ日」大阪・御堂筋に光と歓声】
3日の毎日新聞によると、プロ野球・日本シリーズで26年ぶりの日本一に輝いたオリックス・バファローズが3日、大阪のメインストリート・御堂筋で優勝パレードを行った。沿道には多くの人が駆け付け、ともに日本一を祝った。御堂筋での優勝パレードは、2005年の阪神タイガースのリーグ優勝以来17年ぶり。
午後5時半すぎ、中嶋聡監督や選手らが乗ったオープンカーやバスが出発してパレードが始まると、集まったファンらが手を振った。中嶋監督は「みなさんの声援のおかげで日本一になれました。盛大なパレードを本当にうれしく思います」と喜びを語った。宮内義彦オーナーに花束を手渡した吉村洋文大阪府知事も「みんなで優勝をお祝いしましょう」と盛り上げた。
午前4時に来場したという筋金入りのファンも。大阪市の会社員、二宮春那さん(19)は「10年以上この日を待ち望んできたので、とてもうれしい。これからもオリックスを応援し続けます」と話した。
パレードに先立ち、府内各地を彩る「大阪・光の饗宴(きょうえん)」の開宴式があり、選手らも参加した。カウントダウンに合わせて、冬の風物詩となっている「御堂筋イルミネーション」の点灯スイッチが押されると、イチョウ並木がライトアップされた。
【横浜F・マリノス、5度目のJ1制覇 攻撃サッカーでリーグ最多得点】
5日の朝日新聞デジタルは次のように報じた。
サッカーの明治安田生命J1は最終節の5日、横浜F・マリノスが3年ぶり5度目の優勝を果たした。横浜マはアウェーのノエビアスタジアム神戸でヴィッセル神戸に3―1で勝利。20勝8分け6敗で勝ち点を68に伸ばした。3連覇を狙った2位川崎フロンターレはアウェーでFC東京に3―2で勝って勝ち点を66にしたものの、及ばなかった。
横浜マの5度のJ1優勝は、8度の鹿島アントラーズに次いで単独2位。近年攻撃サッカーを志向してきた横浜マは今季もリーグトップの70得点を奪い、失点もリーグ最少タイの35に抑えた。横浜マは5月下旬からの6連勝で首位に立ち、その後も好調を維持。終盤は残留争いをするクラブを相手に今季初の連敗を喫して川崎に迫られたが、持ち直して頂点に立った。
【【詳報】駒大、史上初の3度目3連覇 2位は国学院 全日本大学駅伝】
6日の朝日新聞デジタルは次のように報じた。
第54回全日本大学駅伝対校選手権大会(熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前、8区間、106・8キロ)は6日に行われ、駒大が大会新記録となる5時間6分47秒で、史上初となる3度目の3連覇を達成した。通算の優勝回数も最多を更新する15に伸ばした。10月の出雲駅伝に続く今季2冠。
【COP27が開幕、議長「気候変動は優先課題」】
6日の日経新聞【シャルムエルシェイク(エジプト北東部)=竹内康雄、久門武史】によると、地球温暖化対策を話し合う第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が6日、開幕した。ロシアのウクライナ侵攻を背景にしたエネルギー危機に直面するなか、先進国による途上国支援や2030年までの温暖化ガス排出削減に向けた道筋で合意できるかが焦点となる。
COP27の議長に就いたエジプトのシュクリ外相は6日に「気候変動は人類にとって現実の脅威だ」と述べた。COP27で温暖化防止に向けた具体的な成果を出すよう各国に訴えた。記者会見で「気候変動は世界の優先課題だ」と表明。世界では既に温暖化の悪影響がみられるとして「排出ゼロに向けて前進する必要がある」と強調した。
ウクライナ政府代表団は6日の全体会議で発言し、ロシアが「全面的な戦争を仕掛けている」と非難した。排出量などの算定が難しくなっていると明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻が気候変動対策での国際協力を「おとしめている」とロシアを批判した。
7~8日は首脳級会合を開き、マクロン仏大統領やスナク英首相ら約100カ国・地域の出席を見込む。米国のバイデン大統領は11日に現地に入り、COP27に参加する。14日からは各国の閣僚が集まり、合意に向けた詰めの交渉に入る。
世界気象機関(WMO)は6日に公表した報告書で、22年までの過去8年間が史上最も暖かくなったようだとの分析を示した。温暖化ガスの大気中の蓄積が進んでいるためだ。22年の平均気温は産業革命前を1.15度上回るといい、温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」で掲げた1.5度に抑える目標に近づいていると警告した。
国連のグテレス事務総長は6日のビデオメッセージで「地球が発する救難信号に行動で応えなければならない」と述べ、各国に温暖化対策を強化するよう促した。そのうえで「COP27はそのための場所でなければならない」と力説した。
現状の取り組みでは約2.5度の上昇が見込まれており対策強化に向けた作業計画を議論する。
異常気象で被害を受けやすい途上国は、先進国に資金支援の拡充を求めている。大規模な資金拠出に慎重な先進国との厳しい交渉が予想される。
【南西防衛へ移動式「港」 島に桟橋接続、部隊を展開】
7日の日経新聞は次のように報じた。
防衛省は大規模な港湾がない島しょ部に迅速に部隊を展開するため移動式の「臨時港」を開発する方針だ。緊急に桟橋を海上に浮かべて島とつなげる。海上自衛隊の輸送艦などが接岸できるようにする。台湾有事などに伴う南西諸島の防衛への対応を念頭に数年以内の配備を目指す。
2023年度予算の概算要求で必要額を示さない事項要求として盛り込んだ。同省は「機動展開能力」を高める施策と位置づける。
23年度に研究開発に着手し、早期に部隊で試験的に活用する。水上に浮く素材でつくり艦艇から人員や物資、装甲車などを陸に揚げられるようにする。運搬や組み立てが容易で波や塩害に耐えられる技術を研究する。
海自の輸送艦は長さが178メートル、海面から船底までの深さを指す「喫水」は6メートルとなる。台湾に最も近い沖縄県・先島諸島でこの大きさの艦艇が入れるのは石垣島の石垣港と宮古島の平良港しかない。
桟橋の機能を沖合までのばして船をつけられるようにすれば、小さな港湾しかない島しょ部で大型の艦艇が使える。既存の大型港湾が破壊された場合にも使用できる。
【北朝鮮、ミサイル発射は「米韓演習を受けた軍事作戦」】
7日の日経新聞【ソウル=甲原潤之介】によると、北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、北朝鮮による2日以降のミサイル発射が米韓空軍の訓練に対応した軍事作戦だったと伝えた。2~3日と5日に弾道ミサイルを撃ち、4日には多数の戦闘機を出動させたと報じた。米韓の軍事演習に「圧倒的で実践的な軍事措置で対応していく」と強調した。
報道によると2日はまず黄海上の無人島を目標に、空軍基地への打撃を模擬して弾道ミサイル4発を撃った。その後、異なる高度と距離の空中目標を撃ち落とす訓練として23発の地対空ミサイルを発射したと表明した。
韓国軍は2日、南北境界の北方限界線(NLL)南側に弾道ミサイルが落下したと発表し、韓国の鬱陵島に空襲警報が出た。北朝鮮側はこのことには触れず、韓国側が対抗措置として空対地ミサイルを海上に撃ったのを受け「2発の戦略巡航ミサイルで報復打撃を加えた」と明かした。
3日には「超大型放射砲と戦術弾道ミサイル5発、長距離放射砲46発を日本海に発射した」と記した。韓国軍はこの日の1発が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射で失敗したと分析したが、北朝鮮側はICBMを撃ったかは明らかにせず「重要な弾道ミサイル試験発射を進行した」との説明にとどめた。
4日には500機の戦闘機を動員した空軍の大規模な出動作戦を実施し、5日は黄海の無人島に戦術弾道ミサイルなど4発を発射したと記載した。「すべての軍事作戦は目的を成功裏に達成し、わが軍隊の高度な作戦遂行能力が満足に評価された」と主張した。
米韓両軍は10月31日~11月5日に240機あまりの軍用機を投入した軍事訓練「ビジラント・ストーム」を実施した。北朝鮮は訓練期間中、再三にわたり訓練を非難する声明を出していた。この間のミサイル発射の目的などについてはこれまで明らかにしていなかった。
【442年ぶり、信長時代の皆既月食へ】
8日は全国的に快晴で442年ぶりの珍しい自然現象が起きるとテレビが伝える。午後6時過ぎから満月が下から欠けはじめ、7時を過ぎると上部が丸い三日月風の月が小さくなり、7時16分、それも完全に消え、赤黒い「赤銅色」のマル状のものに変わった。皆既月食である。442年ぶりの現象、織田信長(1534~1582年)の頃から絶えてなかった稀有な現象だという。東南の空の不思議を見ようと、歩道に人が並ぶ。
