所蔵品展「歴史を想う」
三溪記念館所蔵品展「歴史を想う」が2022年3月18日から4月26にわたり第1展示室と第2展示室で開かれている。企画・実施担当は吉川利一学芸員(事業課長)。
なお第3展示室では俳句展が3月10日から開かれており、会期は6月1日まで。
この間、三溪園では下記の催しがあるので、合わせてお楽しみください。
桜めぐり 3/25-4/5
新緑の遊歩道公開 4/9-5/8
さくらそう展 4/12-4/18
合掌造り五月人形飾り 4/24-5/8
第1展示室 所蔵品展「歴史を想う」
吉川学芸員の解題に従って、順次、展示内容を追っていきたい。
現在の外苑は明治39(1906)年に原三溪が公開したエリアです。三溪はその公開の目的・意図について、自ら新聞に寄稿した文章の中で次のように書いています。
「本邦歴史上崇敬すべき国民性の根源を為せる偉人の遺物を蒐集し…無言の間に其国民性を回顧せしむる」(明治43年3月15日 横浜貿易新報)
西洋化によって自国の歴史や伝統への関心が薄れていた当時、歴史に名を遺した人物ゆかりの建造物や美術品などを集めて公開することで日本の歴史や文化を振り返ってほしい、開園にあたって三溪はそんなメッセージを伝えたかったようです。
本展示では、三溪、そして三溪が支援した画家たちが遺した歴史画の作品を中心に紹介します。桜を皮切りに次々に咲く春の花に目を奪われがちな時期ですが、本物の美術作品や園内の古建築を前にそれらが物語る歴史に触れるひとときをどうぞお楽しみください。。
小林古径「宇治川」
「平家物語」の“橋合戦”を描いたもの。舞台は治承4(1180)年旧暦5月の宇治川。平家の軍勢が渡れないように増水した川に架かる橋の板を外し、源氏方の三井寺の怪僧・浄妙が一人敵陣に乗り込もうとするシーンです。雨のように飛び交う矢の中を進む浄妙が軽妙なタッチで描かれています。
安田靫彦「甲斐黒駒 かいくろこま」
聖徳太子の伝記を絵画化した「聖徳太子絵伝」に取材したもの。聖徳太子が甲斐の国から献上された黒い馬に乗って奈良から富士山まで飛んだという逸話を描いています。場面は今まさに富士山の山頂に向かっているところです。
今村紫紅「秀吉詣白旗宮図 ひでよししらはたぐうをもうでるのず」
豊臣秀吉が鎌倉の鶴岡八幡宮内の白旗宮を参詣し、祀ってあった源頼朝像をなでながら同じ天下をとった者同士だと親しげに語りかけたという逸話を描いた作品です。

下村観山「陶淵明 とうえんめい」
陶淵明は、中国六朝時代(4世紀ごろ)の詩人。官吏を辞して隠棲し、故郷の田園での暮らしの中で多くの詩をのこした高士です。自然の中で歩を進める姿で描かれたその風貌は、観山が敬愛した岡倉天心の面影とも重なります。

原三溪「西行行路難 さいぎょうこうろかたし」
西行は平安時代末から鎌倉時代初めにかけて活躍した歌人。桜を愛し、諸国を放浪しながら多くの歌をのこしました。なかでも「願はくは花の下にて春死なむその如月(きさらぎ)の望月(もちづき)の頃」は代表的な歌です。作品は厳しい放浪の一場面でしょうか。風が吹きつける秋の枯野を行く西行の姿が描かれています。
原三溪「義士大石大夫旧邸の図」
大石内蔵助の旧宅を描いた作品。大石内蔵助といえば、主君の赤穂藩主・浅野匠頭の仇討を決行した四十七士を率いた、“忠臣蔵“でおなじみの人物です。今でも赤穂市内には画中に描かれた長屋門が遺されています。

