三溪園ボランティアの活動
三溪園ボランティアは、2003(平成15)年9月に第1次募集を行い、今年で14年になる。昨年6月の第13次募集で、現在233名が登録。すっかり定着し、三溪園の魅力を外に発信する第一線の活動を担っている。
三溪園は年末の3日間のみ閉園し、他の362日間を開園、多くの来園者に対応するため、ボランティアは幾つかの班に属し、曜日ごとに分かれて活動している。これだけの数になると互いに交流のない人も少なくない。そこで「ボランティア相互の活動を知り、お互いに認め合い、仲間意識を高めていく場とする」ことを目的に、年に1回、三溪園ボランティア連絡会・懇親会が開かれてきた。
私もブログで過去3回、2015年12月21日掲載の「三溪園のボランティア」、2017年1月30日掲載の「三溪園ボランティア連絡会」、2018年1月29日掲載の「三溪園ボランティア」で紹介したが、これらと重なる部分をなるべく省いて、今回の三溪園ボランティア連絡会・懇親会を記しておきたい。
2019(平成29)年1月17日(木曜)、園内の鶴翔閣楽室棟に過去最多の約100名が参集した。日本海側の猛吹雪に反して、南関東は穏やかな晴天、ガラス戸ごしに陽がこぼれる。担当は事業課の岩本美津子主事、昨年まで担当の羽田雄一郎主事の支援で30ページの冊子を作り、司会も兼ねた。
今年から内田弘保理事長と猿渡紀代子副理事長が参加して挨拶、三溪園との馴れ初めを含む自己紹介をし、ボランティアへの感謝と激励の言葉を述べて、喝采を浴びた。
吉川利一事業課長が冊子の資料「ボランティアの歩み(年表)と「現況」を使い、短く「2018年の活動のふりかえりと今後の予定」を話したうえで、ガイドボランティアについて岩本主事、英語によるガイドツアーについて滝田敦史主事、合掌造りボランティアと庭園ボランティアについて羽田主事がそれぞれ冊子の資料をもとに説明する。
ボランティア233名の内訳はガイド157名、合掌造46名、庭園74名。年齢は35歳~90歳だが、70歳前後の団塊世代が多い。男性166名、女性67名。居住地は横浜市内ほか、神奈川県下の川崎市・大和市・逗子市・鎌倉市・藤沢市・横須賀市・綾瀬市・茅ヶ崎市・海老名市・足柄下郡(湯河原町)に加え、東京都は世田谷区・大田区・町田市、埼玉県さいたま市、千葉県八千代市にも。
ガイド登録後に三溪園主催の研修で最低限の共通事項を修得、さらに研鑽を重ね、どの人も得意分野を持っている。庭園、古建築、襖絵、茶室、花や樹木、石、苔、露地、野鳥、そして三溪園を作った原三溪の思想や生き方等、広範囲に及ぶ。三溪園の奥深さが、探求の喜びを与えてくれると言う。
活動報告・エピソード紹介等のスピーチの筆頭は、ガイド月曜班の湯川幹夫さん(以下、敬称略)で、火曜班を甲本基、水曜班を鈴木康穂、木曜班を大宅ミチ子と太田泰司(ともに10年目のベテラン)、金曜班を細井茂邦、土曜班を石毛大地、日曜班を福居英三がそれぞれ個性豊かに話す。
ガイドは、11時からと14時からの2回、各1時間の定時のほか、団体客のガイドにも当たる。曜日により違う来園者の数、団体と個人、日本人と外国人、天候の影響等を踏まえて、臨機応変に対応する。
ひとたび門をくぐれば五感のすべてが解放される三溪園。四季の移ろい、一つとして同じではない動植物、重要文化財を含む17棟の古建築、記念館展示の美術品、これらの魅力を感受するにとどまらず、来園者にどう伝えるかに腐心する。この貴重な活動を担うのがボランティアである。
熱がこもれば、話は長くなりがちになる。司会の岩本主事の「…時間が押していまして…」の悲鳴に「…ガイドの基本は喋り過ぎないこと…」と応える声があり、笑いが拡がる。