皆既食は86分間続いて20時42分に終わり、その後は徐々に月は地球の影から抜けて、左側が円形の月に戻り始める。それを確認して翌朝が早いため床に就いた。のち21時49分に部分食が終わり、満月に戻ったという。
月が天王星を隠す「天王星食」も起きた、と言うが、私は実見していない。天王星は約6等級で、薄い青色に見え、非常に条件の良い空でも肉眼で見える限界の明るさがある。普段の満月のすぐ近くであれば圧倒的な明るさに負けてしまうが、多くの地域では天王星の潜入時に月が皆既食中で暗いため、見つけやすくなる。
【アメリカの中間選挙開票始まる 上院接戦、下院は共和優勢】
9日の日経新聞【ワシントン=坂口幸裕】によれば、アメリカ中間選挙は8日夜(日本時間9日午前)、開票が各州で順次始まった。連邦議会下院は野党・共和党が4年ぶりに多数派を奪還する公算が大きく、上院は激戦になっている。与党・民主党が議会で多数派を失えば、任期が残り2年あるバイデン大統領は厳しい政権運営を迫られる。
中間選挙は4年に1度ある大統領選の2年後に実施される。任期2年の下院435議席すべてと、任期6年の上院100議席のうちおよそ3分の1にあたる35議席が改選対象だ。現在は上下両院で民主が多数派を握る。全米50州のうち36州で知事選も実施した。
AP通信の出口調査によると、東部時間8日午後10時半(日本時間9日午後12時半)時点で、下院の当選確実は民主55、共和95になっている。現時点で過半数の218には届いていないものの、共和が優位に進めているもようだ。下院は現在、民主が220議席、共和が212議席を持つ。
上院の当選確実は民主が6、共和が12で、非改選議席を含めると民主が42議席、共和が41議席を確保した。米政治サイト、リアル・クリア・ポリティクス(RCP)の分析では、与野党が激しく競る東部ペンシルベニアや南部ジョージア、西部のアリゾナ、ネバダなど8州の勝敗が多数派の行方を左右する見通し。
現在の上院の構成は与野党が50対50で、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を投じることができるためかろうじて多数派を維持している状況にある。
選挙結果は2021年1月に就任したバイデン氏への事実上の審判の位置づけになる。24年の次期大統領選への再出馬に意欲を示すバイデン氏が率いる民主が上下両院で多数派を失えば、党内で遠心力が働く可能性がある。バイデン氏は8日、自身のツイッターで「あなたの声を届けよう。投票しよう」と呼びかけた。
経済に対する有権者の関心が高く、40年ぶりの歴史的な高インフレのさなかの選挙戦はバイデン氏が率いる民主に逆風となった。7日時点の政党支持率は民主が45.5%、共和が48.0%。9月下旬に共和が民主を逆転して以降は差が次第に広がった。
AP通信が6~8日に実施した出口調査によると、投票した有権者に米国が直面する最も重要な問題を聞いたところ、経済・雇用が47%と最多。次いで人工妊娠中絶、移民、気候変動がそれぞれ9%だった。
民主が議会の多数派を失えば政権運営は「より難しくなる」(バイデン氏)。予算や政策にかかわる法案成立に共和の協力が欠かせなくなり、大統領選をにらむ与野党の対立が一段と激しくなると想定されるため政策が滞るリスクが高まる。
共和からはロシアが侵攻するウクライナへの支援縮小論が出た。物価高などで生活が厳しくなった米有権者から多額の予算が同国に向かう現状への不満がくすぶるためだ。中間選挙に多数の推薦候補を送ったトランプ前大統領が掲げる「米国第一」とも共振し、バイデン政権が議会から対ロシア政策の再考を迫られるおそれがある。
郵便投票を含む期日前投票の利用者が過去最高を更新する見通しだ。米調査会社ターゲットスマートの調べでは、集計した8日午後時点で4300万人を超え、前回18年選挙の同時期より8%増えた。郵便投票などの集計に時間がかかり、大勢判明までに時間を要する事態も想定される。
【台湾統一に備える習近平経済、危険な「戦時統制」5年間】
9日の日経新聞はつぎのように伝えた。
改革・開放以来40年の中国経済史を塗り替えかねない大事件――。共産党大会閉幕式での危うい「胡錦濤(フー・ジンタオ)劇場」の余韻冷めやらぬなか、中国経済界に衝撃が走った。
問題となったのは、国有通信大手3社が、成長のけん引役だった民間IT(情報技術)、ネット通販ビッグスリーとそれぞれ戦略提携に踏み出す大ニュースの本質である。
典型例は、中国版LINE「ウィーチャット」を運営し、最近はゲーム事業でも世界に名をはせる騰訊控股(テンセント)だ。同社は、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)と「混合所有制」の官民合弁新会社を立ち上げた。新会社の主導権は国側にある。
「毛沢東が1950年代に進めた『公私合営』という名の国家による私営企業の接収方式と基本的に同じだ」。中国経済史に詳しい老知識人は喝破する。「官民合弁新会社」の裏には、「御上」の圧力が見え隠れする。民間側に断る権利などない。共産党が経営方針への介入権限を持つ党委員会を置いているからである。
21世紀の今、勢いある民間企業の力を「官」側に吸い上げる仕組みからは、3期目に入った共産党総書記、習近平(69歳)の今後5年を見据えた経済戦略が手に取るようにわかる。それだけではない。これは、党大会で「武力行使を放棄する約束は決してしない」と習が初めて言い切った台湾統一戦略にも深く絡んでいる。
驚くのはニュースが明らかになった11月2日という日付である。ちょうど2年前、アリババ創業者、馬雲(ジャック・マー、58歳)が突然、当局から事情聴取を受けた日なのだ。偶然とは思えない。
20年11月2日夜、国営通信の新華社は日本画家、東山魁夷の名画と共にコラムをアップした。「馬雲、おまえは雲にすぎない」。トップの意向次第で雲散霧消する彼の運命を暗示した日でもある。
「不用意にしゃべってはいけない。気ままにことを運んではいけない。人は思うようにはいかない」。見出しは、馬雲が当局の政策を「古くさい」と一刀両断した発言をとがめていた。
馬雲その人を意味する馬形の雲を描いた名画と合わせれば、恐ろしい事態が想像できた。案の定、すぐにアリババ傘下の金融会社アント・グループが上場延期に追い込まれる。
【ロシア国防相、ヘルソン州西岸からの撤退を命令】
10日の日経新聞は次のように報じた。
ロシアのショイグ国防相は9日、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ南部ヘルソン州のドニエプル川西岸からの軍の撤退を命じた。西岸地域にはロシアが2月の侵攻開始以来、唯一占領した州都であるヘルソンがあるが、攻勢を強めていたウクライナ軍に奪還される。ロシアは軍事的にも政治的にも大きな打撃を受ける。
タス通信によると、ショイグ氏は9日、軍事侵攻を指揮するスロビキン司令官に対し「軍撤退に着手し、兵員や武器などを安全に川の向こう(東岸)に移動させるようすべての措置を講じるよう」命じた。
これに対して、スロビキン司令官はショイグ氏に、できるだけ早く撤退を完了すると答えたうえで、ドニエプル川東岸で守備体制を固めると述べた。
欧米の支援を受けるウクライナ軍は10月下旬、ヘルソン州で多数の集落を奪還したと発表するなど、軍事攻勢を強めていた。9月中旬には東部ハリコフ州で占領されていた地域の奪還に成功しており、ドニエプル川西岸も奪還すれば、大きな戦果となる。
【フトバンクG最終黒字3兆円 7~9月、アリババ株放出で】
11日の日経新聞は次のように報じた。
ソフトバンクグループ(SBG)が11日発表した2022年7~9月期連結決算(国際会計基準)は、最終損益が3兆336億円の黒字(前年同期は3979億円の赤字)だった。最終黒字は3四半期ぶり。保有する中国・アリババ集団の株式放出による一連の取引で差し引き約4兆3000億円の利益を計上したことが寄与した。ただ、アリババ株の取引を除いたベースでは赤字となる。人工知能(AI)関連の新興企業に投資するSBG傘下のビジョン・ファンドは依然苦戦しており、厳しい経営環境が続いている。
主力のビジョン・ファンド事業は7~9月期の税引き前損益が約1兆円の赤字だった。同事業が赤字を計上するのは3四半期連続で、9カ月間に計上した赤字額は合計で約5兆5000億円となった。世界的な金利高の影響で投資先企業の株価が軒並み下落した。評価が減った分を損失として業績に反映した。
このほか、7~9月期には円安が進行したことで外貨建て負債の円換算額が膨らみ、約2000億円の為替差損を計上した。