原三溪「佐倉義人旧宅之図」
佐倉義人とは、下総国佐倉藩(現在の千葉県成田市)に住んだ木内宗吾(きうちそうご)のこと。歌舞伎の題材でも知られる、江戸時代初めの伝説的な百姓一揆の指導者です。
雪に埋もれた家は正月の季節でしょうか。玄関に飾り物が見えます。
今村甚吉宛 原三溪書簡
明治39(1906)年12月4日
今村甚吉は法隆寺西門前町で仏教美術を専門に扱っていた骨董商。現在三溪園ではこの人物に宛てた三溪の書簡を31通所蔵しています。いずれも三溪の古美術・古建築の蒐集や庭園造成の上での価値観、思い、経過などを知ることができる貴重な資料です。
展示中の書簡では、今村甚吉に宛てて次のような内容を書き送っています。
*送った「五斗台」(卓の一種)を受け取ったら、その旨を多治見の方に知らせてほしい。
*「地蔵縁起」はまだ到着していないが、一日も早く拝見したい。
*先日私が譲り受けた税所氏旧蔵の「鳥の古銅香炉」は、たしか800円位だったと思うが、400円で売却したい。どうだろうか。
*この値段で取引が適えば、「菊蒔絵長短冊箱」の100円と併せた500円で、ご所蔵の「豊公辛櫃(唐櫃)」と交換したいが、いかがだろう。
*多治見先生所蔵の(円山)応挙の絵は傷物だがいかほど安くなるか。
*「足元灯篭」は都合よく継いだ(?)ので、ご心配無用である。
文中の「豊公辛櫃」はうまく交渉が成立したようで、今回第2展示室に展示しています。
併せてご覧ください。
第2展示室
原三溪「二日遊関記 ふつかゆうかんき」
箱根芦之湯にあった別荘の去来山房に泊まり、付近の名所旧跡などを巡った際のスケッチを元に制作されたもの。季節は春4月下旬。哲学者の和辻哲郎と阿部次郎、長男の善一郎、長女春子の夫・西郷健雄(画家・西郷孤月の弟)とともに自動車で巡った旅の様子が、楽しそうに描かれています。
三溪は多忙な日々のあいまにも各所の名所旧跡を訪ね、旅を楽しんでいたようです。第1展示室で紹介した作品も、こうした旅の途中で描き留めたスケッチをもとに制作されたもののようです。
「黒漆桐文蒔絵唐櫃」
第1展示室で紹介した三溪の今村甚吉宛て書簡のなかに登場する「唐櫃」が、これに相当すると考えられます。
唐櫃は衣服や調度などを収納する家具の一種で、中国伝来のスタイルを踏襲していることから「唐」の字が付けられています。四方に大きな桐文、足の部分には蔦の文様を配しています。桐文は嵯峨桐(さがぎり)と呼ばれる、おおぶりで豪華なもので桃山時代の気風を伝える堂々とした蒔絵です。
三溪は、当時豊臣秀吉が京都に造営した聚楽第の遺構といわれていた臨春閣の中に、こうした桃山時代の調度類を飾っていました。多忙な中にも歴史に触れ親しむ暮らしを日々楽しんでいたのです。

臨春閣の障壁画 狩野探幽「琴棋書画図 きんきしょがず」
三溪園にある歴史的建造物の中で、三重塔と並ぶ代表的な建物が臨春閣です。江戸時代初期、紀州徳川家の別荘として築造されたといわれるこの建物の内部には障壁画が付属しており、本作品はこのうちの第二屋・琴棋書画の間に嵌め込まれていたものです。(現在建物内には複製を置いています。)
琴棋書画とは、古来中国で高士の風流事として尊ばれた嗜みで、琴は音楽、棋は囲碁、書は読書や書、画は鑑賞や描画を指します。
第3展示室 俳句展
第3展示室では第46回三溪園俳句大会入賞作品(2021年度)を展示している。2020年11月~2021年10月までの1年間に正門藤棚の投句箱に寄せられた514句の俳句の中から、選ばれた優秀作品27点。17音に込められた心の響きを、日本画家・稲垣晴子さんの挿画とともにお楽しみください。
■三溪園投句箱(一般の部)
横浜市長賞 石棺を満たして月の青さかな 三枝 侑子