合掌造ガイドは、月曜班が藤原昌子、火曜班が矢野幸司、水曜班が鈴木克精(よしあき)、木曜班は所用で欠席、金曜班が佐藤美奈子、土曜班が松井正、日曜班が鈴木彰文のみなさん。合掌造は、三溪園内の重要文化財のうち唯一、常時開放で民具等も展示、飛騨白川郷の年中行事の再現等を行い、囲炉裏の火を絶やさない。
来園者からの質問に備えて、外国語セルフガイドシートを作ったとの報告もあった。在日歴20年余のアメリカ人、パメラさん作製の英語版(イラスト入り)から始めて、中国語版(簡体字と繁体字)、フランス語版、スペイン語版、韓国語版を揃え、入口の棚に置いている。
合掌造りは飛騨白川郷で解体し、園で組み直した。建物のまま丸ごと空輸されたと思っていた来訪者が、この説明を聞いて、日本の木造建築の質と技術の高さに感銘を受けたと言ってくれたとの事例報告が印象に残る。
植栽の手入れや路地の清掃等に当たる庭園班は畔上政男と宇佐美芳孝が、茶の湯の会は吉野直美が、自然観察会は竹内勲が、英語の会を野間昇がそれぞれ紹介した。事前にペーパーを準備して冊子に載せて話す人、メモなしに淀みなく話す人、スタイルもさまざまである。
ほかに冊子には6本の活動報告・エピソード等が紹介されている。吉野直美(ガイド月曜班)「英語ガイドツアーに思うことーライスペーパーのお話―」、小野俊明(ガイド水曜班)「ガイド・ボランティア活動から感じたいくつかの提案」、大西功(ガイド金曜班)「私の忘れ掛けた10年位前のエピソードの想い出」、玉田節雄(ガイド日曜班)「春夏秋冬四季の調べ」、酒巻史朗(合掌造月曜班)「平成30年度三溪園ボランティア活動報告・エピソード」、志村忠夫(合掌造水曜班)「三溪園は国内留学? 外交官になったような気が!」。いずれも珠玉の短編ばかり。
最後に私の閉会のあいさつ。
つづく椅子とテーブルの位置を変えての立食懇親会は、班を越えた交流で賑やかに盛り上がった。その笑顔が、三溪園ボランティアの雰囲気を何よりもよく物語っている。
三溪園は年末の3日間のみ閉園し、他の362日間を開園、多くの来園者に対応するため、ボランティアは幾つかの班に属し、曜日ごとに分かれて活動している。これだけの数になると互いに交流のない人も少なくない。そこで「ボランティア相互の活動を知り、お互いに認め合い、仲間意識を高めていく場とする」ことを目的に、年に1回、三溪園ボランティア連絡会・懇親会が開かれてきた。
私もブログで過去3回、2015年12月21日掲載の「三溪園のボランティア」、2017年1月30日掲載の「三溪園ボランティア連絡会」、2018年1月29日掲載の「三溪園ボランティア」で紹介したが、これらと重なる部分をなるべく省いて、今回の三溪園ボランティア連絡会・懇親会を記しておきたい。
2019(平成29)年1月17日(木曜)、園内の鶴翔閣楽室棟に過去最多の約100名が参集した。日本海側の猛吹雪に反して、南関東は穏やかな晴天、ガラス戸ごしに陽がこぼれる。担当は事業課の岩本美津子主事、昨年まで担当の羽田雄一郎主事の支援で30ページの冊子を作り、司会も兼ねた。
今年から内田弘保理事長と猿渡紀代子副理事長が参加して挨拶、三溪園との馴れ初めを含む自己紹介をし、ボランティアへの感謝と激励の言葉を述べて、喝采を浴びた。
吉川利一事業課長が冊子の資料「ボランティアの歩み(年表)と「現況」を使い、短く「2018年の活動のふりかえりと今後の予定」を話したうえで、ガイドボランティアについて岩本主事、英語によるガイドツアーについて滝田敦史主事、合掌造りボランティアと庭園ボランティアについて羽田主事がそれぞれ冊子の資料をもとに説明する。