11日に東京都内で開いた決算説明会で孫正義会長兼社長は「上場株も未上場株もほぼ全滅に近い。ビジョン・ファンドも大変苦しんでいる」と語った。傘下の英半導体設計大手アームの将来の成長に専念するため、決算発表に登場するのは今回が最後とした。今後は後藤芳光・最高財務責任者(CFO)が中心となり決算のプレゼンテーションなどを担当するという。
【円高進み一時138円台に 1日で7円上昇】
11日夕方の日経ニュースメールは次のように報じた。
11日の外国為替市場で円が対ドルで上昇し、一時1ドル=140円を超え138円台まで円高が進んだ。138円台は8月31日以来およそ2カ月ぶり。10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)がインフレを抑え込むための利上げペースを鈍化させるとの見方が広がっている。
円は10日夕には146円30銭台で推移しており、わずか1日で7円以上も円高が進んだ。10月21日に付けた151円94銭の直近安値からは20日程度で13円ほど円高に振れている。ドルはユーロや英ポンドに対しても8月以来の安値圏に下落しており、ドルが全面安の展開となっている。
10日は消費者物価指数(CPI)発表を受けて米国の利上げペースが鈍り、これまで円安の原動力になってきた日米金利差の拡大が転換するとの観測が強まった。JPモルガン証券の中村颯介氏は「米金利の先高観を理由に投資家が積み上げていたドル買い・円売りのポジションが一気に巻き戻された」と分析する。
【日本の半導体「空白の10年」挽回へ 新会社ラピダス発足】
11日晩の日経ニュースメールは、次のように報じた。
次世代半導体の国産化を目指す新会社が11日、本格始動した。トヨタ自動車やNTTなど8社が出資し、2027年の量産を目指す。経済安全保障上、最重要の半導体は生産を台湾に依存しており地政学リスクもでている。国産化は不可欠だが、日本は2010年代に最先端製品の開発などに資金を投じられず、国際競争に敗れた。新会社は空白の10年を取り戻す「最後のチャンス」(小池淳義社長)となる。
新会社「Rapidus(ラピダス)」は10年間で5兆円を設備投資などに充てる計画だ。8社が計73億円を出資し、政府も700億円の補助金を出す。社長の小池氏は直近まで米ウエスタンデジタル日本法人の社長を務めていた。会長には東京エレクトロン前社長の東哲郎氏が就いた。
国産化するのは自動車の自動運転や人工知能(AI)の「頭脳」を担う次世代のロジック半導体だ。半導体は回路線幅が小さいほど高性能になる。ラピダスは27年に2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製品の国産化を目指す。台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子は3ナノの製品の量産技術を確立しており、2ナノ品も25年に量産する計画だ。小池社長は2ナノ品についての製造技術などを確立し「5年後に最先端ファウンドリー(製造受託事業)を日本で実現する」との計画を示した。
日本の半導体産業は1970年代に国主導で日立製作所やNECなどの総合電機メーカーが高い競争力を備え、80年代後半には日本勢が世界シェアの5割を握って世界市場を席巻した。
だが、日米貿易摩擦に伴う輸出制限などで稼ぐ力が落ち、韓国、台湾勢が急速に力をつける一方で、先端製品の開発や量産に欠かせない投資余力を失った。10年代に過熱した回路線幅の微細化を巡る投資競争に追従できず、10年近い技術的な空白が生まれた。韓台勢は不況期も巨額投資を続け、日本メーカーなどの競合を引き離し、高収益なビジネスモデルを築いた。
日本が半導体産業の再興に動くのは米中対立の激化が背景にある。現在は世界に供給される10ナノ未満の先端品の9割は台湾でつくられる。台湾海峡危機などの地政学リスクが高まっており、いったん有事となれば、これまで通り日本が半導体を確保できなくなる可能性が高い。
日米は半導体を経済安全保障の要に位置づける。政府・自民党は国が前面に立ち国産化を後押しする方向にカジを切った。自民党は21年5月に半導体戦略を検討する議員連盟を発足。経済産業省も歩調を合わせ同年6月に「半導体戦略」をまとめた。
TSMCの工場の国内への誘致など成果を得ながら進めてきたのが米国をパートナーとする先端品の開発構想だ。22年5月には半導体のサプライチェーン強化などを目的とする半導体協力基本原則を結んだ。今回のラピダスの設立で一連の半導体政策が大きく前進した格好だ。経産省幹部は「むしろここからが勝負だ」と気を引き締める。
基礎研究を手掛けるのは国が主導で立ち上げた共同研究開発拠点だ。ラピダスの会長である東氏が理事長を務め、ラピダス以外に国内外の企業や研究機関も参加する。
参加が見込まれる米IBMは先端微細回路の基礎研究で成果をあげている。日本も半導体の回路形成などに使う素材や製造装置で高いシェアをもつ。米国企業にとっても、自前の技術を量産に生かすための有力な手段になる。
焦点となるのは、量産体制にむけたヒト、モノ、カネの確保だ。半導体製造に知見のあるエンジニアが欠かせず、将来の製造に向けては装置や工場を確保しなければならない。先行投資の局面を支える資金力も求められ、世界の大手と競うハードルは高い。
半導体を巡っては過去に国の資金が投じられた企業や振興策の失敗も多い。00年~10年代に立ち上がった先端開発プロジェクトの多くは成果を得られず終わった。06年には東芝や日立、ルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)によるファウンドリー設立構想が浮上し、国も後押しした。ただ、各社の足並みがそろわず半年で頓挫した。
日立とNEC、三菱電機の半導体事業が母体となった旧エルピーダメモリは投資競争で財務が悪化し、国の資金がつぎ込まれたものの会社更生法の申請に12年に追い込まれた。
ラピダスは官民の知恵を集結する一方で、出資する8社や国など利害関係者が多い。トップが強いリーダシップを持つTSMCやサムスンのように素早い経営判断ができなければ、過去の失敗の繰り返しへと陥りかねない。
【米中間選挙の上院選、アリゾナ州で民主党勝利】
12日午前、日経新聞【ワシントン=坂口幸裕】によると、米主要メディアは11日、激戦となっていた西部アリゾナ州の連邦議会上院選で与党・民主党のマーク・ケリー氏の当選が確実になったと伝えた。上院(定数100)で非改選を含む民主が49議席となり、野党・共和党に並んだ。上院選は南部ジョージア州で12月6日に決選投票が実施されるほか、西部ネバダ州で接戦が続く。
米中間選挙は11日も開票作業が続いた。事前予想で優位とみられていた共和を民主が追い上げ、大勢判明になお時間がかかっている。民主が上院選で残るネバダ、ジョージアのいずれかで勝利すれば50議席以上の確保が決まり、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を持つため多数派を維持することになる。
連邦議会下院選は全議席の9割超で情勢が判明した。AP通信の出口調査によると、東部時間11日午後10時半(日本時間12日午後0時半)時点で、下院の当選確実は民主201、共和211。4日目の開票作業でも、20を超える議席で勝敗が決まらず、いずれも過半数の218に届いていない。
中間選挙は4年に1度ある大統領選の2年後に実施される。任期2年の下院435議席すべてと、任期6年の上院100議席のうちおよそ3分の1にあたる35議席が改選対象だ。現在は上下両院で民主が多数派を握る。
【米中間選挙、民主が上院多数派を維持 ネバダ州制す】
13日午前の日経新聞速報メールが伝える【ワシントン=坂口幸裕】によると、米中間選挙は東部時間12日までの開票の結果、連邦議会上院で与党・民主党が多数派を維持する見通しになった。複数の米主要メディアが報じた。激戦となった西部ネバダ州を民主が制した。下院は野党・共和党がリードしているものの過半数に届いておらず、開票が続いている。…
米メディアによると、上院の当選確実は民主が14、共和が20で、非改選議席を含めると民主が50議席、共和49議席になった。12月6日に決選投票を実施する南部ジョージア州で共和が勝利しても現在の上院の構成と同じ50対50となり、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を持つため民主が多数派を維持することが固まった。
接戦だった東部ペンシルベニア州で民主が議席を奪い、同ニューハンプシャー州も民主が死守した。西部アリゾナ州やネバダを含め、民主がいずれもトランプ前大統領が推薦した共和候補を破った。支持候補が激戦州で相次ぎ敗北したことで、2024年大統領選をにらむトランプ氏にとって打撃になる。
AP通信によると、東部時間12日午後9時30分(日本時間13日午前11時30分)すぎの時点で、下院の当選確実は民主203、共和211になっている。いずれも過半数の218に届いていない。下院は現在、民主が220議席、共和が212議席を持つ。