三溪園理事長賞 草の葉を揺らし螢にある重み 中村 登美代
横浜俳話会会長賞 板の間に余寒はりつく嬶座かな 大本 尚
三溪園園長賞 塔に日の傾きて松手入なほ 桑本 螢生
三溪園賞 本堂の千の瓦の炎暑かな 田中 由起
横浜俳話会賞 もう次の風を捉へて花菖蒲 清水 純一
佳作 蓮見会了へて茶店に朝の粥 宮谷 孝雄
佳作 茶室までゆるりと歩む秋日傘 守谷 一剣
佳作 三重の塔しづかに在りし柿日和 近藤 悦子
佳作 短日や下五の読めぬ虚子の句碑 高田 久生
佳作 浜っ子の八十路の意気地臥竜梅 朝倉 水木
佳作 繕ひて竹の青さの垣根かな 松尾 誠一
佳作 瑠璃蜥蝪瑠璃を残して消えにけり 角田 大定
佳作 欄間には櫂と錨や部屋涼し 岸本 隆雄
佳作 タゴールが客人の跡秋日差す 草野 早苗
佳作 港の灯遠くに見ゆる良夜かな 横田 正江
佳作 一輪の菊に大きな祖父の影 岩田 信
佳作 をちこちの船笛朧濃き夜かな 西川 肇子
佳作 唐破風の門へ駆け込む花の雨 阿部 利江
佳作 横笛庵蔀戸上げて梅二月 金井 玲子
佳作 梅日和生命線が伸びたがる 伊藤 久生
佳作 船頭は青鷺なるや冬ぬくし 池田 忠子
佳作 捨舟に川鵜まどろむ園薄暑 池内 ひろし
■三溪園投句箱(青少年の部
小学生 さくらがねとってもきれいさんけいえん 和泉 青奈

小学生 しらさぎがさかなをくわえてうれしそう 船橋 遥
小学生 しんこきゅうくさのかおりとなつのかぜ 中村 莉緒
小学生 九ひきのねこに出あったはすの池 富田 にこ
なお第3展示室では俳句展が3月10日から開かれており、会期は6月1日まで。
この間、三溪園では下記の催しがあるので、合わせてお楽しみください。
桜めぐり 3/25-4/5
新緑の遊歩道公開 4/9-5/8
さくらそう展 4/12-4/18
合掌造り五月人形飾り 4/24-5/8
第1展示室 所蔵品展「歴史を想う」
吉川学芸員の解題に従って、順次、展示内容を追っていきたい。
現在の外苑は明治39(1906)年に原三溪が公開したエリアです。三溪はその公開の目的・意図について、自ら新聞に寄稿した文章の中で次のように書いています。
「本邦歴史上崇敬すべき国民性の根源を為せる偉人の遺物を蒐集し…無言の間に其国民性を回顧せしむる」(明治43年3月15日 横浜貿易新報)
西洋化によって自国の歴史や伝統への関心が薄れていた当時、歴史に名を遺した人物ゆかりの建造物や美術品などを集めて公開することで日本の歴史や文化を振り返ってほしい、開園にあたって三溪はそんなメッセージを伝えたかったようです。
本展示では、三溪、そして三溪が支援した画家たちが遺した歴史画の作品を中心に紹介します。桜を皮切りに次々に咲く春の花に目を奪われがちな時期ですが、本物の美術作品や園内の古建築を前にそれらが物語る歴史に触れるひとときをどうぞお楽しみください。。
小林古径「宇治川」
「平家物語」の“橋合戦”を描いたもの。舞台は治承4(1180)年旧暦5月の宇治川。平家の軍勢が渡れないように増水した川に架かる橋の板を外し、源氏方の三井寺の怪僧・浄妙が一人敵陣に乗り込もうとするシーンです。雨のように飛び交う矢の中を進む浄妙が軽妙なタッチで描かれています。
安田靫彦「甲斐黒駒 かいくろこま」
聖徳太子の伝記を絵画化した「聖徳太子絵伝」に取材したもの。聖徳太子が甲斐の国から献上された黒い馬に乗って奈良から富士山まで飛んだという逸話を描いています。場面は今まさに富士山の山頂に向かっているところです。
今村紫紅「秀吉詣白旗宮図 ひでよししらはたぐうをもうでるのず」
豊臣秀吉が鎌倉の鶴岡八幡宮内の白旗宮を参詣し、祀ってあった源頼朝像をなでながら同じ天下をとった者同士だと親しげに語りかけたという逸話を描いた作品です。