ボランティア233名の内訳はガイド157名、合掌造46名、庭園74名。年齢は35歳~90歳だが、70歳前後の団塊世代が多い。男性166名、女性67名。居住地は横浜市内ほか、神奈川県下の川崎市・大和市・逗子市・鎌倉市・藤沢市・横須賀市・綾瀬市・茅ヶ崎市・海老名市・足柄下郡(湯河原町)に加え、東京都は世田谷区・大田区・町田市、埼玉県さいたま市、千葉県八千代市にも。
ガイド登録後に三溪園主催の研修で最低限の共通事項を修得、さらに研鑽を重ね、どの人も得意分野を持っている。庭園、古建築、襖絵、茶室、花や樹木、石、苔、露地、野鳥、そして三溪園を作った原三溪の思想や生き方等、広範囲に及ぶ。三溪園の奥深さが、探求の喜びを与えてくれると言う。
活動報告・エピソード紹介等のスピーチの筆頭は、ガイド月曜班の湯川幹夫さん(以下、敬称略)で、火曜班を甲本基、水曜班を鈴木康穂、木曜班を大宅ミチ子と太田泰司(ともに10年目のベテラン)、金曜班を細井茂邦、土曜班を石毛大地、日曜班を福居英三がそれぞれ個性豊かに話す。
ガイドは、11時からと14時からの2回、各1時間の定時のほか、団体客のガイドにも当たる。曜日により違う来園者の数、団体と個人、日本人と外国人、天候の影響等を踏まえて、臨機応変に対応する。
ひとたび門をくぐれば五感のすべてが解放される三溪園。四季の移ろい、一つとして同じではない動植物、重要文化財を含む17棟の古建築、記念館展示の美術品、これらの魅力を感受するにとどまらず、来園者にどう伝えるかに腐心する。この貴重な活動を担うのがボランティアである。
熱がこもれば、話は長くなりがちになる。司会の岩本主事の「…時間が押していまして…」の悲鳴に「…ガイドの基本は喋り過ぎないこと…」と応える声があり、笑いが拡がる。
合掌造ガイドは、月曜班が藤原昌子、火曜班が矢野幸司、水曜班が鈴木克精(よしあき)、木曜班は所用で欠席、金曜班が佐藤美奈子、土曜班が松井正、日曜班が鈴木彰文のみなさん。合掌造は、三溪園内の重要文化財のうち唯一、常時開放で民具等も展示、飛騨白川郷の年中行事の再現等を行い、囲炉裏の火を絶やさない。
来園者からの質問に備えて、外国語セルフガイドシートを作ったとの報告もあった。在日歴20年余のアメリカ人、パメラさん作製の英語版(イラスト入り)から始めて、中国語版(簡体字と繁体字)、フランス語版、スペイン語版、韓国語版を揃え、入口の棚に置いている。
合掌造りは飛騨白川郷で解体し、園で組み直した。建物のまま丸ごと空輸されたと思っていた来訪者が、この説明を聞いて、日本の木造建築の質と技術の高さに感銘を受けたと言ってくれたとの事例報告が印象に残る。
植栽の手入れや路地の清掃等に当たる庭園班は畔上政男と宇佐美芳孝が、茶の湯の会は吉野直美が、自然観察会は竹内勲が、英語の会を野間昇がそれぞれ紹介した。事前にペーパーを準備して冊子に載せて話す人、メモなしに淀みなく話す人、スタイルもさまざまである。
ほかに冊子には6本の活動報告・エピソード等が紹介されている。吉野直美(ガイド月曜班)「英語ガイドツアーに思うことーライスペーパーのお話―」、小野俊明(ガイド水曜班)「ガイド・ボランティア活動から感じたいくつかの提案」、大西功(ガイド金曜班)「私の忘れ掛けた10年位前のエピソードの想い出」、玉田節雄(ガイド日曜班)「春夏秋冬四季の調べ」、酒巻史朗(合掌造月曜班)「平成30年度三溪園ボランティア活動報告・エピソード」、志村忠夫(合掌造水曜班)「三溪園は国内留学? 外交官になったような気が!」。いずれも珠玉の短編ばかり。
最後に私の閉会のあいさつ。
つづく椅子とテーブルの位置を変えての立食懇親会は、班を越えた交流で賑やかに盛り上がった。その笑顔が、三溪園ボランティアの雰囲気を何よりもよく物語っている。
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