米紙ワシントン・ポストによると、事前に接戦が予想されたペンシルベニアやアリゾナなど激戦州の投票率は前回18年より上昇した。40年ぶりの高インフレのさなかでバイデン大統領の支持率は40%台前半に低迷していたが、人工妊娠中絶の権利擁護や民主主義の危機を訴えて支持層に投票を呼びかける民主の戦略が一定の成果を挙げた。
今回の中間選挙は郵便投票を含む期日前投票が前回18年の中間選挙より2割ほど増えたため、これまでに比べて大勢判明までに時間がかかっている。事前の世論調査で共和が優勢だとの予測が目立ったが、接戦区が多かったことも想定より遅れる理由になった。
【米中間選挙、政敵たたきに賭けたバイデン氏 再選に望み】
14日午前の日経ニュースメールは次のように報じた。
バイデン米大統領の命運を左右する中間選挙は与党・民主党が事前の予想を上回る善戦を演じた。大敗を免れたバイデン氏は2024年大統領選の再選に望みをつなぎ、復権に影が差す共和党のトランプ前大統領と明暗を分けた。
「米国、そして民主主義にとって良い日だった」。投開票から一夜明けた9日、バイデン氏は記者会見で笑顔をみせながらこう語った。事実上の勝利宣言のような光景だった。
バイデン氏が高揚するのもムリはない。連邦議会の下院は野党の共和党が多数派の奪還に向けてリードするが、民主党の議席減は限定的にとどまる公算が大きい。上院は多数派を維持し、12月の南部ジョージア州の決選投票しだいでは議席を増やす可能性すらある。
世論調査にあった共和党が大勝する「赤い波」はおきなかった。赤は共和党のシンボルカラーで、民主党の青と対比される。
米ライス大の歴史家、ダグラス・ブリンクリー氏は中間選挙について「下院だけでなく、上院まで失えば『バイデンおろし』がおきかねない。上院で多数派を維持できれば、再選への足場を固めることができる」とみていた。
4年に1度の大統領選の合間の年にある中間選挙は現職の大統領の実績を問う信任投票になりやすい。政権への批判票が集まり、与党にとって厳しい結果になるのが通例だ。1934年以降の平均でみると、下院(任期2年、全435議席が改選)はおおむね28議席、上院(任期6年、全100議席の3分の1が改選)では4議席ほどを失っている。
下院は就任後に初の中間選挙に臨んだ民主党のクリントン、オバマ両大統領の52議席減、63議席減と比べると打撃は小さい。
善戦となった一因にはバイデン氏の方針転換がある。「この選挙は根本的に異なる2つの米国のビジョンを巡る選択だ」。選挙戦で同氏はこう訴え、自らの信任投票ではなく民主党と共和党のどちらが望ましいかを有権者に問う選挙に位置づけようとした。
この一環で、大統領に就任後は封印に努めてきたトランプ氏への名指しの批判を繰り広げた。「トランプ氏やその支持者の考え方は半ばファシズムのようだ」。こんな表現でトランプ氏らを断じたこともある。20年大統領選の結果を否定し、民主主義に危機をもたらしかねない存在とみなした。
【日韓首脳3年ぶり会談 元徴用工問題、早期解決で一致】
13日午後の日聞ニュースメール【プノンペン=重田俊介、恩地洋介】によると、岸田首相は13日、訪問先のカンボジアの首都プノンペンで韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と首脳会談に臨んだ。日韓首脳の正式な対面での会談は2019年12月以来およそ3年ぶり。懸案の元徴用工問題について早期に解決する方針で一致した。
およそ45分間会談した。ミサイル発射を続ける北朝鮮について協議し非難した。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携すると確認した。首脳間での意思疎通を継続していくことも確かめた。
日韓関係は「国交正常化以降、最悪」といわれるほど悪化していた。韓国側が慰安婦問題に関する日韓合意を事実上破棄したほか、韓国大法院(最高裁)が18年に元徴用工への賠償を日本企業に命じる判決を出したためだ。
元徴用工問題を巡って首相は、韓国側が一定の解決策を示すことが会談の前提との立場をとってきた。両首脳が9月にニューヨークで30分ほど協議した際も非公式の「懇談」との位置づけにとどめている。
尹氏は元徴用工問題の調整状況を説明したとみられる。尹政権は外交ルートを通じ、韓国の企業などが出資する財団が日本企業の賠償金を肩代わりする案を提示した。
首相は「外交当局間での協議が加速していることを踏まえ懸案の早期解決を図ることで改めて一致した」と述べた。会談後にプノンペンで記者団の質問に答え。
韓国側によると両首脳は新型コロナウイルスの影響で滞っていた両国間の民間交流を拡大する考えで一致した。日韓は互いに査証(ビザ)なしの渡航が可能になった。
首相は会談の冒頭でソウルの梨泰院(イテウォン)で多くの犠牲者が出た雑踏事故に哀悼の意を示した。尹氏は日本人2人が亡くなったことへの弔意を表明した。
今回正式な会談に踏み切ったのは、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射をはじめ安全保障上の事情が大きい。北朝鮮は7度目となる核実験の準備も進めており、日米韓3カ国を基盤に抑止力の強化を急ぐ。
韓国海軍が18年に自衛隊機に火器管制レーダーを照射する事件が起き、自衛隊と韓国軍の関係も冷え込んだ。外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)などの枠組みもない。
【米民主、無党派支持で人事権確保 上院多数派を維持】
13日昼の日経ニュースメール【ワシントン=坂口幸裕】によると、米中間選挙で与党・民主党が連邦議会上院の多数派を維持し、政府高官や裁判官の人事を承認する権限を確保した。多数派の行方を決した激戦州でトランプ前大統領が推薦した野党・共和党候補が相次ぎ敗れ、2024年の次期大統領選をにらむ同氏に遠心力が働く可能性がある。
AP通信の出口調査と米フロリダ大の「米選挙プロジェクト」のデータによると、今回の中間選挙全体の投票率は18年に及ばないものの、上院選での接戦が事前に予想された州では前回を上回るケースが目立った。東部ニューハンプシャーは3ポイント、同ペンシルベニアは4ポイント、西部アリゾナは3ポイントそれぞれ18年より上昇した。
3州とも投票先を民主候補と回答した割合が共和候補を上回った。いずれの州も過激な主張を展開するトランプ氏の推薦候補が共和から出馬した州だった。バイデン大統領は選挙戦で人工妊娠中絶の権利擁護や民主主義の危機を訴え、若い世代や女性に投票を呼びかけ続けた戦略が奏功した面がありそうだ。
上院選では3州に加え、激戦になった西部ネバダ州でもトランプ氏の支持候補が敗れた。有権者の間で好き嫌いが割れるトランプ氏が息のかかった候補の応援に出向いて前面に出たことで無党派層が離反したとの批判がくすぶる。共和内からは「候補の足を引っ張った」(ポール・ライアン元下院議長)との責任論が浮上する。
今回の中間選挙で接戦となった州が過去の大統領選の勝敗も左右してきただけに、激戦州で推薦候補が敗れたトランプ氏にとって打撃になったのは間違いない。トランプ氏が軸だった24年の大統領選の党候補者指名争いで、南部フロリダ州のロン・デサンティス知事ら他候補への期待が広がる事態も想定される。
再選出馬を見すえるバイデン氏にとっては上院の多数派維持という最低限の結果を残し、民主内に根強くある「不出馬論」を封じる材料を得た。
米議会は上下両院の2院制で成る。法案や予算案は両院で可決する必要がある。一方、上院は条約の批准のほか、大統領 が指名した閣僚や大使を含む政府高官、裁判所判事らの人事を認めるかどうかなど下院にない権限を持つ。
民主支持層に関心が高いのは最高裁判事の人事だ。判事9人で構成し、現在の構成は保守派6人、リベラル派3人と保守派に傾く。欠員が出ればバイデン氏が指名する候補を与党だけで承認できる体制を保持した。
最高裁と下級裁判所を含む連邦裁の判事は時の政権が重視する政策に「NO」を突きつけられる。6月に中絶を憲法が保障する権利と認めた1973年の判決を覆す判断を下したのが典型で、リベラル派を中心に反発が広がった。下級の控訴裁が事実上の最終審となるケースも多く、人事権を維持できるかは民主が進める政策にもかかわる。
とはいえ、支持率が40%ほどに低迷し、現在79歳という米国史上最高齢の大統領の年齢に対する不安が消えたわけではない。米アメリカン大のデビッド・バーカー教授は「バイデン氏再選のチャンスはトランプ氏の出馬だ」と指摘し、共和内でトランプ氏が出馬できなければバイデン氏の動向にも連動するとの見方を示す。
焦点は下院で民主が過半数を維持するか、共和が4年ぶりに奪還するかに移った。上下両院の多数派が異なる「ねじれ議会」になればバイデン政権は厳しい政権運営を迫られる。