下村観山「陶淵明 とうえんめい」
陶淵明は、中国六朝時代(4世紀ごろ)の詩人。官吏を辞して隠棲し、故郷の田園での暮らしの中で多くの詩をのこした高士です。自然の中で歩を進める姿で描かれたその風貌は、観山が敬愛した岡倉天心の面影とも重なります。

原三溪「西行行路難 さいぎょうこうろかたし」
西行は平安時代末から鎌倉時代初めにかけて活躍した歌人。桜を愛し、諸国を放浪しながら多くの歌をのこしました。なかでも「願はくは花の下にて春死なむその如月(きさらぎ)の望月(もちづき)の頃」は代表的な歌です。作品は厳しい放浪の一場面でしょうか。風が吹きつける秋の枯野を行く西行の姿が描かれています。
原三溪「義士大石大夫旧邸の図」
大石内蔵助の旧宅を描いた作品。大石内蔵助といえば、主君の赤穂藩主・浅野匠頭の仇討を決行した四十七士を率いた、“忠臣蔵“でおなじみの人物です。今でも赤穂市内には画中に描かれた長屋門が遺されています。

原三溪「佐倉義人旧宅之図」
佐倉義人とは、下総国佐倉藩(現在の千葉県成田市)に住んだ木内宗吾(きうちそうご)のこと。歌舞伎の題材でも知られる、江戸時代初めの伝説的な百姓一揆の指導者です。
雪に埋もれた家は正月の季節でしょうか。玄関に飾り物が見えます。
今村甚吉宛 原三溪書簡
明治39(1906)年12月4日
今村甚吉は法隆寺西門前町で仏教美術を専門に扱っていた骨董商。現在三溪園ではこの人物に宛てた三溪の書簡を31通所蔵しています。いずれも三溪の古美術・古建築の蒐集や庭園造成の上での価値観、思い、経過などを知ることができる貴重な資料です。
展示中の書簡では、今村甚吉に宛てて次のような内容を書き送っています。
*送った「五斗台」(卓の一種)を受け取ったら、その旨を多治見の方に知らせてほしい。
*「地蔵縁起」はまだ到着していないが、一日も早く拝見したい。
*先日私が譲り受けた税所氏旧蔵の「鳥の古銅香炉」は、たしか800円位だったと思うが、400円で売却したい。どうだろうか。
*この値段で取引が適えば、「菊蒔絵長短冊箱」の100円と併せた500円で、ご所蔵の「豊公辛櫃(唐櫃)」と交換したいが、いかがだろう。
*多治見先生所蔵の(円山)応挙の絵は傷物だがいかほど安くなるか。
*「足元灯篭」は都合よく継いだ(?)ので、ご心配無用である。
文中の「豊公辛櫃」はうまく交渉が成立したようで、今回第2展示室に展示しています。
併せてご覧ください。
第2展示室
原三溪「二日遊関記 ふつかゆうかんき」
箱根芦之湯にあった別荘の去来山房に泊まり、付近の名所旧跡などを巡った際のスケッチを元に制作されたもの。季節は春4月下旬。哲学者の和辻哲郎と阿部次郎、長男の善一郎、長女春子の夫・西郷健雄(画家・西郷孤月の弟)とともに自動車で巡った旅の様子が、楽しそうに描かれています。
三溪は多忙な日々のあいまにも各所の名所旧跡を訪ね、旅を楽しんでいたようです。第1展示室で紹介した作品も、こうした旅の途中で描き留めたスケッチをもとに制作されたもののようです。
「黒漆桐文蒔絵唐櫃」
第1展示室で紹介した三溪の今村甚吉宛て書簡のなかに登場する「唐櫃」が、これに相当すると考えられます。
唐櫃は衣服や調度などを収納する家具の一種で、中国伝来のスタイルを踏襲していることから「唐」の字が付けられています。四方に大きな桐文、足の部分には蔦の文様を配しています。桐文は嵯峨桐(さがぎり)と呼ばれる、おおぶりで豪華なもので桃山時代の気風を伝える堂々とした蒔絵です。
三溪は、当時豊臣秀吉が京都に造営した聚楽第の遺構といわれていた臨春閣の中に、こうした桃山時代の調度類を飾っていました。多忙な中にも歴史に触れ親しむ暮らしを日々楽しんでいたのです。