【バイデン氏、習氏に「脅迫停止要求」 14日夕に首脳会談】
14日朝の日経新聞ニュースメール【ワシントン=中村亮、バリ島=大越匡洋】によると、米国のバイデン大統領は14日夕、中国の習近平国家主席と対面で会談する。バイデン氏は会談で航行の自由を尊重し、他国と領有権を争う海域で公船を航行させるなどの脅迫行為を停止するよう求める方針だ。軍事衝突を望まない立場も重ねて伝える。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日、明らかにした。会談は15~16日に20カ国・地域(G20)首脳会議の舞台となるインドネシア・バリ島で開く。米中首脳の対面会談は2019年6月に大阪で開いて以来。バイデン氏の21年1月の大統領就任後では初めて。
米政府高官は14日、バリ島で記者団に「会談の共同声明はない」と述べた。首脳同士が相互の課題の優先順位を共有し、両国の競争が対立や衝突につながらないよう対話を継続する枠組みを探る。今回の会談の形式を「ビジネスライク」と表現しており、バイデン氏と習氏が通訳だけを交えて2人だけで話す機会はない見通しだ。
サリバン氏はカンボジアからインドネシアに向かう大統領専用機内で記者団に対し、米中首脳会談について「時間に制限を設けているわけではないが数時間ぐらいに及ぶだろう」と述べた。「首脳対話が効率的に関係を管理するために最も重要だ」と強調した。
バイデン政権はルールに基づく国際秩序に従い、脅迫行為をやめるよう中国に訴える。米国は中国が台湾に対する軍事的圧力を強めて現状変更を進めていると警戒する。経済面では中国が貿易制限で相手国の経済に打撃を与えて外交を優位に進めようとしていると非難してきた。
バイデン氏は13日、カンボジアの首都プノンペンで日本の岸田首相や韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、オーストラリアのアルバニージー首相とそれぞれ会談した。サリバン氏は習氏との会談について各国と意見交換したと説明。「最も緊密な同盟国との調整を確実にする目的だった」と指摘した。
バイデン氏はプノンペンで記者団に対して習氏との会談をめぐり「どこにレッドライン(越えてはならない一線)があるのか、今後2年間にわたってお互いにとって最も重要なことはなにかを理解する」と言及した。「私はいつも彼と率直な議論をしてきた」とも話した。
【ポーランドにミサイル着弾で2人死亡 ロシアは否定】
16日未明の日経新聞ニュースメール【ロンドン=大西康平】によると、ポーランド政府は15日、同国東部プシェボドフにロシア製のミサイルが着弾し、2人が死亡したと発表した。ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃が国境を超えて着弾した可能性がある。主要7カ国(G7)と北大西洋条約機構(NATO)は16日、インドネシアのバリ島で緊急首脳会合を開き、対応を協議する。
ポーランドのモラウィエツキ首相は国家安全保障と防衛問題に関する閣僚委員会を緊急招集したと、同国の政府広報担当者のミュラー氏がツイッターで投稿した。
米ホワイトハウスは15日、バイデン大統領がポーランドのドゥダ大統領と電話協議したと発表した。ドゥダ氏がウクライナとの国境付近で起きた爆発に対する現時点での評価を説明した。バイデン氏はポーランドの調査を全面支援すると約束。米国によるNATOへの鉄壁の関与を確認した。
ロシア国防省は関与を否定して「意図的な挑発行為である」としている。
ロシア軍は15日、首都キーウをミサイルで攻撃した。東部ハリコフや北部ジトーミル郊外でも爆発があり、全土のインフラ施設などを狙った、従来と比べても大規模な攻撃があったとみられる。
ポーランドはNATO加盟国で、加盟国の民間人がロシア軍の攻撃で死亡したとすれば、初めての事例になるとみられる。北大西洋条約の5条は一つの加盟国に対する攻撃をNATO全体への攻撃とみなし、加盟国は攻撃された国の防衛義務を負う集団的自衛権を定める。
ロイター通信によると、ポーランドは北大西洋条約の4条に基づく協議を要請する必要があるか検討しているとミュラー氏が明かしたという。第4条では、加盟国が領土保全や政治的独立が脅かされていると認めた時は、いつでも協議するとしている。NATO当局は「ポーランドでの爆発に関する報告を調査しており、同盟国であるポーランドと緊密に連携している」とした。
加盟国はポーランドの状況を憂慮している。ドイツのベーアボック外相は「私の思いはポーランドとともにあり、状況を注意深く監視している」とツイッターに投稿。チェコのフィアラ首相は「ポーランドへのミサイルの着弾が確認されれば、事態の激化に進展するだろう」と投稿した。
ウクライナへのミサイル攻撃については米欧側の非難が相次いでいた。英国のクレバリー外相は15日、「ウクライナの都市をミサイル攻撃で無慈悲に狙ったことは、プーチンの弱さをあらわにした」とツイッターに投稿した。
【世界経済失速 中国成長3%台、米欧は後退予測広がる】
16日早朝の日経ニュースメールは次のように報じた。
世界経済の失速が鮮明だ。中国は新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策などの影響で2022年の成長率見通しが年初の予測を2ポイント近く下回り、3%台に沈む。直近10月は消費が減少に転じた。米欧は歴史的な物価高で急速な利上げを迫られ、22~23年に景気後退に入るとの予測が広がる。日本は7~9月期に4四半期ぶりのマイナス成長に陥った。けん引役不在の世界は先行きの不透明感も強い。
QUICK・ファクトセットがまとめた民間予測で、22年の中国の実質成長率は3.3%だ。年初の予測から1.8ポイント下がった。上 海市の封鎖などで春に景気が急激に悪化した後、夏場に出てきた持ち直しの兆しが足元で再びしぼむ。
中国国家統計局が15日発表した10月の小売売上高は前年同月比0.5%減った。マイナスは5月以来だ。全体の1割を占める飲食店収入が8%減ったほか、家電、衣類などが軒並み落ち込んだ。
消費は11月に入っても鈍い。象徴的なのは、11日に最終日を迎えた年間最大のインターネット通販セール「独身の日」だ。1~11日の全国宅配便取扱量は前年同期比11%減少した。最大手のアリババ集団などは期間中の売上高を公表しない異例の対応をとっている。
政府の規制強化で住宅不況も出口が見えない。10月の住宅販売面積は前年同月を2割超下回った。国内総生産(GDP)の3割を占める不動産関連の低迷で家電や家具の販売が伸びず、建材などの生産も勢いづかない。
世界銀行によると、世界の実質GDP(購買力平価ベース)は中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した01年から21年までに1.9倍に増えた。この間の中国の伸びは5.3倍で世界の経済成長の31%を占める計算になる。寄与度は米国の10%を大きく上回る。
成長エンジンの変調は世界経済に暗い影を落とす。日本工作機械工業会が集計する工作機械受注は10月に前年同月比5.4%減と、2年ぶりにマイナスとなった。ゼロコロナ政策下の中国の停滞が響いている。ファナックは中国での受注が7~9月期に前年同期比7%減った。23年3月期の連結で前期比8%の営業増益を見込んでいたのを10月末に一転、1%の減益見通しに下方修正した。
影響は生活用品にも及ぶ。中国の10月の化粧品輸入量は24%減と9年8カ月ぶりの減少率となった。資生堂は1~9月期の中国売上高が前年同期比11%の大幅減。横田貴之最高財務責任者(CFO)は「中国の競争環境は厳しい」と吐露。
「世界の市場」の需要減は資源価格にも表れる。シンガポール取引所(SGX)で鉄鉱石の期近先物は1日、一時1トン80ドルを下回り、20年2月以来の安値をつけた。鉄鉱石価格は世界の貿易量の約7割を占める中国の景況を敏感に映す。
一時急騰が目立ったエネルギー相場も足元の値動きは低調だ。米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は1バレル85ドル前後と、ロシアのウクライナ侵攻直後のピーク比で4割弱安い。中国の原油輸入量は、WTIが下落基調となった6月から4カ月連続で前年の水準を下回った。
アジア向け液化天然ガス(LNG)のスポット価格も、足元は8月のピークより6割ほど安い。やはり中国の調達減が下押し圧力になっている。
中国は08年のリーマン危機後は巨額の経済対策を打って成長を続け、世界経済を下支えした。その役割を果たす存在が見当たらない状況になっている。米S&Pグローバルがまとめた総合購買担当者景気指数(PMI)は中国が9月から2カ月連続、米欧は7月から4カ月連続で、好不況の境目の50を下回る。