臨春閣の障壁画 狩野探幽「琴棋書画図 きんきしょがず」
三溪園にある歴史的建造物の中で、三重塔と並ぶ代表的な建物が臨春閣です。江戸時代初期、紀州徳川家の別荘として築造されたといわれるこの建物の内部には障壁画が付属しており、本作品はこのうちの第二屋・琴棋書画の間に嵌め込まれていたものです。(現在建物内には複製を置いています。)
琴棋書画とは、古来中国で高士の風流事として尊ばれた嗜みで、琴は音楽、棋は囲碁、書は読書や書、画は鑑賞や描画を指します。
第3展示室 俳句展
第3展示室では第46回三溪園俳句大会入賞作品(2021年度)を展示している。2020年11月~2021年10月までの1年間に正門藤棚の投句箱に寄せられた514句の俳句の中から、選ばれた優秀作品27点。17音に込められた心の響きを、日本画家・稲垣晴子さんの挿画とともにお楽しみください。
■三溪園投句箱(一般の部)
横浜市長賞 石棺を満たして月の青さかな 三枝 侑子

三溪園理事長賞 草の葉を揺らし螢にある重み 中村 登美代
横浜俳話会会長賞 板の間に余寒はりつく嬶座かな 大本 尚
三溪園園長賞 塔に日の傾きて松手入なほ 桑本 螢生
三溪園賞 本堂の千の瓦の炎暑かな 田中 由起
横浜俳話会賞 もう次の風を捉へて花菖蒲 清水 純一
佳作 蓮見会了へて茶店に朝の粥 宮谷 孝雄
佳作 茶室までゆるりと歩む秋日傘 守谷 一剣
佳作 三重の塔しづかに在りし柿日和 近藤 悦子
佳作 短日や下五の読めぬ虚子の句碑 高田 久生
佳作 浜っ子の八十路の意気地臥竜梅 朝倉 水木
佳作 繕ひて竹の青さの垣根かな 松尾 誠一
佳作 瑠璃蜥蝪瑠璃を残して消えにけり 角田 大定
佳作 欄間には櫂と錨や部屋涼し 岸本 隆雄
佳作 タゴールが客人の跡秋日差す 草野 早苗
佳作 港の灯遠くに見ゆる良夜かな 横田 正江
佳作 一輪の菊に大きな祖父の影 岩田 信
佳作 をちこちの船笛朧濃き夜かな 西川 肇子
佳作 唐破風の門へ駆け込む花の雨 阿部 利江
佳作 横笛庵蔀戸上げて梅二月 金井 玲子
佳作 梅日和生命線が伸びたがる 伊藤 久生
佳作 船頭は青鷺なるや冬ぬくし 池田 忠子
佳作 捨舟に川鵜まどろむ園薄暑 池内 ひろし
■三溪園投句箱(青少年の部
小学生 さくらがねとってもきれいさんけいえん 和泉 青奈

小学生 しらさぎがさかなをくわえてうれしそう 船橋 遥
小学生 しんこきゅうくさのかおりとなつのかぜ 中村 莉緒
小学生 九ひきのねこに出あったはすの池 富田 にこ
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