米欧は物価高でコロナ後の回復シナリオの見直しを迫られる。日本経済新聞が民間エコノミスト10人に聞いたところ米国は6人、ユーロ圏は10人全員が23年までに景気後退局面に入ると答えた。
ユーロ圏は2人が「すでに後退」とみる。後退局面入りは時間の問題で7人は22年中、1人は23年前半と予測する。米国も3人が22年内、2人が23年前半、1人が同年後半と答えた。
物価高を鎮めるための急ピッチの利上げの軟着陸は難しい。景気後退の確率の予測平均値は、米国では23年前半が濃厚で1~3月期が48%、4~6月期が46%となった。ユーロ圏は22年10~12月期が61%、23年1~3月期が67%、4~6月期が55%となっている。
日本は7~9月期のGDPが前期比年率で実質1.2%減り、4四半期ぶりに落ち込んだ。内需の柱である個人消費や設備投資の伸びが鈍化、広告関連で海外への支払いが急増したマイナス要因が上回った。回復基調の設備投資もコロナ前の水準にはなお届いていない。外需が停滞すれば、腰折れしかねない弱さを抱える。
米欧中がそろって変調を来すのはコロナ禍当初の20年春以来。世界経済が再び反発力を発揮できるかは見通せない。
【バイデン氏「ロシアから発射の可能性低い」 G7・NATO首脳が共同声明「調査を全面的に支持」】
16日の日経新聞ニュースメール【バリ島=重田俊介】によると、主要7カ国(G7)と北大西洋条約機構(NATO)は16日、インドネシアのバリ島で緊急首脳会合を開いた。ロシア製ミサイルがポーランド東部の村に着弾したとの情報に関し、40分ほど対応を協議した。ロシアによるウクライナへのミサイル発射を非難する共同声明を出した。
バイデン米大統領や岸田首相、英仏独などの首脳らが出席した。共同声明はポーランドへのミサイルについてロシアが発射したとは断定せず「ポーランドが進める調査への全面的な支持と支援を提供する」と記した。
「調査が進むにつれて適切な次の段階を決定するために緊密な連絡を取り続けることに同意する」と強調した。
バイデン氏は協議後、記者団にロシアからの攻撃か聞かれ「軌道から考えるとロシアから発射された可能性は低い」と答えた。
岸田首相は会合で「大変憂慮している。このような時だからこそG7、NATO、有志国の連携、協力を一層密にしていきたい」と発言した。同日午前に予定していた日英首脳会談は中止した。
15日に開幕した20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は首脳宣言の採択に向けて調整を続けている。ポーランドへの着弾は宣言のとりまとめなどに影響する可能性がある。
ロシアのウクライナ侵攻を批判し、核兵器の使用を認めないことを盛り込む方針だ。ロシアは自国への批判に異論があることを併記するよう求めている。
ポーランドはNATOの加盟国だ。米欧30カ国で構成するNATOは加盟国のどこかが武力攻撃を受ければ、すべての締約国への攻撃とみなしてともに反撃する集団安全保障体制をとる。
ポーランドはNATOの加盟国だ。米欧30カ国で構成するNATOは加盟国のどこかが武力攻撃を受ければ、すべての締約国への攻撃とみなしてともに反撃する集団安全保障体制をとる。
【防衛費増、法人税など財源に 有識者会議の提言原案 「反撃能力」保有は不可欠、5年以内に配備を】
17日朝の日経ニュース・メールは、政府の防衛費増額に関する有識者会議がまとめた提言の原案が明らかになった、と報じた。財源について「幅広い税目による国民負担が必要だ」と記し、法人税を例示した。相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」は保有が不可欠だと強調した。政府は提言を基に戦後初となる防衛力の抜本的な強化へ踏み出す。
日本は長く軽武装・経済重視の路線を歩んできたが、中国による台湾有事リスクやロシアのウクライナ侵攻といった国際情勢の激変で防衛力の強化が必要になった。
防衛費増を支持する世論が高まり、企業も経済安全保障上の対応を迫られる時代になった。国民生活や経済活動の安全を守る費用を薄く広く持続的に負担するには法人増税が選択肢となる。
与党内には増税ではなく国債発行で対応すべきだとの意見がある。政府は提言内容を踏まえ、2023年度予算や税制改正大綱をまとめる年末に向けて与党と防衛費増の方針を調整する。
原案は防衛力強化には安定財源が必要だと強調し「負担を将来世代に先送りするのは適当でない。国債依存があってはならない」と訴えた。まず歳出改革に取り組む必要性も明記した。
防衛費増は「持続的な経済成長の実現と財政基盤の確保」を重視すべきだと主張したうえで「国民各層の負担能力や経済情勢への配慮は必要」とも盛り込んだ。法人増税には「国内投資や賃上げに取り組む企業の努力に水を差さないよう」考慮を求めた。
日本は国内総生産(GDP)に対する租税収入割合が経済協力開発機構(OECD)諸国と比べ低いと問題提起した。「租税負担を増やす必要があると率直に国民に説明すべき」だと指摘した。
【トランプ氏、逆風下の出馬強行 大統領選へ共和混迷も】
17日早朝の日経ニュース・メール【ワシントン=坂口幸裕】によると、トランプ前米大統領は15日、2024年の次期大統領選に共和党候補として出馬すると表明した。8日の中間選挙で共和が苦戦を強いられた責任を問う声が高まる中で強行したトランプ氏には焦りもうかがえる。政権奪還を悲願とする共和が候補者指名争いで党内の混迷が深まるリスクをはらむ。
15日の演説はテレビの視聴者数が多い現地時間午後9時過ぎに始まった。「米国の復活はいま始まる」。トランプ氏は南部フロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴに集めた数百人の支持者らを前に、バイデン政権下で高止まりするインフレなどを非難した。
自身が大統領だった当時に触れ「2年前、米国は偉大な国だった。間もなく再び偉大な国になる」と訴えた。ロシアによるウクライナ侵攻は自らが大統領だったら起きていなかったとまで主張した。
トランプ氏は勝利した16年11月の大統領選への立候補を表明したのは1年5カ月前だった。今回、一部側近が静止したにもかかわらず、残り2年という異例の早いタイミングでの出馬表明に駆り立てたのは台頭するフロリダ州のデサンティス知事の存在がある。2人は中間選挙で明暗を分けた。
デサンティス氏は大統領選の対応に言及を避けているものの、接戦州などから応援演説に声がかかった。自身の知事選では民主党候補に得票率で20ポイント近い差をつけて圧勝した。トランプ氏が20年大統領選でフロリダで3ポイント差で勝利したのに比べ、選挙の強さも印象づけた。
党内で「彼(デサンティス氏)が望むと望まざるに関係なく共和のリーダー」(シンシア・ルミス上院議員)との声が高まるゆえんだ。トランプ氏がデサンティス氏を「聖人ぶったロン」と呼び、SNS(交流サイト)などでも攻撃を続けるのは危機感の表れでもある。
上院選の激戦州で相次ぎ推薦候補が敗れたトランプ氏には逆風が吹く。選挙の直前の世論調査で拮抗していた上院選の6州で推薦候補が出馬したが、共和が勝ったのは1州のみ。西部アリゾナや同ネバダなど4州で敗北し、残る南部ジョージア州は民主と共和の上位2候補が12月6日の決選投票に進んだ。
敗因は無党派層の離反だ。激戦州は過去の大統領選の勝敗も左右してきた。精力的に応援に駆けつけたトランプ氏は支持候補の大半が勝ったと強弁するが、共和が次期大統領選に同氏を立てて臨んでも勝てないという見方が広がりつつある。
調査機関YouGovが選挙後の9~11日に実施した世論調査で24年大統領選に2人のどちらが出馬するのが望ましいかを聞いたところ、デサンティス氏が42%でトランプ氏の35%を上回った。熱心な共和党員ほどトランプ氏を支持する一方、無党派に近い共和支持層でトランプ氏と回答したのは21%、デサンティス氏は45%だった。
今回の中間選挙でトランプ氏が推薦した候補は共和の予備選で勝ち抜いても、過激な言動を嫌う無党派層から支持を得られなかった面がある。大統領選でもその二の舞いになりかねないとの懸念が高まっている。
トランプ政権で副大統領を務めたペンス氏を推す声もある。最近、米メディアのインタビューで、トランプ氏が再選されるべきかと問われ「将来的にもっと良い選択ができるようになるだろう」と踏み込んだ。自ら出馬する可能性は「私の役割は何なのか考える」と否定しなかった。
トランプ氏にはなお党内に支持者が多い現実もある。AP通信の出口調査などによると、結果が出た上下両院選の計180人の推薦候補のうち162人が13日までに当選を確実にした。党内で一定の足場を築いただけにトランプ氏の支持勢力と距離を置く議員の間で対立が先鋭化するおそれもある。
機密文書の扱いでトランプ氏の家宅捜索に踏み切った米連邦捜査局(FBI)の捜査を意識しているとの見立てもある。大統領選の候補者になれば司法省が政治介入を懸念し、起訴しにくくなるとの読みだ。出馬表明を急いだ理由に挙げられる。
【南部ヘルソン州のヘルソン市では鉄道が復旧】
19日の【キーウ共同】によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日のビデオ演説で、同国軍のザルジニー総司令官らと会議を開き、南部や東部のさらなる奪還に向けた計画を話し合ったと明らかにした。激戦地の東部ドネツク州では、ロシアの攻撃に抵抗できるよう軍部隊にあらゆる支援を行うと強調。奪還の加速に意欲を見せた。
ウクライナ軍が奪還した南部ヘルソン州のヘルソン市では鉄道が復旧し、19日には2月24日の侵攻開始以来初めての列車が首都キーウ(キエフ)から到着した。州内には各地からの支援物資がトラックで続々と到着している。
【トランプ氏のTwitterアカウント復活 マスク氏表明】
20日午後の日経ニュースメール【シリコンバレー=白石武志】によると、米ツイッターを買収した起業家のイーロン・マスク氏は19日、2021年に同社のSNS(交流サイト)から永久追放したトランプ前米大統領のアカウントを復活させると明らかにした。トランプ氏は24年の次期米大統領選に出馬を表明したばかり。マスク氏による早急な判断が議論を呼ぶのは必至だ。
マスク氏は18日から自らのツイッターアカウント上でトランプ氏の復帰をみとめるべきかを「はい」か「いいえ」の二択で答えるよう呼びかけるアンケートを実施していた。締め切りに設定した19日夕までに約1508万票が投じられ、トランプ氏の復帰に賛成が51.8%、反対が48.2%だった。
マスク氏は19日夕、「人々は話した。トランプ氏は復帰する。民衆の声は神の声」とツイートし、アンケートの結果に従ってトランプ氏のツイッターアカウント復活を認める方針を示した。
マスク氏はツイッターの買収が完了した10月下旬に同社のコンテンツモデレーション(不適切な投稿の監視・削除)を監督する評議会を設置し、有力アカウントの停止や復活などの重大な判断にあたっては有識者の意見を取り入れる方針を示していた。
ツイッターは21年1月に起きた米連邦議会議事堂襲撃事件の際のトランプ氏の投稿を精査し、さらなる暴力行為をあおる危険性があると判断して同氏を永久追放した。「言論の自由を守る」と表明してツイッターを買収したマスク氏は22年11月8日投開票の米中間選挙の後にトランプ氏の復帰を認めるか否かを判断する考えを示していた。
トランプ氏は15日に米南東部フロリダ州で演説し、24年の次期米大統領選に出馬すると表明した。永久追放される直前にツイッター上で約8800万人のフォロワーを抱えていたが、現在は自ら立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」上で情報発信を続けている。トランプ氏は19日、同SNSへの投稿でツイッターに戻る考えはないと述べた。
米共和党の一部でトランプ氏のツイッター復帰を望む声がある一方、米民主党を中心とする左派は反対していた。トランプ氏が今後、ツイッター上でどのように振る舞うかは不透明だが、同氏が不正確な情報発信を続けた場合には広告主らの離反を招く可能性がある。
【COP27閉幕、途上国支援基金で合意】
20日昼の日経速報ニュース【シャルムエルシェイク(エジプト北東部)=塙和也】によれば、第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)は20日、気象災害で「損失と被害」を受けた途上国を支援する基金の創設を決め、閉幕した。温暖化対策の輪に途上国をつなぎとめたが、本丸の温暖化ガスの排出削減でめぼしい進展はなかった。気温上昇の加速に歯止めをかける踏み込んだ対策は課題として持ち越す。各国には2023年末までに排出削減目標を上積みする...
【止まらぬ「辞任ドミノ」 寺田総務相更迭、政権に打撃】
21日午後の日経ニュースメールは次のように報じた。
「岸田首相が寺田稔総務相を事実上更迭したことにより、閣僚の辞任はこの1カ月で3人となった。国会で21日から始まる202 2年度第2次補正予算案の審議に影響するのは避けられない。止まらぬ「辞任ドミノ」は首相の政権運営に打撃となる。
首相は20日夜、首相公邸で寺田氏の辞表を受理した。その後、記者団に補正予算や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済などを挙げて「重要課題に答えを一つ一つ出すべく努力する」と語った。「正念場を迎えていると感じ、辞任を認めた」と述べた。
寺田氏の更迭により、政府・与党が11月中の成立を目指す第2次補正予算案への影響は避けられない見通しだ。
国会は21日に衆参両院で鈴木財務相が財政演説し、24日からは衆院予算委員会での実質審議に入る予定だった。野党は首相に寺田氏の辞任について国会で説明するよう求めており、予定通りに審議を始められるかは見通せなくなった。
補正予算の成立後には旧統一教会の被害者救済を巡る法案の審議を控える。政府が提出予定の新法の内容を巡り、寄付金の規制のあり方など与野党の間にはなお溝がある。
今国会の会期は12月10日まで。補正予算の成立が遅れると、被害者救済に関する法案に充てる時間は短くなり、会期延長が視野に入る。会期を延長すれば、12月以降に本格化する23年度の税制改正や予算編成も遅れる恐れがある。
与党内には1カ月弱で3人の閣僚が相次ぎ辞任した事態を受け、23年1月召集の通常国会の前に内閣改造・党役員人事に踏み切るべきだとの意見もある。
首相は19日の記者会見で内閣改造に関して「適切なタイミングを判断したい」と含みを持たせた。」
【中国ハイテク13品目シェア拡大 EVや素材、21年調査】
22日夕方の日経ニュースメールは次のように報じた。
「中国企業が世界のハイテク分野で一段と存在感を高めている。日本経済新聞社が主要な製品やサービスの2021年の世界シェアを調べたところ、中国勢は電気自動車(EV)や電池向け先端素材などハイテク13品目でシェアを拡大した。地政学リスクも高まるなか、改めてサプライチェーン(供給網)の中国依存が浮き彫りになり、企業は対応を迫られる。
世界の経済活動で重要な最終製品やサービス、中核部品、素材の56品目を対象に「主要商品・サービスシェア調査」を実施し、それぞれについて上位5社の企業のシェアを調べた。EVやスマートフォンなど最終製品のほか、部材など主なハイテク28品目では中国勢のシェア拡大が13、低下が6だった。残りの9品目については上位5社に中国企業が入っていない。
バイデン米政権が先端半導体の対中輸出を厳しく規制するなど、経済安全保障を巡り米中は鋭く対立する。米国は日本にも対中規制への追随を迫る。台湾有事なども念頭にサプライチェーンの見直しが求められるが、調査結果をみると、中国企業のシェアが高い。
台頭が目立つのはEV関連だ。車載電池は世界首位の寧徳時代新能源科技(CATL)のシェアが38.6%と20年から12ポイント余り上昇した。比亜迪(BYD)と合わせた中国勢のシェアは46%になる。
BYDはEVでもルノー・日産自動車・三菱自動車の日仏連合を抜き4位に浮上した。基幹部品の車載電池を内製する強みを生かし、EVの価格を抑えている。22年1~6月の販売台数でみると、米テスラに次ぐ2位につける。
電池部材の絶縁体も上海エナジーが政府の補助金を活用した増産投資で販売を伸ばす。同社のシェアは28.7%に上昇し、2位の旭化成の10.7%を引き離している。市場が急拡大するEVのサプライチェーンの上流から下流まで中国勢が存在感を強めている。
かつて日韓勢がしのぎを削った液晶パネルは大型、中小型ともに首位の京東方科技集団(BOE)など中国勢がシェアを伸ばしている。有機ELパネルでもBOEがアップルのiPhoneに採用されるなどして、市場開拓で先行した韓国サムスン電子を追う。
一方、携帯基地局は華為技術(ファーウェイ)が首位を守ったものの、米国による制裁などを受けて、同社のシェアは38%から34%に低下した。
調査全体の56品目でみると、中国企業が上位5社に入った品目は32あり、シェア拡大は21、低下は11だった。中国経済は政府のゼロコロナ政策を受けて欧米より回復が遅れている。内需が振るわず建機や中大型トラックはシェアを落とした。
世界首位の品目数は米国が18で最も多く、中国が15で続く。日本は7にとどまった。CMOS画像センサーでソニーグループ、液晶パネル部材の偏光板で住友化学グループがトップだった。
KPMG FASの稲垣雅久パートナーは米中対立の激化を踏まえ「グローバル企業はサプライチェーンを『中国向け』と『中国以外向け』の2系統に分けるなど対応を進めている」と話す。日本ではダイキン工業が中国製部品なしでエアコンを作る体制構築を急ぐ。ただ「日本企業は対応策を従来のBCP(事業継続計画)上で考えがち。有事の影響を抑えるには、平時の供給網の再設計が必要だ」と指摘する。」
【マツダ、EV・電池確保に1.5兆円 中国系企業から調達】
22日昼の日経ニュースメールは次のように報じた。
マツダは2030年までに電気自動車(EV)などの電動化対応に車載電池の調達費を含めて1兆5000億円規模を投じる。中国企業傘下で車載電池大手のエンビジョンAESCグループ(神奈川県座間市)と組みEV向け電池を確保し、国内工場でEV生産を増やす。EVを巡ってはトヨタ自動車など世界大手が巨額投資を相次いで表明している。特に電池は奪い合いの構図だ。マツダも電池を戦略部品と位置付け確保を急ぐ。
【コロナ飲み薬、軽症者も選択肢 塩野義が初の国産承認】
23日午後の日経ニュースメールは次のように報じた。
塩野義製薬の新型コロナウイルス用飲み薬「ゾコーバ」が承認された。感染拡大「第8波」の本格化を控え、軽症者に使える初の国産薬が実用化した。既存の薬と異なり、重症化リスクが高くない人も使える見込みで、外来を中心に治療の選択肢が広がる。検査や外来の目詰まりを防ぎ、必要な人に薬を行き渡らせる体制構築が欠かせない。
コロナ患者は公費負担で薬の処方や治療を受けられる。軽症・中等症の外来患者には主に飲み薬を処方する。米メルク製「ラゲブリオ」と米ファイザー製「パキロビッド」の2種類がある。いずれも高齢者など重症化リスクのある人に限定している。基礎疾患(持病)のない低リスクの患者向けの薬は乏しかった。
【日本、後半に攻撃的3バックで劇的変貌 W杯ドイツ戦で逆転勝利】
24日午後の日経ニュースメールは次のように伝えた。
「日本の反転攻勢は、後半の攻撃的3バックへのシステム変更から始まった。
最初のテコ入れは、負傷明けのため先発出場が見送られたDF冨安健洋(アーセナル)を久保建英(レアル・ソシエダード)に代えて後半早々から最終ラインに投入したこと。一見して守り手の増員だが、これによって右サイドバック(SB)の酒井宏樹(浦和)がウイングバック(WB)に、右MFの伊東純也(スタッド・ランス)が右のFWに、それぞれところてん式に前に押し出された。
前半のドイツは左SBのラウムが積極的にオーバーラップし、ギュンドアン、ムシアラとの連係で何度も日本ゴールを脅かしていた。攻撃にスイッチを入れるはずの伊東はラウムを後追いして帰陣を繰り返すばかり。ここで後手に回ったことが、日本のプレスの連動をきしませた。最終ラインが退き、ワントップで起用された前田大然(セルティック)まで自陣に引っ込み、全軍が亀のように縮こまる。日本のシュートは前半わずか1本だった。
冨安投入は、伊東の走る矢印を自陣方向から敵陣方向へと逆転させた。前半、伊東に背中を追わせていたラウムは後半、伊東の背中を拝むことにもなった。
「いろいろなプランを考えた中でうまくいかなかったときの準備はしていた。0-1になっても落ち着いてその状態をキープし、後半にシステムチェンジが機能する状況をつくれた」。冨安投入後に三笘薫(ブライトン)、浅野拓磨(ボーフム)、堂安律(フライブルク)、南野拓実(モナコ)といったアタッカーたちを惜しげもなく投入した森保一監督は、歴史的な逆転劇をそう振り返っている。
大会前の強化試合で監督が試していた3バックは、逃げ切りを狙った守備固めのためのものだった。それが試合をひっくり返す〝うっちゃり〟の決め技となる不思議。長友佑都(FC東京)に代わって出場した三笘の左WB起用もぶっつけ本番だったが、そのドリブルとパスを起点に堂安の同点ゴールが生まれた。
いくつかのアドリブと、それに応えたアタッカーの至芸が組み合わさった逆転劇。それは、システム変更によって広い中盤で数的不利になりながらドイツの侵入を払いのけた遠藤航(シュツットガルト)、鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)らMFたちの奮闘にも支えられていた。(鱸正人)
【岸田首相、後任の総務相に松本剛明元外相起用へ】
25日の日経ニュース速報は、更迭された総務相の後任に松本剛明元外相起用を起用したと伝えた。
【】
26日の
【日本、コスタリカに0-1で敗れる サッカーW杯】
27日に日経速報メール【アルラヤン=岸名章友】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会第8日は27日、ドーハ近郊のアルラヤンのアハマド・ビン・アリ競技場で1次リーグE組第2戦の日本―コスタリカ戦が行われ、日本が0-1で敗れた。日本は勝ち点3のままでコスタリカに並ばれ、決勝トーナメント進出は第3戦に持ち越しとなった。
前半は両チームとも好機をつくれず、後半は日本が押し込んでいたものの、81分(時間は非公式)に先制点を許した。
過去最高を上回る8強以上を目指す日本は、12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)からの1次リーグ最終戦で、2010年大会覇者のスペインと対戦する。
【老いる日本の株主、70代以上が4割 若者の目は海外株に】
27日早朝の日経ニュース速報は次のように報じた。
日本企業の株主が老いているこの30年で70代以上の保有額は全体の1割台から4割台に高まった。人口構成を超えるスピードで高齢層に偏った背景に若・中年層の日本株離れがある。国内のリスクマネーが減少に向かっている。
【再エネ、危機下で急浸透 「自国産」で安保価値向上】
28日早朝の日経ニュースメールは、再生可能エネルギーの価値が急浸透していることを報じた。
この間、以下の番組を視聴することができた。(1)NHKスペシャル「新・幕末史グローバル・ヒストリー 戊辰戦争 欧米列強の野望」10月27日。 (2)報道1930「日本人が円を見捨て…外国人が日本を去る日、大規模緩和と円安の罪」28日。 (3)週刊ワールドニュース(10月24日~28日)29日。 (4)「号外日本史スクープ砲 第26 日本の鉄道建設」30日。 (5)BS1スペシャル「翻弄される国境の町~フィンランド・カレリア地方」30日。 (6)報道1930「岐路ウクライナ支援 約10兆円の財源確保は?」31日。 (7)映像の世紀バタフライエフェクト「ソ連崩壊 ゴルバチョフとロックシンガー」31日。 (8)報道1930「”瀬戸際“の岸田総理 旧統一教会問題で迷走、政権の浮揚策はあるのか」11月1日。 (9)報道1930「円安危機ニッポン経済の行方は 賃金上昇なき物価高騰で生活困窮拡大」2日。 (10)報道1930「トランプ氏の影響色濃く 「炎上」で異論排除も」3日。 (11)NHKスペシャル「混迷の世紀 第3回 岐路に立つ民主主義~権威主義の拡大はなぜ」3日。 (12)報道1930「【南部の要衝へルソン「「最前線】ロシア軍部隊集結で「最大規模」戦闘も」4日。 (13)週刊ワールドニュース(10月31日~11月4日)5日。 (14)BSプレミアム「東博150年 知られざるモノかたり-日本の至宝大公開」6日。 (15)BS世界のドキュメンタリー「ゆらぐモルドバ ウクライナ隣国の”苦悩」8日。 (16)報道1930「プーチンのシェフ”闇の部隊“率いる実力者がなぜ表舞台に」8日。 (17)報道1930「【ウクライナのパルチザン】ロシアに抵抗する”住民“の闘い」10日。 (18)報道1930「東南アに各国首脳集結、米中対面会談か プーチン氏欠席の背景」11日(23。 (19)週刊ワールドニュース(11月7日~11日)12日。 ()20) BS1 Asian Insight 「中国 寝そべる若者”ち」14日。 (21)報道1930「米中首脳が対面会談へ」14日。 (22)報道1930「米中首脳会談で初の対面会談で台湾問題は」15日。 (23)報道1930「【ウクライナ東部要衝をめぐる激戦】“特殊任務”担う隊長が語る実態」18日。 (24)NHK日曜討論 20日。 (2)週刊ワールドニュース(14日~18日)20日。 (26)報道1930「【エネルギー争奪戦が激化】ロシア制裁の影響深刻」21日。 (27)報道1930「【ウクライナ支援の秘密ネットワーク】欧米スパイと特殊部隊が連携」23日。 (28)報道1930「【ザポリージャで何かが起きる】ロシア軍再配置で新展開か」24日。 (29)報道1930「【日本型雇用は?】米国IT大リストラ Twitter社で大混乱」25日。 (30)週刊ワールドニュース(21日~26日)27日。 (31)NHKスペシャル「混迷の世紀 第4回 世界フードショック~揺らぐ“食”の秩序~」27日。
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